高齢者の背中が曲がる「老人性円背」とはどんな病気?原因や予防や改善方法もご紹介!

高齢者の背中が曲がる「老人性円背」とはどんな病気?原因や予防や改善方法もご紹介!

背中や腰を曲げて歩かれている高齢者を、よく見かける方も少なくないでしょう。

「老人性円背(ろうじんせいエンパイ)」と言って、女性の多くに見られ、痛みはほとんどないようですが、進行すると日常生活に支障をきたしてしまう可能性もあります。

では、なぜ女性の多くが老人性円背となるのか、その原因と予防や改善方法をご紹介します。

老人性円背とは?背中が曲がる原因について

老人性円背とは、背中や腰が大きく曲がったまま固まってしまっている状態のことです。

日常生活の中で、歪んだ姿勢のまま長時間過ごすようになると、椎骨の隙間にある椎間板が押しつぶされてしまい、脊柱の変形となってしまいます。

原因は、猫背の進行によるものや筋力の低下、骨粗しょう症の影響など、骨密度の低下による圧迫骨折の場合もあります。

骨密度の低下は、加齢とともに低下し、男性より女性の方が多いのは、閉経によるホルモンバランスが乱れ、骨がもろくなってしまうことが原因で、骨と骨の間のクッションの役割となっている軟骨も弱くなります。

軟骨が骨に圧迫され耐えられなくなると、少しの力が加わるだけで骨がつぶれてしまうことで、圧迫骨折となり、腰が大きく曲がったまま固まってしまう状態となってしまいます。

老人性円背によるリスクとは?

老人性円背が進行すると、痛みは感じなくても、日常生活への支障が増えてきます。

その中でも、もっとも多く見られる症状が8項目あります。

1.バランス能力の低下

円背によって、身体のバランス能力が低下してしまい、転倒リスクが高くなってしまいます。

体のバランスは、上半身の体幹の重心が安定していると、下半身がふらついたりしても、転倒せずに体を支えられることができます。

しかし、円背によって頭が前の方に突出している姿勢となってしまうことで、バランスが崩れやすく、下半身が常に緊張している状態となります。

そうなると、全身の筋肉が本来の力を発揮できなくなってしまい、筋肉が衰えてしまい、姿勢を保持する力も弱くなってしまうため、バランス能力の低下につながります。

2.圧迫骨折のリスクが高くなる

背骨が前に倒れる状態となっているので、背骨が丸くなり続けると、頭の重みなどに耐えきれなくなり、背骨が潰れてしまいます。

円背が進行すると、歩くだけでなく、前かがみになるだけで背骨が潰れてしまい、気づかない間に、圧迫骨折になっているということもあります。

また、無理に背筋を伸ばすと、脊椎損傷になる恐れがあるので、注意が必要です。

3.筋肉の働きが悪く、呼吸が難しくなる

円背になると前屈みとなり、胸や肋骨が丸くなった状態で固まってしまい、肺などの呼吸器官が圧迫され、酸素が十分に取り込めなくなり、呼吸が難しく息苦しい状態になります。

また、酸素は筋肉を動かすため、体の中の酸素が少なくなってしまうと、筋肉の働きも悪くなってしまいます。

他にも、内臓の働きが悪くなり、便秘にもなりやすいです。

4.誤嚥しやすくなる

円背の姿勢は、アゴが上に上がっている状態になっているため、気道が広がり、食べた物や唾液が、誤って軌道に入ってしまいまいます。

本来なら、食べ物は食道にいきますが、気道に入ってしまい、そのまま肺に入ってしまうと、誤嚥性肺炎を起こすことになります。

普段から食事を取る際は、クッションなどで正しい姿勢で座らせることで、誤嚥性肺炎を防ぎましょう。

5.仰向けで寝れなくなる

背骨が曲がっていることで、仰向けで寝ることが難しく、寝返りもほとんどできなくなってしまいます。

そのため、同じ体勢で寝ることで、腰などに褥瘡(じょくそう)ができやすくなります。

6.座るときに尻もちをつきやすくなる

背骨が曲がっているのは、筋力が落ちていることで起こるため、座るときに尻もちをつきやすくなり、圧迫骨折の原因になってしまいます。

7.顔が下向きになり視野が狭くなる

背中が曲がっていることで、顔が下向きになってしまい、前が見えづらく視野が狭まってしまいます。

そうなると、障害物があっても気づかず、ケガをすることもあります。

8.手足を上げる筋力が衰え、全身の不調につながる

背中以外にもさまざまな部位に負担がかかり、腰痛や膝痛、肩こりなど全身の不調や足を上げたり、膝を伸ばすことが難しくなってしまうと、筋力が衰えてしまい、立ち上がりや歩くなど、生活動作に支障をきたします。

