施設を選ぶ時のコツ イラストで学ぶ 3つの条件(2)

施設を選ぶ時のコツ イラストで学ぶ 3つの条件(2)

【解説】 施設を選ぶときには『希望』がポイント

施設を選ぶときに失敗はしたくないですよね。

ここで言う失敗とは、

「ここの老人ホームに入居しなければよかった。」

「ほかの施設の方が良かったかしら。」

と思うことではないでしょうか。

「ここに入居する!」と決めた本人と家族が、
「ここは失敗だったかも、、、」後悔するのはとても残念なことだと思います。

老人ホームの評価を5点満点で評価して、5点満点の評価を出せる納得の施設を家族としても選択したいものですよね。

では、5点満点の施設とはどういう施設でしょうか?

たとえば、

  • 老人ホームの周辺環境が緑に囲まれている
  • 老人ホームが10階建てで屋上からの景色がとても綺麗
  • 老人ホームを有名な建築設計事務所が建てている
  • 施設が重要文化財に指定されている
  • 施設の中に配置されている調度品が高級

このようなハード面を求めるかたもいらっしゃるでしょう。

眺望を求めている人がいないとなれば、そもそも高層階マンションも日本には存在していないはずです。
ですから、このような施設を求める人も求めていない人も両方いるはずです。

ほかにも、

  • 食事が毎日、和食か洋食か選べる施設
  • 地産地消の食事をメインにしている老人ホーム

のように、食事にこだわりを求めているかたもいらっしゃるでしょう。

『希望』とは、ひとそれぞれ違うことをイメージし、施設に求めるソフト面もハード面の度合いも違います。

よって、結論から先に話をすれば、

有料老人ホームなどの施設を選ぶうえで、大事なことは『希望』を明確にすることです。

老人ホームに対する『希望』はどこまで求めても良いのか

老人ホームに入居するさいに希望が大事!といわれたら、みなさんはどのような希望を求めるでしょうか。

ソフト面で言えば、

  • 看護師が24時間365日、常駐している施設
  • 介護士のスタッフの人数が多い施設
  • 介護士のスタッフの方が、全員、介護を5年以上経験している
  • 介護士のスタッフの方が、全員、国家資格の有資格者
  • 離職率が低い有料老人ホーム
  • スタッフと入居者の関係が良好な施設

など色々とあげることはできますね。

当たり前ですが、施設を運営に関しては入居者への虐待や不祥事がないように法律に則って運営している施設が良いのは当然のことなので、最低条件、そこはクリアしているとして話を進めます。

さて、この『当たり前』に関して、そもそも『当たり前』とは何を指して当たり前なのでしょうか。
そもそも、老人ホームにおいて当たり前を把握しておかなければ、老人ホームでは当たり前のことなのか、老人ホームの特徴として、その施設の固有の良い点なのかを判断できるようになります。

この判断ができるかできないかによって、そもそも、どこまでの『希望』を言っても問題ないのかがわかります。

たとえば、

介護付有料老人ホームを家族が見学に行ったとしましょう。見学に行った際に、見学を対応してくれた施設のスタッフに

「〇〇の介護付有料老人ホームでは、人員配置を3:1の割合で配置しているので、入居者が3人に対してスタッフを1名の割合で配置し、スタッフもしっかりと整えています。」

という話があったとしましょう。

スタッフと入居者の割合が3:1なら安心と思われるかと思いますが、これは、『当たり前』なんです。
そもそも介護付き有料老人ホームは、人員を配置する際に3:1の割合にしなければならない規定が存在しますので、こちらは当たり前の部類に入ります。

ですから、ご家族の希望として、老人ホームに求める希望が

・介護士のスタッフが多い施設を選択したい

ということであれば、人員配置を3:1で整えている介護付有料老人ホームではなく、人員配置基準が2.9:1以上の介護付有料老人ホームを選択することになります。

実際は、2.9:1以上という記載をしている施設は私は見たことがないので、パンフレットやホームページで確認するのであれば、

人員配置地基準が2.5:1以上や、2:1以上

などと記載されている施設を選ぶと良いでしょう。

このように、老人ホームへどこまで希望を求めるかについては、

まずは、老人ホームにも種類があります。その種類ごとにも基準が違います。

この施設ごとの基準を知り、『当たり前』を把握することが大事なのです。

この『当たり前』が把握できると、施設の選択もしやすくなります。

老人ホームに求める希望を諦める必要がある

老人ホームなどの施設に入居する際に、『希望』は大事だというのは理解できたと思います。

ただ親や家族が「こんな施設に入居したい」という希望が明確になったとしても、希望をあきらめて別の施設にしないといけないケースも存在します。

そういったケースを今回は2つご紹介します。

親が生活保護受給者の場合

親の老人のホームを家族が探しはじめるとしましょう。

親が生活保護の場合は、いろいろと制限がでてくるケースもあります。

生活保護受給者というのは、

生活保護制度を利用し、生活扶助などの扶助費をもとに生活を送っているかたのことを言います。

厚生労働省では、

“資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。(支給される保護費は、地域や世帯の状況によって異なります。)”

出典:厚生労働省 生活保護制度

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatuhogo/index.html

と、記載されています。

“健康で文化的な最低限度の生活を保障”と記載されている通り、たとえば、眺望が良くて高級な老人ホームに入居したいという希望があったとしても、金銭的な問題よりも、制度的に問題が生じるため、入居ができないことになります。

仮に、親は生活保護を受給しているが、施設に払うお金のうち、足りないお金を家族が負担しても良いのでは?

