高齢者のよだれが多く出てしまうのは嚥下障害?原因や対処方法について紹介!

高齢者のよだれが多く出てしまうのは嚥下障害?原因や対処方法について紹介!

高齢者は、舌や口唇など口腔機能が低下していくせいか、よだれがダラダラと止まらない方という方がいらっしゃいます。

施設などでは、よだれが多く出てしまうため、服が濡れないようタオルを巻いている方もいらっしゃいます。

ひどくなるとよだれが出すぎて食事がうまく飲み込めず、ムセてしまうこともあります。

この多く出すぎるよだれの原因は、加齢による口腔機能の問題なのか、またはなにかの病気なのかと不安になりますね。

ここでは、多く出すぎるよだれの原因と対処方法、受診する科についてご紹介します。

高齢者のよだれによる悩みは?

高齢者の方でよだれが多く出てしまうと悩まれている方は、少なくありません。

多く出てくるよだれによって、よくある悩みとして主に3つありますので、詳しく解説していきます。

食事が上手く飲み込めない

よだれが多く出る原因の一つが、口腔機能の低下によって嚥下機能も低下している可能性があります。

よだれが多く出ている中で食事をすると、飲み込むことが困難となり、口にいれた食事が大量のよだれによって外に押し出されてしまい、口から食事が出てしまいます。

誤嚥する

よだれが多すぎて口にいれたものが食道へ上手く飲み込めず、誤って気管に入ってしまうことで、誤嚥性肺炎の原因になります。

また、状態が悪化してしまうと命にかかわることにもなるため、介護する側も食事介助を行う際、ムセ込まないかと不安になりますね。

口元がただれやすい

口からよだれが出続けている状態でいると、口元が荒れやすくなってしまいます。

軟膏で処置をしても、患部に薬が浸透する前によだれで流れてしまうため、対策も難しいうえに、なかなか完治しづらいです。

また、口元のただれから、さまざまな感染症にかかってしまったり、悪化して皮膚疾患につながってしまうこともあります。

高齢者のよだれがたくさん出る原因は?

唾液は通常、無意識のうちに飲み込んでいるものですが、なにかが原因で飲み込みづらくなると、よだれとなって口から出てきてしまいます。

飲みづらくなる原因として、考えられることは3つあります。

加齢による口腔機能の低下

高齢になると、舌や口唇などの口腔機能の低下や口腔内の筋肉が衰えることで、口が閉じにくくなってしまい、よだれが出るようになります。

他にも、口腔機能が低下すると、嚥下機能も低下し、食べ物が食べにくく、唾液と一緒に流れて出てしまうこともあります。

食事中の食べこぼしは、噛む力や飲み込む力が低下している可能性があると言われ、よだれが多く出る高齢者に多いです。

入れ歯の具合が悪い

入れ歯が合わない原因として、「歯を支える顎の骨の量が減った」「摩擦によって入れ歯がすり減ってしまった」「入れ歯に付着した汚れにより変形した」があります。

入れ歯が合っていないと、うまく飲み込めていない可能性があり、よだれの問題だけでなく噛み合わせが悪くなることで、顎の骨が痩せたり歯茎、粘膜などの異常を引き起こす原因にもなります。

また、「入れ歯が痛い」「噛みにくい」などといったことがあれば、かかりつけの歯科医で作り直しが必要です。

心因的要因

よだれが多く出る原因の中の一つに、ストレスもあります。
ストレスによって、のどに違和感を覚えたり、ストレス性の胃潰瘍や胃炎によっても、のどがつかえたり、飲み込みづらく感じることがあります。

環境の変化や人間関係の悪化など、心を悩ませている原因がないか介護する側は注意してみましょう。

薬の副作用

薬の副作用によって、よだれが出やすくなることもあります。

特に、うつ病などで処方される抗精神薬や睡眠導入剤など脳に作用するような薬は、口の筋肉がこわばったり、よだれが出てしまうなどの副作用が出やすいです。

薬の副作用は、よだれ以外でも「呂律が回らない」「寝ている時間が増えた」など、他の症状が一緒に出ることも多いため、生活に支障をきたす場合は、かかりつけ医に相談してみましょう。

多く出るよだれには深刻な病気が原因?

唾液につながる症状として、まず思い当たるのは、のどや口の中の炎症です。

口には直接関わらない神経や脳の病気など、唾液の分泌が増えてよだれが出ることがあります。

場合によっては、深刻な病気が潜んでいることもあるので、「ただのよだれ」だからと油断してはいけません。

では、よだれが多く出ることで、どんな病気を患っているのかが分かりますので、解説していきます。

口内炎・扁桃炎

口内炎や扁桃炎は一時的なものですが、口の中やのどに痛みがあると、食べ物がしみたり飲み込む時に痛みを感じたりと、飲み込みにくくなります。

高齢者は特に、疾患や薬の副作用などの影響で、免疫力が低下し、口内炎が治りにくくなってしまいます。

口内炎が悪化することで、ヘルペスなどのウイルス性や食べ物や薬などの刺激が原因となる「アレルギー性」などもできやすいです。

パーキンソン病

パーキンソン病とは、神経筋疾患のひとつで、脳の異常によって神経の伝達経路に異常が生じ、体が動かしにくくなったり、手や足に細かな震えが生じるなど、神経と筋肉の連携がうまく働かなくなってしまう病気です。

また、飲み込みにくくなる嚥下障害や唾液の量が増えることによって、よだれが多く出てしまいます。

脳卒中

脳卒中には、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血があり、脳の血管が詰まったり、破れたりする病気で、主な原因は血管が固くなり弾力を失う動脈硬化です。

