「施設を探そう!」というときは突然に訪れます。
そんなときに、介護の知識は役に立ちます。施設を探すにしても、施設の機能や種類を知っておかなければ選ぶことはできません。
ふるさと納税やNISAという制度を知っていないと上手に利用できないように、施設に関しても知識がなければ上手に選ぶことはできません。ですから、インターネットで施設を探したとしても介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホーム・・・と、どの施設を探せばよいのか迷ってしまいます。
老人ホームや介護施設は、運営主体や目的、入居条件などによりさまざまな種類があります。『要介護度』といわれる体の状態や介護をどれくらい必要としているかを判定する介護認定区分に応じては入居できない施設もあります。
- 老人ホームの機能と種類を知りたいかた
- 急に老人ホームを探すことになったかた
- 病院から退院先として老人ホームをすすめられたかた
などで、お困りのかたにお役に立つ記事をご紹介します。
施設というのは、社会福祉法人や医療法人などが運営する公的施設と、民間企業が運営している民間施設に分けることができます。さらに、施設の役割に応じて細かく種類が分かれていきます。
今回は、それぞれの施設ごとの違いについても解説します。
公的施設と民間施設の違い
公的施設は、主な設置主体が地方自治体や社会福祉法人、医療法人です。みなさんがよく耳にするのは、『特別養護老人ホーム』という施設ではないでしょうか。
こちらは、社会福祉法人が運営していることが多く、医療法人がかかわって特別養護老人ホームを運営しているケースもあります。ほかにも、軽費老人ホームという施設なども公的施設と言って良いでしょう。
公的施設は、民間に比べ費用を抑えられる点がメリットです。人気の特別養護老人ホームであれば、入居待ちは間違いないでしょう。
施設の種類によっては、低所得者に対する優遇制度が利用できるという特徴があります。
具体的な優遇の内容としては、たとえば所得に応じて、毎月支払う食費などが減額した状態で入居できたりするので、費用の支払いの面での優遇が1つあげられます。
民間が運営している施設としては、有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅があります。
この3つは数も多く、コマーシャルや看板を見かけたことが1度はあるのではないでしょうか。
公的施設よりも毎月支払う費用は高い場合が多く、その分サービス面や施設としての独自性を充実させやすいという点がメリットとしてあげられます。
たとえば、同じ有料老人ホームという種類の施設でも、差別化を行いやすくなります。
費用面においても高めと伝えましたが、施設によっては生活保護受給者のかたでも入居できる施設も増えてきています。よって、民間が運営している施設だからと言って、必ずしも高いとは言えないような時代になっています。
公的施設について
公的施設もいくつかの種類がありますが、主な2種類の施設を紹介します。
公的施設の種類
『介護老人福祉施設』
原則として要介護3以上から入居が可能です。特別養護老人ホームのほうが聞きなれているのではないでしょうか。介護業界では、省略して『特養』と呼んでいます。
病院のように1室に4人や2人で利用する部屋を多床室と呼びます。そして、こうした多床室で構成された施設のことを『従来型』と呼んでおります。
月にかかる費用も15万円程度と比較的低価格で入居が可能となります。ただし、最近では感染症やプライバシーの配慮により、特養でも個室が増えてきています。
その分費用も高くなり、月にかかる費用も18万円程度と従来型の特養に比べて費用が高い傾向が見受けられます。
特養での介護は、主に入浴・排泄・食事の介助などといった身体介護や清掃・洗濯などの日常的な生活支援をおこないます。ほかにも健康管理、リハビリ、レクリエーションなどのサービスを受けることもできます。
医師が日勤帯などに常駐している特養などもあるため、医療行為が必要なかたで特養に入居を希望されるかたは、医師が常駐している特養なのか確認してから見学や入検討をするといいです。
また、終の棲家になる可能性が高いため、終身にわたり入居し続けられる施設が多いです。看取り介護を希望するかたは、そちらも確認しましょう。
『介護老人保健施設』
病院から退院してすぐに自宅で生活することが難しい方が、自宅に帰ってひとり暮らしや夫婦での生活復帰を目的とした施設です。
そのため、入居期間は原則として3〜6ヶ月という期限があり、自宅で生活ができるよう、リハビリをおこなう施設を『介護老人保健施設』といいます。リハビリについては、施設によって回数や時間もさまざまなので、リハビリを多く希望されるかたは、施設に確認をするといいでしょう。
介護老人保健施設は、介護業界では、『老健』と呼んでおります。
病院からの退院先の1つとして、自宅に帰る前の中間的な位置づけで、病院を退院後に入居するかたが多いです。食事・入浴・排せつなどの身体介護、医師・看護師による医療的管理、理学療法士などによるリハビリテーションなどが提供されます。毎月の費用は4人部屋で9~15万円前後です。2人部屋・個室は特別室料が加算されますので20万円くらいになることもあります。初期費用はかからないことが多いです。