と疑問に思ったかたもいらっしゃるでしょう。

もし、家族が施設に支払うお金を援助したとしたら、それは、親に援助できるから、援助できる資産に関しては生活保護費から引くことになるのです。

たとえば、西東京市に毎月20万円の支払いをすれば、入居できる老人ホームがあったとします。

親が生活保護を受給しており、生活保護費として受給されている金額が毎月15万円の扶助費と仮定した場合、この扶助費内で生活できる老人ホームでないと入居できません。

ですが、家族がよかれと思って、有料老人ホームに入居し続けるために足りていない5万円を家族が援助して、施設に支払いをしたと仮定した場合は、

生活保護費が、

生活保護費  家族援助金  親に扶助できる生活保護費

15万円  ―  5万円 =  10万円

このように、満額の生活保護費が毎月15万円から、家族が援助する金額5万円を引いて、実際の受け取れる生活保護費は10万円と扶助費が減ることになります。

ですから、自ずと生活扶助費内で生活できる老人ホームを選ぶ必要性があるということになります。
いろいろな施設を見学し、高級な老人ホームに入居したいと考えた場合は、

『高級な老人ホームに入居したい』

という希望は、諦める必要があります。

上記では、仮の想定で生活扶助費を15万円と設定してわかりやすく説明しましたが、実際の生活扶助費の金額においては、地域や世帯状況などによって決まっています。

そのため、お住まいの市役所や福祉事務所に相談してみてください。

もし、家がなくて住所がないというかたについては、お近くの市役所や福祉事務所を訪ねてください。

生活保護だからといって、有料老人ホームに入居できないということはありません。そこは、間違えないようにしましょう。

ほかにも、金銭面により、希望する老人ホームの入居を諦めないといけないという他のケースは福祉事務所が施設を選ぶケースや、地域で生活扶助費を決定した市区町村に所在する施設を入居しないといけないなどの制限をされてしまうケースです。

この場合は注意が必要です。
生活保護のかたは、おそらく福祉事務所などの担当者がいらっしゃるかと思います。そのかたと連携して入居を検討していくことをおすすめします。

親の体の状態で希望を諦めないといけない場合

わかりやすい例で話をすれば、親に医療行為があるとしましょう。

たとえば、親が在宅酸素や胃ろうの造設、インシュリンの注射対応などにより、夜間帯にどうしても医療行為が必要な場合。

また医師や看護師が対応をしないといけない時には、老人ホームに医師あるいは看護師が常駐している必要があります。

この場合は、夜間帯に医師や看護師が施設にいるかどうかがポイントになります。

ですから、こうしたケースの場合は老人ホームへの希望よりも、まずは、親の状態を対応できる老人ホームなのか、

それとも対応できない老人ホームなのかを判断し、施設の選択を絞り込んだのちに、その選択肢の施設の中で、より希望が叶えられる老人ホームを決定していくプロセスが必要ということになります。

このように、他のケースもありますが、希望を諦めないといけない場合もあるということを理解しておきましょう。

さいごに

『希望』は老人ホームを選択する際には必須です。
失敗しない老人ホーム選びをしたいのであれば、『希望』を明確にしておくことがとても大事です。

ただし、そもそも老人ホームの『当たり前』を知り、場合によっては『希望』をあきらめないといけない場合があることを理解しておきましょう。

もちろん、知識や情報は、老人ホームを選択する上では非常に大事ですが、どのように生活したいかも入居する本人である親やその家族からすると大事なことだということを忘れないでください。

  • 老人ホームの当たり前なんか知らない
  • いまから老人のホームに関して勉強したくない
  • 老人ホームに選定してくれるプロがいないのか

と思った時は、『近所のよしみ』と検索してみてください。

老人ホームを親や家族の希望に沿って提案してくれる紹介会社です。

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対面で無料相談もおこなってくれますし、

福祉や介護の国家資格を有した相談員が9割も所属している会社なので、難しい老人ホーム選びを助けてくれます。

さいごまでお読みいただきありがとうございました。

このシリーズはコチラ
施設を選ぶ時のコツ イラストで学ぶ 3つの条件(1)
https://media.kinjyonoyoshimi.com/choose/168/

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