医療が必要な方の入居について

医療が必要な方の入居について

医療が必要な方の入居について

 

有料老人ホームに入居するときに、入居するかたの医療行為が必要かどうかというのは、とても重要なことです。
そもそも、老人ホームで対応できないと言われてしまうこともあるので、どんな病状で医療行為が必要なのかどうかを正確に理解するとともに、施設に連絡をして病状の医療行為が対応してもらえるものなのかを確認することは非常に大事なポイントです。

この記事では、医療行為が必要な入居検討者や親が、
実際に有料老人ホームへ入居する際の注意点やポイント、大事なことなどを記載していきます。

医療行為とは

医療行為とは、医師及び医師の指示を受けた看護師・助産師などの医療従事者のみ行うことが認められている治療や処置などのことをいいます。
ですから、老人ホームにおいても、社会福祉士、居宅介護支援専門員、介護福祉士などの有資格者であっても、医療行為をすることはできません。
医学的な技術や、知識、どんな治療をするかなどの判断が求められることであります。

医療行為とはどんなものか

医療行為にはどんなものがあるかご存じですか?

この章では、有料老人ホームで起こり得るであろう医療行為を主に記載します。
たとえば、

「親の爪がのびているから切ってほしいな。」

ほかにも、

「ひげをそってほしい。」

「インスリン注射の対応をしてほしい。血糖をはかって、単位分の注射をしてくれないかな。」

「親は便秘がちだから、入居したら浣腸(かんちょう)をしてほしい」などなど、

自宅で自分ひとりで行っていたことや家族が代わりにやっていた行為があったと思います。
この上記のカッコ書きの中にも、すでに、医療行為が含まれています。
有料老人ホームに入居してから悩むことも多くありますから、早速、ご説明いたしましょう。

介護職員(ヘルパー)でできない行為

・インスリン注射(インシュリン注射)

インスリン注射(インシュリン注射)は、糖尿病の治療の1つです。

糖尿病とは

“インスリンの作用不足により高血糖が慢性的に続く病気。網膜症・腎症・神経障害の三大合併症をしばしば伴う。糖尿病は、インスリンというホルモンの不足や作用低下が原因で、血糖値の上昇を抑える働き(耐糖能)が低下してしまうため、高血糖が慢性的に続く病気です。”

引用:e-ヘルスネット(厚生労働省)

糖尿病

と記載があるように、高血糖を抑えて、血糖を下げる働きをインスリン注射で補います。
インスリン注射の際、意外と忘れられがちなのが血糖の測定です。
医師の指示により、血糖測定せずに、決まった時間帯やタイミング(食後や食前や早朝など)にインスリン注射を決まった単位分を打っている方もいらっしゃいますが、実は、注射を打つ前に、血糖測定をされてから単位分のインスリンをセットし、注射している方もいらっしゃいます。

こうした、インスリン注射や血糖測定は医療行為になります。

余談ですが、老人ホームではインスリンの対応ができる施設もあります。
しかし、対応できない施設や2回までは対応できるが3回は対応できないなど、時間帯や回数やタイミングによって、施設の対応度が変わります。
そもそも入居できないというケースも多いので、入居時には注意が必要です。

最近では、内服で対応できている方もいらっしゃいます。ですので、もし、いろいろな施設を見学後に気に入った施設があるがインスリン注射の対応ができない場合は、有料老人ホームに入居することをあきらめないでください。かかりつけの担当医に内服での切り替えが可能かどうかの確認をしてください。内服薬に切り替えることができれば、希望の施設へ入居も可能になるかもしれないですね。

インスリン注射の対応や血糖測定は、介護職員は対応できると思っている家族のかたも多いので、間違えないようにしましょう。

ほかには、

・摘便

便秘のかたが自然排便できないときに、看護師などが肛門や直腸を傷つけないように注意しながら強制的に便を取り除くことをいいます。
こちらに関しても、もちろん、医療行為となります。

・爪切りやつめやすり

介護職員でも行っても良いとされています。
ただし、爪そのものに異常がある場合や、爪の周囲の皮膚にも化膿や炎症がある場合、ほかにも、糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要である場合などにおいては、爪切りや爪やすりでやすりがけすることは医療行為にあたる場合があるので注意が必要です。
こちらに関しても、介護職員は対応できると思っている家族のかたも多いので、専門家としては覚えておいてほしい事柄ですね。

・歯磨き

重度の歯周病等がある場合などによっては、医療行為にあたる場合がありますので、歯磨きなら介助していいと簡単に思わないようにしましょう。

条件をクリアすると介護職員でもおこなえる医療行為

・喀痰吸引(かくたんきゅういん 定期的に痰を取り除くこと)

