ウォーキングは高齢者にとって良いことだらけ!ウォーキングの効果と注意点とは?

ウォーキングは高齢者にとって良いことだらけ!ウォーキングの効果と注意点とは?

猛暑が続いていた日々も終わり、秋になるにつれ、日差しがやわらぎ少しずつ涼しくなってくるこの時期は、「読書の秋」「食欲の秋」「スポーツの秋」など、いろんなことを始めたりする時期でもあります。

 

その中でも、「ウォーキング」はいつでもどこでも、誰でも簡単に始められるスポーツで、特に、高齢者の体力作りに最適と言われています。

 

ウォーキングは、高齢者にとって体力作りの他にも、うれしい効果もありますが、注意することもあります。

 

ここでは、高齢者のウォーキング効果や楽しく続けるコツ、注意点も一緒にご紹介します。

 

高齢者のウォーキング効果とは?

 

日頃から外出が少なく、ほとんど家にいる時間が増えることで、足腰が弱くなったり、生活習慣病・認知症を進行させてしまう恐れもあります。

 

ウォーキングは、体力があまりない高齢者でも気軽にできる運動で、身体面だけでなく脳や心にも良い影響を与えます。

 

では、一体どのような効果があるのか、ご紹介します。

 

1.生活習慣病

 

生活習慣病となる原因として、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ってしまい、使われなかったエネルギーは、脂肪に変わり体内に蓄積されます。

 

その脂肪によって、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病になる可能性が高まってしまいます。

 

この生活習慣病を予防・改善をするためには、有酸素運動であるウォーキングが効果的です。

 

有酸素運動によって、脂肪が分解されたり、血流の改善になります。

 

 

実際、有酸素運動を行っている人としてない人と比べ、生活習慣病になる可能性や死亡率が減少すると言われています。

2.睡眠の質が向上

 

1日のほとんどを自宅で過ごしていると、徐々に不規則な生活となってしまい、昼夜逆転などによる、睡眠不足になる方も少なくありません。

 

また、引きこもりとなってきてしまうと、精神的に落ち込みやすくなり、自律神経のバランスが乱れ、睡眠の質が落ちることも原因と言われています。

 

ウォーキングで足底を刺激させることで、副交感神経の働きを活発させることで、リラックス効果があらわれ、睡眠の質を向上させます。

 

3.認知症の予防

ウォーキングをする事で、脳の血流を良くし認知症の予防への効果があります。

 

以前、理学療法士が「自分の足で歩けなくなると認知症が進行する」という話しを聞いたことがあります。

 

継続的なウォーキングは、脳神経を活性化させる作用があり、適度な運動によって脳神経内部のタンパク質の分泌がされ、神経細胞や血管の形成が促されます。

 

それによって、記憶をつかさどる海馬や記憶力にかかわる側頭葉の働きによって活発化し、認知症予防につながります。

 

4.骨を強くする

 

女性に多くみられる骨粗しょう症とは、閉経する事でホルモンバランスの乱れから、骨がスカスカとなり、骨が弱くなっていくことです。

 

軽い衝撃でも骨折しやすくなってしまい、要介護のきっかけにもなる病気です。

 

骨を強くするには、カルシウムを摂るだけでなく、適度な衝撃を骨に与えることも必要で、歩くことで足の裏からの振動が、骨を強くする要因にもなります。

 

他にも、サルコペニア(加齢や疾患に伴う筋力の減少)・ロコモティブシンドローム(筋肉などの衰えによって、立つ・歩くといった機能が低下)の予防・改善、体力や持久力・バランス機能の向上につながります。

また、フレイル(健康な状態と要介護状態の間)の予防にもなります。

フレイルや予防方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

(参考:フレイルとは?フレイルを予防して元気で健康な身体を維持しよう)

 

歩くことがなぜ大事なのか?

「トイレに行く」「買い物に行く」など、日常生活において歩くということは、基本的で重要な動作です。

 

この「歩く」ということが、なぜ重要で大事なことなのでしょう。

 

・普段から歩かないと歩けなくなる

 

1日のほとんどを椅子に座っていたり、ベッドで休んでいる時間が長いと、活動量が低くなり廃用症候群を引き起こす原因になります。

 

廃用症候群とは、病気やケガなどが原因で安静状態が長期間続いてしまうと、心身にさまざまな機能低下がみられます。

 

また、寝たきりやいき過ぎた安静状態が長く続くことによって、筋肉が萎縮し、関節の拘縮、褥瘡(床ずれ)にもなります。

 

・転倒しやすくなる

 

歩かなくなると筋力が弱くなり、歩行時に足のひっかかりがみられ、転倒しやすくなります。

 

高齢者が転倒してしまうと、骨が弱くなっているため骨折しやすく、要介護状態になる可能性があります。

 

・外出する機会が減る

 

足腰が弱くなってきてしまうと、外出する機会が減り、日常生活においての意欲が低下し、精神的に落ち込みやすくなってしまうこともあります。

 

落ち込みが増してくると、認知症やうつ状態を引き起こすこともあります。

ウォーキングの正しい歩き方

 

ウォーキングには、ただ歩くだけだと効果が出ません。

 

健康的な身体作りをするために、ウォーキングの正しい歩き方をご紹介します。

 

・歩く速度

 

