片付けられない高齢者!実家がゴミ屋敷化。対策と認知症、精神疾患、うつ病との関連や本人への説得方法を解説

片付けられない高齢者!実家がゴミ屋敷化。対策と認知症、精神疾患、うつ病との関連や本人への説得方法を解説
なんだか最近、実家が散らかっているな
お隣さんから「臭い」「モノが散乱してる」って噂になってるらしいわよ

そんなお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。もしかしたら、それは単なる「片付け下手」が原因ではないかもしれません。

実は、高齢者が片づけられないことには、認知機能の低下や体力の衰え、価値観など、さまざまな要因が関与しています。

今回は5つのケースを紹介し、対処法について、介護の現場で実際にあったエピソードも交えながら、わかりやすくお伝えします。

高齢者が片付けられない5つのケース

高齢者が片付けに苦労する背景には、認知機能の低下、体力や気力の衰え、価値観の違い、心理的な抵抗、精神的な問題など、さまざまな要因が関係しています。

単なる「片付けの苦手さ」が原因ではない場合、それぞれの状況に応じた理解と対応が求められます。

認知機能の低下による影響

「あれ?さっきまでどこに置いてたっけ?」そんな経験、あなたにもありますよね?

高齢になると、判断力や記憶力が低下し、物の置き場所を忘れてしまうことが増えてきます。

例えばこんな症状、心当たりはありませんか?

  • 日常的に使うものの場所を忘れる
  • すでに持っているものなのに、同じものを何度も買ってしまう
  • 何を捨てたらいいかわからなくなり、いらないものが溜まっていく

これらが積み重なると、部屋が物であふれ、整理が追いつかなくなるのです。

実際に介護の現場では、認知症の初期症状として片付けができなくなるケースがよく見られます。

職員さん
職員さん
訪問介護で支援していた高齢者の方は、冷蔵庫に不要な書類を保管したり、新聞を山積みにしてしまったりすることがありました。こうした行動は、単なる片付けの問題ではなく、認知機能の低下が影響していることが多いです。

体力・気力の衰えと片付けの負担

片付けは、意外と体力を使う作業です。物を持ち上げたり、移動させたり、長時間立ったまま作業したり…。

加齢により筋力や持久力が低下すると、長時間の立ち作業や中腰の姿勢での作業が難しくなります。

そのため、「片付けると痛くなるからなかなかできない」といった状況に陥ることが少なくありません。

職員さん
職員さん
介護現場では「疲れてしまって片づけられない」と話す高齢者の声をよく耳にします。訪問介護で関わった高齢者にも、大好きだった庭仕事ができなくなり、手入れが行き届かなくなるケースがありました。

もったいない精神と過去の価値観

「まだ使える」「いつか使うかもしれない」そう思って、なかなか物を捨てられない。

特に、戦中・戦後を経験した世代は物を大切にする価値観を持ちやすく、物を捨てることを嫌がる傾向があります。

物が不足していた時代を生きてきたからこそ、物を大事にする習慣が身についているのですね。

壊れた家電や古い服でも「修理すれば使える」「何かに再利用できるかもしれない」と考え、なかなか処分できないのです。

職員さん
職員さん
ある高齢者は、「納屋にしまっている昔の服が捨てられない」と話していました。話を聞くと、「戦後何もなかった時代を経験している。いつか使えるのではないかと思ってしまう。」とのことでした。

片付けることへのストレスや不安

「思い出の詰まったものを捨てること=大切な記憶を失うこと」と感じ、気持ちの面で抵抗を感じるケースもあります。

また、周囲から片付けを促されることで、まるで自分の気持ちを無視されているように感じたり、「急かされている」というプレッシャーを覚えたりすることもあるようです。

職員さん
職員さん
訪問介護で支援していたある高齢者の方は、「家族が勝手に片付けてしまう」と言われていました。退院後に帰宅すると、自分の荷物が勝手に整理されていて寂しさを感じたというケースもあります。不安に感じる本人の気持ちに配慮しながら進めることが大切ですね。

