ぎっくり背中とは?症状やぎっくり腰との違いと対処法を柔道整復師教員が解説

ぎっくり背中とは?症状やぎっくり腰との違いと対処法を柔道整復師教員が解説

突然の背中の痛みに襲われたことがある方はいませんか?もしかすると「ぎっくり背中」かもしれません。

もしかしたら自分もそうかもしれない!と思う方や最近、背中周りの動きが悪いような気がする…という方はぜひ読んでみてくださいね。

今回は介護施設や整形外科、整骨院などで勤務歴があり、現在は柔道整復師の養成校で教員を務める筆者が、ぎっくり背中の症状や対処法、予防法などについて説明していきます。

ぎっくり背中とぎっくり腰の違い

そもそもぎっくり背中とはなんでしょうか?「ぎっくり腰は聞いたことがあるけれど…」という方も多いと思いますので、「ぎっくり背中」と「ぎっくり腰」の違いを簡単に説明していきます。

ぎっくり背中

なにかの拍子に背中周りの筋肉(とくに胸の裏あたり)に激痛が走り、その後も痛みが続くものを指します。

様々な発生要因がありますが、私が出会った患者さんでは、ふいに動いたとき、無理に高いところのものを取ろうとしたときなどに痛めた方が多かったです。

ぎっくり腰

なにかの拍子に腰周りに激痛が走り、その後も痛みが続くものを指します。

様々な発生要因がありますが、私が出会った患者さんでは、重たいものを持ち上げようとしたとき中腰などの姿勢が続いた後などに痛めた方が多かったです。

ぎっくり背中、ぎっくり腰になってしまったら

もし、ぎっくり背中やぎっくり腰になってしまった場合は、まずは無理をせず座ったり横になったり楽な姿勢で安静にしてください。

湿布を貼っても大丈夫です。症状によっては温めることが逆効果になる場合もあるので、注意しましょう。

動けるようになったら、接骨院・鍼灸院などに掛かることをことをお勧めします。

電気治療鍼灸治療などで痛みの出ている筋肉の炎症を抑えたり、血流を良くして治癒を早めたりすることができます。体の使い方や注意点などもアドバイスしてもらえると思います。

強い痛みは数日から1週間程度で落ち着くことが多いです。しかし、早いタイミングで治療を始めることが悪化しないためにも、早く治すためにも重要です。

くれぐれも放置はしないでくださいね。長引いたり、違う部位を痛めてしまう可能性があります。早めの治療が肝心なのは、虫歯の治療と同じですね。

注意点

どちらも急に痛みが発生する点は同じで、痛みの出る筋肉の場所によって呼び方が変わります。

背中の下部のあたりや腰の上部のあたりなど、背中なのか腰なのか微妙な場所もありますが…

ただ、症状や治療法に大きな違いがあるわけではないので、そこまで気にしなくても大丈夫です。

注意しなければいけないのは、痛み以外に発熱やだるさ、食欲不振など痛みの場所とは関係のない症状が出ている場合です。

内臓に関連する病気などが隠れているケースがあるので要注意です。

発生のメカニズム

背中周りの構造

まずは背中周りの骨ですが、12個の背骨(胸の高さの背骨を胸椎と呼びます)、左右1個ずつの肩甲骨左右12本ずつ肋骨という骨があります。

次に筋肉ですが、胸椎には体をひねったり反ったりする筋肉(脊柱起立筋など)が、肩甲骨には肩甲骨を動かす筋肉(菱形筋など)や腕を動かす筋肉(回旋筋腱板など)が、肋骨には呼吸に関係する筋肉(肋間筋など)が付着しています。

