有料老人ホームを検討しないといけない状況は急に訪れます。
たとえば、
- 親が自宅のお風呂場で転倒し頭を打って、動くことが困難になり救急搬送されて入院したとき
- 脳出血により体の状態に支障をきたすため、ひとり暮らしは難しいと判断されたとき
- 自分の子どもや、仕事があるので同居して看てあげたいが環境的に同居することが難しいとき
など、いろいろな出来事により、有料老人ホームの検討がスタートします。
入院しているときは、担当医師や担当の相談員から有料老人ホームの検討をしてみてはどうかと助言されることもあります。
私たち『地域介護相談センター近所のよしみ』のような有料老人ホームを紹介する紹介会社を利用するかたもいらっしゃれば、インターネットなどの情報を駆使したり、居宅介護支援事業所のケアマネージャーや病院の相談員の情報で老人ホームを探すかたもいらっしゃいます。
こうして、有料老人ホーム探しがスタートし、「実際にいいかも?」と思う有料老人ホームがあれば、『見学をして確かめる』という次のステップに移っていくことになるでしょう。
今回は、その見学方法に関してご説明をしていくことにします。
「見学の予約なんて、見学したい有料老人ホームに電話をして、見学の予約をとればいいんでしょ?」と思っているかたは、大間違いです。
電話をする前からもったいないことをしていると言っていいでしょう。
すでに、この電話一本から有料老人ホームの介護施設としての質の見極めが始まっているといっても過言ではありません。
それでは早速、話を進めていきましょう。
有料老人ホームの見学予約の方法
有料老人ホームの見学予約には、3通りの方法があります。
1つ目は、有料老人ホームに赴き、見学予約をおこなう方法。
2つ目は、電話で有料老人ホームに電話をして見学予約をおこなう方法。
3つ目は、メールや問い合わせフォームを活用して見学予約をする方法。
たいていのかたは、電話あるいはメールなどを用いて見学予約をされることでしょう。この方が見学予約するのは簡単ですし、確実でしょう。
この2点で見学予約をした場合には、そもそも誰が受け答えしてくれるのかわかりますか?
実は、対応先は3つ存在します。
- 有料老人ホームに直接電話やメールがつながる。
- 有料老人ホームを運営している会社の営業部やお客様窓口などの本社につながる。
- 有料老人ホームを運営している会社が業務委託しているコールセンターの代行窓口につながる。
有料老人ホームに直接つながることができれば、先方の受け答えからも、いろいろと情報を引き出して、この有料老人ホームは質が良いのか悪いのかを判断できる材料を入手しやすいです。
ただし、ほかの2つの方法では、そもそもそういった見学予約の受付を主におこなっている方々なので、対応が慣れていて上手に思えてしまうので、正確に判断をすることは難しいのです。
可能であれば、直接、有料老人ホームに赴いて見学予約することをおすすめします。
もちろん、一度行かないとならないので面倒に感じるかもしれませんが、急に来られた時どんな対応をするのかによって、有料老人ホームの接遇を確認することが可能です。
たとえば、インターホンを鳴らしてもなかなか出てこない有料老人ホームがあったとしたらどう思いますか?「あれ?介護職員の人数が少ないのかしら」と判断できます。
もし、見学予約をしていたとして、その日時に合わせて赴いたとしたら、どうでしょう。準備万端にされてからの施設見学がスタートできますよね。
逆の立場ならば、入居して欲しいからあの手この手を考えませんか?
それと同じです。
このように、有料老人ホームに見学予約するという行為そのものがすでに有料老人ホームに入居しても良いのか判断材料につかえるのです。
実際に、ここで「もし時間がありましたら、いま見学していきますか?」と言われたらどうでしょう?準備がいつでもできていて、職員の人数が足りているからできるのだな。
この新型コロナウイルスの蔓延している時期でも対策を徹底しているから、いつでも見学できる体制が整っているんだな。」と判断することもできるでしょう。
有料老人ホームの見学予約の準備
もちろん、いつ施設見学をしたいのかを調整しておくことは必要ですが、それ以外にも必要なことがあります。
見学予約の電話や、実際に訪問して予約する場合は、ほぼ必ず質問を受けます。
ですから、『何を聞かれる』を知っていれば、より正確に介護施設に親の情報を伝えることができます。そうすると、質の良い有料老人ホームは、親の状態に適した質問の返答や生活したときの雰囲気を話してくれます。
有料老人ホームの見学予約時の持ちもの
- 介護保険証
- 負担割合証
- お薬手帳
最低でもこの3点は用意をしておいた方がいいでしょう。
介護保険証
要介護区分を確認するものです。要介護区分を確認することで、認知症のかたであれば、どの程度の認知症の度合いなのか。親の体の状態はどの程度なのかを確認し、どれだけの介護サービスが必要なのかを判断できる材料に利用します。
負担割合証
毎月、有料老人ホームに支払う費用が変わってくるため、1割負担、2割負担、3割負担のどの負担割合区分のかたなのかを判断し、当日の施設見学時に、費用がどれくらいかかるのかを伝えるために必要になります。
お薬手帳
お薬手帳は、どんな薬を飲んでいるのかを確認することで、食事制限がありそうなのか、医療行為が必要なのかどうかを判断することができます。
有料老人ホームの見学予約時に用意しておく親の情報
- 体の状態
- どんな生活をしているか
- どこに住んでいるか
最低でもこの3点は用意をしておいた方がいいでしょう。
体の状態