実地研修があり、実地研修で認められた介護福祉士であれば、喀痰吸引を行うことができます。
研修以外にも、家族の同意を得ることや、往診医師などによる医療連携の構築や、都道府県知事へ申請し登録をしているかなどのいろいろな条件をクリアしていることが必要であります。
ですから、実地研修を終えたからといって、必ずしも喀痰吸引を行っていいわけではありません。
24時間看護師が施設に常駐していない場合でも、施設に確認して痰吸引の対応ができるか確認してみましょう。

・経管栄養(体外から管を通して栄養や水分を投与すること)

こちらに関しても、喀痰吸引と同じように実地研修があり、実地研修で認められた介護福祉士であれば、経管栄養を行うことができます。
しかし同じように、いろいろな条件をクリアしていないと介護福祉士を取得している介護職員でも行えない場合があります。

介護職員が行える医療行為でない行い

  • 体温計を用いた体温測定
  • 自動血圧測定器を用いた血圧測定
  • 酸素濃度測定器の装着
  • 軽微な切り傷や擦り傷、やけど等の処置(ガーゼ交換を含む)
  • 湿布の貼付
  • 軟膏塗布(床ずれの処置を除く)
  • 目薬をさす

老人ホームでの医療行為の重要性

自宅にいても同じですが、老人ホームでも医療との関わりは必要不可欠です。
施設入居をする際に、医療と介護は切っても切れない関係の一つですから、紹介会社のプロとしては医療行為が必要かどうかは必ず聞いて、入居検討者の情報を正確に詳しく確認します。

たとえば、糖尿病であれば、食事制限をしている場合もありますし、胃ろうで食事を摂取している場合はどのくらいのカロリーを摂取しているか、食事の種類はどうか、1日に何回胃ろうでの食事をするかなどの確認もします。

そうした内容を正確に確認しないと、施設選びが正確に行えないので、見学に行ったけど、そもそも入居できる条件に当てはまっていなかったということになってしまいます。
プロでない他社の紹介会社では、そういったことがあったという話を聞いたことがあります。
もちろん、弊社では、まずそんなことは起こりえません。

こうして得られた内容を踏まえて、施設にしっかりと申し送りをすることも私たちプロの仕事です。

医療行為の施設を探す際のポイント

医療行為の対応ができる施設を探すのは難しいです。

なぜ難しいかというと、施設が対応可能とホームページなどを見て確認できたとしても、医療行為が必要な方が多い場合は、スタッフのマンパワーが足りずに対応できないということもあります。
相談可能となっていても、1施設1施設に電話をし、正確に内容を伝えて対応できるかどうかを確認しないといけないからです。

プロの紹介会社は、正確に確認できています。
ある程度この施設は対応できてこちらの施設では対応できないなどを熟知していますから、容易に判別が可能です。
医療行為のある施設を探している方は、紹介会社に施設探しを依頼し、相談した方が効率よく施設探しが可能ですのでおすすめです。

また、看取りを老人ホームで行いたいと考えている方や、延命を希望していない場合は、日中にしか看護師がいない施設よりも、24時間365日、看護師がいる施設の方が望ましいです。

そして、必ず確認することとしては、往診医師が必ず駆け付けてくれるのかを確認したほうが良いです。なかには、往診医が駆け付けるような契約をしていない施設もあります。ですので、確認をすることが必要です。

施設で看取りをしてほしいのに、状態が重くなったら、退去や病院に連れていかれてしまうのでは、親の希望を叶えてあげられないことにつながります。

一生に一度しかなく、間違えたでは済まされない選択ですから、しっかりと親や家族の希望を施設に伝えて、看取りを行う場合は、その意思を施設側にしっかりと伝えましょう。できれば、看取りの経験が豊富であるかどうかも確認し、施設での経験がきちんとあるのかどうかも確認を忘れないようにしましょう。

看取り介護を希望していて、可能な限り親や家族の意向に近い施設を選択したい場合は、私たちでよろしければ、お力になりますからお気軽にお電話ください。

私たちでなくても、自分が信頼できる紹介会社が見つかった際には、活用し、看取り介護に強い施設を紹介してもらってください。医療行為ができるだけが看取り介護に強い施設ということではありません。医療行為はできるし、看取り介護にも力を入れているからこそ経験人数も多いというような施設を選択することが大事ですので、確認を怠らないようにしましょう。

 

※余談ですが、在宅診療は、「往診」と「訪問診療」にわかれています。施設側がこの二つの違いを理解せずに運営している施設もありますから必ず確認し、どちらかを確認し、違いを聞いてみましょう。答えられない場合は、医療に力を入れていない施設かもしれません。一つの判断材料として使えますから、利用してみてはいかがでしょうか?

医療行為に関する項目は難しい分野ですが、知らないと施設選びを失敗することにつながります。この記事がみなさまの参考になれば幸いです。

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