痛みの出る場所

胸椎周りの筋肉肩甲骨周りの筋肉に痛みが出ることが多いです。特に左右の肩甲骨の間に痛みが出ることが多いです。肩甲骨の間を「けんびき」と呼ぶこともあります。

私が出会った患者さんでも、左右の肩甲骨の間の部分に痛みが出ている方がほとんどでした。

発生機序

寝違えのように急に痛みが発生

朝、起き掛けになにかの拍子に発生する場合があります

身体をひねったり、伸ばしたりしたときに発生

振り向いて物を取ろうとしたときや、高いところから物を取ろうとしたときなどに発生する場合があります

急な動きをしたときに発生

くしゃみや、ふいに身体を動かしたときに発生する場合があります

痛みが出た後

その後も息を吸うだけで痛みが出たり、腕にしびれが出る場合もあります。

なりやすい方と予防法

筋肉の柔軟性が不足

筋肉の柔軟性が低下すると急な収縮に耐え切れず、損傷しやすくなってしまいます。身体の固い人は要注意です。

疲労がたまっている状態偏った食生活により栄養が不足している場合も、筋肉の柔軟性が低下し損傷しやすくなってしまいます。

予防法

柔軟性チェックとして、両腕をまっすぐ耳の横まで上げることが難しい方や、身体をひねったときに後ろが見づらい方は要注意です。

定番ですが、お風呂上がりのストレッチがお勧めです。

肩回し(両手をそれぞれの肩につけて大きく回す)やエアー平泳ぎ(水平、斜め、上など角度を変えて)など肩甲骨を大きく動かすイメージで行うと効果的です。

疲労回復のためにゆっくりお風呂にはいったり、バランスの取れた食事も意識してみましょう。

運動不足

運動不足という言葉にドキッとした方も多いのではないでしょうか。

世界保健機関(WHO)では、週に150分の緩い運動、もしくは75分の激しい運動をしない人を、運動不足と定義しています。

なかなか定期的に運動することは難しいですよね…テレビ長時間見ることや乗り物での移動が多いなど、一日の運動量が少ない方は要注意です。

予防法

腕を大きく振りながらウォーキングや水泳がお勧めです。

今は在宅でもYouTubeなどで様々な自宅でできるトレーニング動画が配信されているので、そちらを利用するのも良いと思います。

ただ、急な運動は逆効果になる危険性があるので、くれぐれも無理はしないでくださいね。

身体の冷え

身体が冷えると血液の循環が悪くなり、筋肉の柔軟性が低下してきてしまいます。寒い時期に外でお仕事をされている方や寒暖差が大きくなる季節は要注意です。

私が出会った患者さんでは、肌寒い時期の方がぎっくり背中になる方は多かったように感じます。

意外とクーラーが効いている夏の室内も注意が必要です。薄い上着を羽織ることがお勧めです。

予防法

適度な運動やストレッチをすることにより、筋肉の循環が良くなり、冷えも軽減されていきます。

もちろん湯船にゆっくり浸かって体を温めることも効果的です。一人暮らしの方や忙しい方など、シャワーで済ましてしまう方もいると思いますが、たまにゆっくり湯船に浸かるのも良いですよ。

カイロを貼ったり、鍼灸治療もおすすめです。ドラッグストアにお灸が販売されていますので、セルフケアをすることも可能です。

自身で背中にお灸をすることは危ないので、ご家族の方に手伝ってもらってください。

一人で行う場合は、肩や腕を温めることで間接的に背中にも効果が見込めます。

過去にお灸を勧めた患者さんはとても気に入ってくれて、自分が買ったお灸を他の患者さんにも配っておススメしていましたよ。

姿勢不良

猫背ストレートネックなどの方は背中周りの筋肉が上手に使えておらず、動きが悪くなっている方が多いです。

テレビ長時間見ることなど同じ姿勢が続くお仕事の方も、筋肉が凝り固まってしまうリスクが高いです。

予防法

日頃から良い姿勢を意識することはもちろんですが、最近ではケガの治療だけではなく、猫背矯正などをメニューに取り入れている接骨院も増えてきているのでおすすめです。

テレビ長時間見ることや立ち仕事など、お仕事の内容によっては同じ姿勢が続いてしまう場合もあると思いますが、タイミングをみて積極的にストレッチや体操などを取り入れてみてください。

最後に

この記事では「ぎっくり背中」について詳しく解説しました。

ぎっくり背中は背中周り(特に肩甲骨間)の筋肉に急激な痛みが生じる症状で、ぎっくり腰との違いは主に痛みの位置にあります。

発症メカニズムは急な動き、無理な姿勢、くしゃみなどがきっかけとなり、筋肉の柔軟性不足、運動不足、身体の冷え、姿勢不良が主なリスク要因です。

予防には肩甲骨を大きく動かすストレッチ、適度な運動、体を温めること、良い姿勢の維持が効果的です。

症状が出た場合は無理せず安静にし、痛みが強い場合は早めに専門機関を受診することが大切です。

背中の痛み、腰の痛みなどでお悩みの方も多いと思いますが、セルフケアや様々な治療法がありますので、一人で悩まずに接骨院や鍼灸院に相談してみてくださいね。

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