胃ろうや糖尿病などによる医療行為をしているかどうか、他にも右半身不随などの体や心に支障を期待していることがあるかないかを伝えてください。
なぜならば、そもそも見学予約した有料老人ホームでは親を入居することができない介護施設という場合もあります。ですから、ここの情報は的確に伝える必要があります。有料老人ホームを見学に行った際に、そもそも入居できない介護施設だったということになれば、時間の無駄ですよね。
どんな生活をしているか
デイサービスにはどれくらい通っているか、訪問ヘルパーは週何回来て、何のサービスを受けているか等を伝えると想像しやすいです。ご家族が週1回見に行っているが、もう限界がきているなども伝えると、有料老人ホーム側もよりご家族の気持ちを理解したうえで話をしてくれるはずです。
ただ、同じことを繰り返し話されたときは、あまり人の話を聞かない老人ホームの可能性があります。
どこに住んでいるか
入院しているのか、ひとりで生活しているのかなどを伝えてください。
その他の準備事項
- 見学人数
- 交通手段
- 食事(試食)
以上、3点です。
見学人数
親も来るかどうかも含めて、見学人数を決めておきましょう。なるべく多くの人数で見学したほうが多角的に介護施設を判断できます。
また、新型コロナウイルスによる感染症の蔓延により、見学者数を制限している場合もありますから、前もって伝えておく必要があります。
交通手段
車で来る場合は、駐車場を確保してくれる場合がありますから、車で行くのか電車で行くのかを伝えておくといいでしょう。
食事(試食)
新型コロナウイルスの影響により、入居者に出している食事を試食として出していない有料老人ホームも多いですが、提供している介護施設もあるので、もし召し上がることができれば試みてもいいと思います。
ただし、食事の提供時間に制限がある場合があります。見学日時を決める前に、試食希望の場合は、先に有料老人ホームに試食をおこなってもらえるのかどうかを確認しましょう。
こうした準備を整えたうえで、有料老人ホームの見学予約をしましょう。
新型コロナウイルスの影響により、有料老人ホームの見学は基本的に事前予約が必要ですから注意しましょう。
こうしたプロセスを踏むことで、有料老人ホームの見学をおこないます。
有料老人ホームを見学する際に持参する持ちもの
実際に有料老人ホームの見学予約を終え、いざ、施設見学をする際には、持ちものを持参することを忘れないようにしましょう。ここでは、どんなものがあるのかご紹介します。
- 介護保険証
- 負担割合証
- お薬手帳
- ケアプラン(介護サービス計画書)
上記4つのうち、当てはまるものを持参すると良いでしょう。
- 介護保険証
- 負担割合証
- お薬手帳
これらについては、当日、電話で間違ったことを伝えていないかも含め、念のため持参したほうが良いというレベルです。電話で伝えているときは、持参しなくても問題ないものです。
- ケアプラン(介護サービス計画書)
なるべく直近のケアプラン(介護サービス計画書)を持参しましょう。
これは、自宅で生活しているかたであれば、担当のケアマネジャーから発行されている書類です。こちらには、どんなサービスを受けているのかを記してありますから、親がどんな介護が必要かを読み解くことができます。
このように、当日に持参すると役立つ持ちものもありますし、入院しているかたであれば、診療情報提供書や看護サマリーなどの書類を持参するとスムーズに見学をおこなえる場合もあります。
有料老人ホームを見学するまでの準備が大事
有料老人ホームの見学は、実は準備がとても大事です。
この準備と、ホーム側にご本人の情報を伝えないまま見学日をむかえると、「先に言ってくれれば見学しなかったのに」ということが見受けられ、実際に関わったご家族からも話を聞くことがあります。
それもそのはずです。有料老人ホームとしては、入居して欲しいわけですから、見学に来てほしいということもそうですが、見学数の多い少ないが評価に響く運営会社もあります。営業部がある運営会社としては、見学数が少なければ、会社としては、「どうなっているんだ!」と営業部に叱責するのも当然ですよね。
そうしたことを考えれば、『有料老人ホームを見学するまでの準備が大事』であり、正確にホーム側に親の状態などを伝えることが非常に大事なことだということが理解できるでしょう。
さいごに
有料老人ホームを見学する際には、必ず複数の老人ホームを見学し、比較検討してください。
ただ、有料老人ホームを見学しても情報が多くなり、逆に混乱してしまうご本人やご家族もいらっしゃいます。こうしたことを防ぐためにも、“プロ”の有料老人ホームの紹介会社へ依頼することをおすすめしています。
正しい介護における知識があれば、親に合った有料老人ホームを選択しやすくなります。
『地域介護相談センター近所のよしみ』は、西東京市で事務所を構え、老人ホームに入居したいかたへ、入居する親に合った有料老人ホームをご提案しています。東京、埼玉、千葉、神奈川を中心に活動しています。たとえば、神奈川県の場合、神奈川県に住んでいる相談員が対応し、横浜市や相模原市でしっかり提案しています。
有料老人ホーム選びを失敗したくない場合は、『地域介護相談センター近所のよしみ』がサポートいたしますのでご連絡ください。
また、今回記載した『有料老人ホームの見学予約の仕方』のような煩雑な入居までの段取りや、労力を費やす有料老人ホームとの調整なども、私たち『地域介護相談センター近所のよしみ』が無料にて承っています。
有料老人ホーム探しに困っているかたは、お気軽にご連絡下さい。