また、肩関節の動きが悪くなることで、手を高く上げられなくなります。

円背は改善する?予防と改善方法について

老人性円背は、日常生活に支障をきたし、進行が進むと要介護状態につながる恐れもあります。

では、どのような予防や改善方法があるのかを知っておきましょう。

食事による改善

1つは、「骨の密度が不足している」ことと「筋肉の衰え」です。

まずは、骨を強化するために「カルシウム」や「マグネシウム」を摂取すること、あわせてビタミンDと一緒に摂ることで、カルシウムの吸収をサポートしてくれます。

また、カルシウムなどを骨に蓄えるためには、体を動かすことが必要です。

歩く動作によって、足の裏全体で感じる刺激によって、骨の新陳代謝が活発になり、カルシウムが骨に定着してくれます。

  • カルシウムを多く含む食品:乳製品、小魚
  • ビタミンDを多く含む食品:サケ、マグロ、サバなどの魚介類、バター、チーズ、キノコ
  • マグネシウムを多く含む食品:アーモンドなどのナッツ類、海藻類、大豆

食事を摂るのが難しい場合は、ドラッグストアで販売されているサプリメントも、気軽に摂取できておすすめです。

他にも、骨を支える筋肉の衰えも原因のため、適度な運動を行いましょう。

特に、筋トレなどの激しい運動をしなくても、ストレッチや近所を散歩するなど、ケガしないよう体をほぐす程度でも効果的です。

正しい姿勢を意識する

2つ目は「姿勢」です。

正しい姿勢で「立つ」「座る」「歩く」クセをつけることです。

まず、正しく立つ姿勢として、背中を伸ばし、肩を後ろに引き、胸を張って下腹部に力を入れ、肛門を締めるようにお尻の筋肉に力を入れると、自然と正しく立つことができます。

正しい姿勢は、健康的なうえ見た目でも若く見られますので、キレイな姿勢を意識して見ましょう。

次に、普段の座る姿勢を見直すことも重要です。

イスに座る時、深めに腰をかけて背中を背面に、ピッタリとくっつけると正しい姿勢になります。

イメージとしては、天井から吊られているように、耳から肩、股関節と一直線になるよう意識して座ると、背中の緊張が軽減され、無理なく上体を起こすことができ、体幹の筋力も自然と鍛えることができます。

背もたれがあるイスに座る場合、背もたれと腰の間に隙間ができる場合は、クッションやタオルを使うと、腰痛持ちの方でも負担がかかりません。

他にも、正しい姿勢で座ることによって、誤嚥性肺炎を予防することにもつながります。

また、足の裏全体が地面についていない場合、イスを変えるか、足を乗せる台があるといいですよ。

歩き方も、少しの意識を持つことで普段の姿勢を、正しく保つことができます。

背中を伸ばし、前足はかかとから入りつつ、足裏全体で着地し、足先全体は意識せず自然と地面から離れるように歩きましょう。

歩幅は、無理に大きくせず、無駄な筋肉を使わないことで、体への負担を軽減できます。

寝るときの姿勢

就寝時に使う枕の高さやベッドにも、注意しなければなりません。

枕の高さを改善することで、背中が丸まっていることによる、仰向けが難しくなりますので、枕の高さを5ミリから20ミリほど高くすると、楽な体勢になります。

首が前に出ている状態で、枕が低いと体に合わず、朝までほとんど仰向けの姿勢がとれません。

また、寝返りが打てないと体の向きが変えられず、朝までほとんど同じ体勢でいると、褥瘡(じょくそう)ができやすくなります。

仰向けで寝る姿勢が辛くなければ、痛みを感じないよう、タオルで高さを調節するといいですよ。

他にも、円背の方がベッドを使う際に、注意しておくことは、柔らかいマットレスやエアマットは使わないようにしましょう。

柔らかいマットレスだと、安定性が低く、筋肉の緊張が高まってしまい、脊椎の突き出た部分が「く」の字状に沈み込んでしまいます。

また、関節の拘縮が起こりやすくなるため、マットレスの隙間にクッションを体の下に挟むことで、褥瘡を予防することにもつながります。

サポート器具を使う

サポート器具は、正しい姿勢を保つために、座ったり立ったりと脊椎への負担を軽減するので、必要に応じて上手に活用しましょう。

サポート器具としてよく使われているのが、コルセットやサポーターです。

背中や骨盤をしっかり支えますので、自然と背筋がまっすぐに伸び、正しい姿勢が保てます。

しかし、腰や背中が楽になるからと、コルセットやサポーターを使い続けると、体幹筋が落ちてしまうので、使いすぎないようにしましょう。

コルセットやサポーターと一緒に使用する際、杖や歩行器、シルバーカーの福祉用具もあります。

それぞれ、グリップがあるので、体重をかけると歩行した時に、安定性が増し、転倒リスクも軽減することができます。

しかし、高さを間違えると逆に体に負担がかかってしまうので、福祉用具の専門家に相談しましょう。

他にも、車椅子を使用されている又は使用する予定の方は、体型に合わせて調節でき、自身の体型あっているかどうかが、車椅子選びにとって重要なことです。

円背の方におすすめの車いすは、モジュールタイプです。

背もたれや腰の形状に合わせて、車いすの座面や背もたれが調整でき、ズレ落ち予防や褥瘡予防にも効果があります。

まとめ

老人性円背は、骨粗しょう症や圧迫骨折など、骨がもろくなることが原因で起こってしまう症状です。

円背を予防するためには日頃から、骨密度を高くするような食生活や適度な運動など、円背にならないよう、正しい姿勢を維持できるよう、ご自身で意識をすることも大切です。

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