買い物や散歩など、普段歩かれている速度よりも、少し早く歩くことを意識してみましょう。

 

息切れするほどの無理な歩き方はせず、軽く汗をかきながら、会話をしながらでも行える程度の速さがちょうど良いですよ。

 

・歩くときの姿勢

 

できるだけ猫背にならないよう背筋を真っ直ぐに伸ばし、歩くことを意識しましょう。

 

難しいという方は、視線をなるべく遠くを見るように顔をあげ、胸を張るように意識をすると自然と背筋が伸びます。

 

腕は大きく振り、歩幅はやや大きめにすると効果が高くなります。

 

かかとから着地し、つま先で地面を蹴るように歩くと、つまずいて転倒する恐れもなくなります。

 

また、全身を使ってウォーキングをすることを意識することで、より効果が発揮します。

 

それには、脚の振り出し方が重要で、脚の付け根がみぞおちにあるイメージで、太ももの内側を擦るように歩くと、内ももとお尻の筋肉をしっかり動かすことができます。

・歩く時間・頻度

 

1日20分から1時間程度を目安に行いましょう。

 

以前までは、「1日1万歩」と言われ、男性でしたら9,000歩、女性でしたら8,500歩歩くことを推奨されてました。

 

しかし、普段から歩く習慣のない方が1万歩近く歩くことは、難しく身体の負担もかかります。

 

「健康のためにもっと歩かなければ!」と意気込んでも、続かなければ意味がありません。

 

また、歩く頻度は毎日行うので、無理のない程度​​にご自分の体力・ペースで、ウォーキングを行いましょう。

 

・歩きやすい靴を履く

 

いつもよりも少し長く歩くには、歩きやすい靴を履くのがおすすめです。

 

その中でも、ウォーキング用のスニーカーがあり、長時間履いても身体への負担が少なく疲れにくいのが特徴です。

 

また、自身の足の大きさと違うスニーカーを履くと、足や身体への負担が掛かってしまいますので、靴選びにも気をつけましょう。

 

・動きやすい服装

 

ウォーキングをする際は、季節を問わず動きやすく機能性が高いものを選びましょう。

 

トップスは、運動中に汗をかきますので、汗を吸って乾きが速い生地のシャツがおすすめです。

 

また冬場は、汗をかくことで体が冷えやすくなるので、ネックウォーマーなどを使うといいですよ。

 

パンツは、汗をかいても蒸れず、快適に使え、冬の寒い時は体を冷やさないよう防寒性や保湿性が高いパンツがおすすめです。

 

靴下は、ツルツルした生地だと、歩いているときに靴の中で動いてしまうため、靴下底に滑り止めがついたものを使いましょう。

ウォーキングをする際の注意点

健康のために、楽しく長く続けるために、無理なく安全にウォーキングをするための注意点をご紹介します。

準備運動・クールダウン

 

普段あまり歩かない方が、突然動き出したり歩く時間がいつもよりも長いと、ケガをする危険があります。

 

ウォーキングに関わらず、軽い運動でも始める前には、準備運動やストレッチをすることが大切です。

 

体を温めることで、固まっていた筋肉がほぐされ、足のつりを軽減することにつながります。

 

また、陸上選手は、ゴール後に立ち止まらず、心拍数が落ち着くまで歩いている行動をよく見かけます。

 

それと同じで、ウォーキングを終えてもいきなり止まるのではなく、少しずつ歩くペースを落としてリラックスしてから終わらせましょう。

 

・水分補給

 

高齢者は体内の水分量が少なく、加齢によって暑さや喉の乾きといった感覚が鈍くなり、水分が不足しやすくなります。

 

歩くだけと言っても、汗をかきますので水分をとらないと脱水症状になってしまいます。

 

早朝にウォーキングを行う場合は、寝ている間に汗をかいているため、始める前にコップ一杯分の水をとることを忘れずに。

 

運動前、運動後は水分補給は必ず行いましょう。

暑い日・寒い日は無理をしない

 

「毎日続ける」と意気込み、頑張る方もいらっしゃいますが、天候の悪い日や外の気温が暑い日・寒い日は無理をする必要はありません。

 

特に、寒い日は体が冷えやすくケガなど体調を崩しやすく、暑い日は熱中症の危険があります。

 

長く続けるためには、無理をしないことも大切です。

体調不良などの時は無理をしない

 

いつも歩いているコースが、その日は疲れやすかったり、しんどかったと感じた場合は、無理をせずしっかり体を休ませましょう。

 

高齢者は、加齢による筋力や体力が低下しやすいので、ご自分のペースで行いましょう。

 

また、持病のある方は始める前に、主治医と相談してから行うと安心です。

 

まとめ

ウォーキングは、筋力や持久力の維持向上させるだけでなく、骨粗しょう症や認知症など、さまざまな病気の予防・改善にも役立ちます。

 

ですが、間違った運動のしかたによっては、病気や腰痛などが悪化する恐れがあります。

 

いいことづくしのウォーキングを、少しでも長く続けることが重要で、いつまでも、自分の足で歩き、いつまでも健康的かつ、日々の運動習慣は必要不可欠です。

 

コースを変えてみたり、服装をこだわってみたり、友人を誘ってみたり、季節を味わったりしながら、無理せず楽しい時間にしましょう。

 

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