うつ病・セルフネグレクトの可能性

意欲の低下から、身の回りの整理ができなくなることもあります。

うつ病やセルフネグレクト(自己放任)といった精神的な問題が関係していることがあり、注意が必要です。

このような場合、ただ片付けを促すのではなく、心のケアを併せて支援を行うことが大切になってきます。

片付けを進めるための5つの対処法

片付けをスムーズに進めるためには、適切なアプローチが重要です。

本人のいないところで片付けを進めたり、捨てることを強制するのではなく、本人の気持ちに寄り添いながら進めることが大切です。

「捨てる」ではなく「整理する」から始める

高齢者の片付けを進める際に、「捨てる」という言葉を使うと拒否反応を示すことがよくあります。

次のような言葉遣いを心掛けることで、意外とスムーズに片付けがすすむこともあります。

具体的な言葉がけの例

  • 一緒に整理しよう
  • 必要なものを分類しよう
  • いるものを見つけやすくしよう

親の価値観を尊重しながら進める

価値観を尊重しながら片付けを進めることも重要です。本人が大切にしているものまで捨てる必要はありません。置いておきたいものはあるのか、日頃から話し合っておくことが大切でしょう。

戦後の物不足を経験した世代にとって、物を大切にする意識が根付いています。長年培ってきた価値観は、簡単には変えられません。

職員さん
職員さん
訪問介護で支援していたある高齢者には、大切にしていた趣味の道具がありました。家の片付けは定期的に取り組まれていましたが、大切な道具は、亡くなるまで手元においておられました。

体力面のサポートをする

高齢者にとって、片付けは身体的にも精神的にも負担が大きいため、家族や支援者が一緒に取り組むことが効果的です。

無理をせず、少しずつ取り組むことが成功のポイントです。家族が訪問した際に、少しずつ一緒に取り組むだけでも、負担は軽減されるでしょう。

職員さん
職員さん
定期的に訪問介護を利用されいている高齢者は、病気により手が動かしにくくなり、片付けに時間がかかります。ヘルパーと一緒に短時間ずつ片付けをされており、整頓された部屋を維持できています。

プロの整理収納サービスを利用する

プロの整理収納アドバイザーや福祉整理の専門家に依頼することも、解決策の一つです。

特に、家族が説得しても進まない場合や、第三者の客観的な意見が必要な場合は、プロの力を借りるのも一つの方法です。

職員さん
職員さん
家族だと遠慮がないので、口論になってしまうという話もよく聞きます。第三者に相談するのも一つの手ですね。

行政・介護サービスとの連携も視野に

自治体や福祉団体が提供する片付け支援を活用することも検討できます。

特に、セルフネグレクト(自己放任)が進んでいる場合、行政の支援が必要になることがあります。

介護の現場では、実際にごみ屋敷化した高齢者の家を地域包括支援センターと連携して片付けた事例があります。

家族だけで解決が難しい難しい場合は、行政に相談することも検討しましょう。

 片付けが進まないとどうなる?放置するリスク

片付けを怠ると、生活環境の悪化につながります。転倒や健康リスク、近隣トラブルの可能性が高まるため、早めの対応が必要です。

転倒・怪我の危険性

高齢者が片付けをしないことによる、最も大きなリスクは転倒です。

特に、床に物が散乱しているとつまずきやすくなり、骨折の原因にもなります。

高齢者にとって転倒は、「寝たきり」など介護が必要な状態へと進行しやすく、非常にリスクがあります。このようなリスクを防ぐためにも、片付けは重要です。

衛生環境の悪化と健康リスク

掃除が行き届かないと、ホコリやカビがたまり、健康被害を引き起こします。

特に、呼吸器系疾患のある高齢者にとって、室内の空気をきれいにしておくことは重要です。

ゴミ屋敷化による社会的問題

片付けが進まないと、結果的にゴミ屋敷になってしまうケースもあります。これは個人の問題だけでなく、近隣トラブルや火災リスクにもつながります。

職員さん
職員さん
地域に暮らす高齢者の健康を守り、安心できる暮らしができるように必要な援助および相談を受け付ける地域包括支援センターにまずは相談してみてください。

まとめ

介護の現場では、片付けを巡るトラブルが多く発生します。片付けは、高齢者の方にとって心身ともに負担が大きい作業です。

焦らず、本人のペースに合わせて進めることが大切です。まずは、日頃からコミュニケーションを取り、状況を把握することから始めましょう。

家族だけで解決しようとせず、必要に応じて専門家の力を借りることも検討してください。安全で快適な住環境を整えるために、一歩ずつ取り組んでいきましょう。

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