民間施設とは
こちらについても、主な2種類の施設を紹介します。
民間施設の種類
有料老人ホーム
有料老人ホームは、3種類あります。その中でも、よく耳にするのは、『介護付き』と『住宅型』と介護業界では言われている2種類の施設ではないでしょうか。
『介護付き有料老人ホーム』
24時間介護スタッフが常駐している。介護サービスを受けることができ、介護を受ける際の費用は、介護度別の定額を支払うことで、日常生活に関わる介護サービスを受けられます。
身体的に入居者に触れる介護もありますが、掃除や洗濯を代わりにおこなうという介護もあります。このように、出来ないところを支援してもらいながら生活することができる施設です。
介護付き有料老人ホームと一言で言っても、この中でも種類分けがされております。
そのなかでも、『介護専用型』という種類の施設があり、要支援のかたは入居不可となっております。
このように施設の知識を付けるのはなかなか複雑のため難しいため、知識もなく、知らずに見学に行くとそもそも入居できないのに施設の見学にいくことになり、無駄な時間を費やしてしまうことがあります。注意しましょう。
『住宅型有料老人ホーム』
住宅型では、必要な分の介護サービスをケアマネジャーと相談しながら受けられるのが介護付きとは違うところです。
とくに相違があるポイントとしては、介護サービスを受けた際の費用の計算方法にあります。
- 介護付きは毎月の定額制
- 住宅型では、従量課金制
このような仕組みになっています。
サポートを受けた分だけ支払うシステムになっており、介護のサポートを受けすぎると、介護保険証の負担割合証が利用できなくなり、優遇を受けることができなくなります。
住宅型では、介護のサポートの量が多い場合は注意が必要です。
ですから、比較的介護度が軽いかたが向いている有料老人ホームだと言えます。
介護付き有料老人ホームと同等のサービスを提供しているが、介護を受ける際の費用面には注意が必要と覚えておきましょう。
もちろん、そのほかにも介護付きや住宅型の注意事項や相違部分がたくさんあります。詳しく知りたい方は、『近所のよしみ』までご連絡ください。
『グループホーム』
65歳以上で要支援2以上の認知症を持つ方が専門的なケアを受けながら共同生活ができる施設とされており、散歩や料理をおこなうことができます。
ですが、グループホームに入居する場合は、自分の住民票のある市区町村に所在がある施設にしか入居できないという決まりがあります。
『サービス付き高齢者向け住宅』
自立または介護度が軽い方で、バリアフリーの建物で見守りと生活相談サービスを受けながら暮らせる賃貸住宅のことをいいます。
こちらは、有料老人ホームと勘違いをされているかたもおりますが、機能が全く違いますので注意が必要です。
また、スタッフが介護を積極的におこなう施設ではありません。
介護度が重い方、認知症が進行した方は受け入れられない場合もあります。サービス付き高齢者向け住宅は『サ高住』・『サ付き』などといわれており、60歳以上の方が入居でき、介護に関する有資格者あるいは無資格者の相談員と言われるスタッフが常駐しており、安否確認と生活相談サービスを主として、サービスを提供している住まいです。
部屋の広さは、原則として25㎡以上です。もちろん、バリアフリーの構造になっています。
高齢者向けの賃貸住宅だと思っていいでしょう。よって、契約のほとんどが賃貸借契約です。立地条件や建物、提供サービスなどによって費用などの差が大きいので、自分に合った施設を選ぶようにしましょう。
ひとり暮らしや夫婦ふたり暮らしが不安な自立~軽介護度の方に適しています。介護が必要な場合は、サ高住でも、自宅と同じように介護保険を利用し、ヘルパーのかたに来てもらい訪問介護や訪問看護などのサービスを受けられます。
『シニア向け分譲マンション』
高齢者が暮らしやすいように設計されており、生活支援や見守りなどを受けながら暮らせる分譲マンション。
プールやフィットネスなど充実した共用設備がある場合もあります。健康な方向けの住宅です。サービス付き高齢者向け住宅と違う点としては、高級志向な物件が多く、そのほとんどが賃貸ではありません。マンションの1室を購入するという売買形式が多いのが特徴です。
まとめ
ご存じの施設はありましたか?
このように、老人ホーム・介護施設にはさまざまな種類があります。老人ホームや介護施設を選ぶにはまず「自分たちにあった施設はどれなのか」「どの施設なら入居可能なのか」など調べて把握しなければなりません。
さらに、そこから地域を決め、施設をピンポイントで調べていく・・・などの作業があります。毎日の生活をおくる場所であれば、安心・安全、納得した施設を選びたいですよね。
老人ホームを選ぶのは素人では失敗することが多いので、『近所のよしみ』にご相談ください。
近所のよしみでは、9 割以上の相談員が介護福祉士や社会福祉士などの国家資格を有し、介護現場で3年以上経験をしている相談員がみなさんのご希望にあった施設をご提案できます。一緒に安心できる施設を探しましょう。
さいごまでお読みいただきましてありがとうございます。