動脈硬化が生じると血管がしなやかさを失い、詰まりやすくなったり、破れやすくなります。

脳卒中の症状は、突然体の半分にだけ力が入らなくなることや、口や舌、喉を動かす筋肉が麻痺することがありますので、口の片側からよだれが出ている場合は要注意です。

また、脳卒中の後遺症としてよだれが出ることもあります。

がん

がんもよだれが多く出る原因の一つで、口の中にできるがん、悪性腫瘍の総称を口腔がんと言います。

頬粘膜がんや喉頭がん、口腔底がん、舌がんなどがあり、40〜70歳の男性が発症することが多く、最近では高齢女性の割合も増加傾向にあります。

原因は、慢性的な刺激からで、特にタバコは他のがんと同様にリスクが高く、喫煙者は非喫煙者に比べて約7倍も発症率が高いです。

また、入れ歯や被せ物による刺激も原因になります。

主な症状は、のどや舌に痛みやしびれを感じるため、飲みにくくなります。

認知症

認知症の中でもレビー小体型認知症の方は、無意識に飲み込んでいる唾液を飲み込めなくなっているため、よだれが多く出てしまいます。

介護する場合は、「唾液をごっくんしてください」などの声掛けをして、飲み込みを促したり、口周りの筋肉を動かす体操やマッサージ、口の中や舌を清潔に保つといった対応をしましょう。

また、顎や舌に障害や処方される薬の副作用によって、唾液の分泌量が増えよだれが出る原因にもなります。
よだれが多い時の対処法とは?

多く出るよだれは、高齢者にとって健康を害する恐れや病気が潜んでいる可能性が高く、出来るだけ早めに、医師に相談をしましょう。

よだれが気になる高齢者への介護は、どのように行うのか、対処法をご紹介します。

口のトレーニングをする

加齢による口腔機能の低下によって、口まわりの筋肉が徐々に衰えてしまい、食べにくくなってしまいます。

口のまわりの筋力が衰えないためにも、口腔体操やリハビリで改善することができます。

施設やデイサービスなどで行われる口腔体操には、いくつかあり、多くの施設で取り上げられているのが、「パタカラ体操」や「あいうげ体操」です。

二つの体操は、「パ・タ・カ・ラ」「あ・い・う・げ」とそれぞれ4文字を発声するだけの体操ですので、自宅でも簡単に取り入れられます。

また、頬や舌、唇をやさしく刺激をする顔のマッサージや舌の体操、歌をうたうことも効果的です。

口腔ケアをする

口腔機能の維持と向上するには、口腔ケアが大切です。

特に、歯だけでなく舌や口の中全体を清潔にすると効果的ですので、毎食後丁寧に口腔ケアをするようにしましょう。

しかし、口腔ケアを嫌がってしない方もいらっしゃいますので、優しく声掛けをし、ゆっくり進めると継続できます。

誤嚥に注意する

よだれが多いことで、一番気を付けなければならないのは誤嚥です。

飲み込む機能が低下すると、気管に咀嚼物やよだれが入ってしまい、食べ物と一緒に細菌が気管に入り込むことで、肺炎を引き起こす「誤嚥性肺炎」の危険があります。

高齢者によっては、自分でよだれを出せないため、介助する場合は、綿花で拭ったり、たん吸引したりなどの対応をするといいですよ。

食事をする場所では、明るさや騒音など配慮し、落ち着いて食事ができる環境を整えたり、食べる時の姿勢は、上向きではなく前かがみになるよう、気をつけましょう。

また、かき込んで食べたり、口の中いっぱいにほおばらないよう、よく噛むよう声掛けをしたり、食事形態やメニューに工夫が必要です。

・清潔を保つ

よだれが多く出てしまうことで衣服が汚れてしまうため、高齢者用のエプロンやタオル地のスタイを付けるのがおすすめです。

よだれが口や首に付いたままだと、肌荒れを起こしてしまうので、清浄な布でこまめに拭くことも必要です。

ただ、エプロンを嫌がる方もいるので、無理強いはしないようにしましょう。

こまめな水分補給

病気や薬の副作用によって唾液の分泌量が増えると、体内の水分が失われてしまい、脱水症の原因になります。

高齢者はトイレの回数を増やしたくないなどの理由で、自主的に水分を控えてしまうので、意識的に水分をとってもらうように、声掛けをしましょう。

コミュニケーションを取る

よだれが出やすくなるのは、口腔機能の低下が原因です。

改善策としては、他者とコミュニケーションを取ることで、発語が増えてストレス緩和にもなりますので、自然と口腔機能のケアにつながります。

よだれが多く出てしまう高齢者には、積極的にコミュニケーションを取るよう、発語を促しましょう。

多く出るよだれは何科に診てもらう?

よだれがなぜ多く出るのか病院で相談したいが、何科で診てもらえばいいか分からないという方は多いのではないでしょうか。

高齢者のよだれが多く出る原因でもっとも多いのが、口腔機能と嚥下機能の低下です。

こういった場合は、嚥下の専門である歯科や口腔外科、耳鼻咽喉科で受診しましょう。

他にも、ストレスによることもありますので心療内科、神経筋疾患によるパーキンソン病の可能性もあるので、神経内科と口腔に関係ない科が挙げられます。

まとめ

加齢によるさまざまな機能の低下によって引き起こされるよだれは、口周りが荒れるだけでなく、神経や肺、がんや脳卒中と命の危険になる恐れがあります。

本人はもちろん、介護する側も日頃から口腔体操や発音するなどの対処法で、誤嚥性肺炎の予防をしましょう。

また、脱水症を防ぐためにこまめに水分補給を促すよう心がけることも大切なことです。

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