年齢を重ねると色々と気になる部分がでてきます。腰や膝が痛いと体の至る所に変化が現れ、特に「毛」に関することは年を取ったと感じショックが大きい出来事ですよね。
1度気になり始めたら、時間が許す限り鏡をみて角度を変えて髪の状態を確認した経験、ありませんか?私は白髪を見つけたら毛抜きで抜いたりしています。
鼻の毛、男性ならヒゲとポツリポツリと鏡を見る度に白い毛を発見し、フッとした瞬間に髪を見ると髪の毛にも白いモノがあり落ち込んでしまうなんて他人事ではありません。
白髪でけでなく抜け毛も精神的なダメージが大きいです。良く「髪は1日に100本くらいは抜けるから」と思って、なんとなく額を見ると「あれ?前より後退している?」と気になってしまうこと。私の友人は「温泉やプール、海にいくのも躊躇してしまい余暇が楽しめない」と嘆いています。
この記事では年齢を重ねて起こりやすい髪の悩みを解決するコツを紹介します。
記事を最後まで読めば、髪の毛のトラブルで悶々と悩む時間から解放され時間やお金を無駄にせずに正しいヘアケアがわかるようになります。
「〇〇さん髪切った?」と1度は言われたことのあるセリフ。それほどまでに髪が人に与える印象は大きいです。今回の記事を機会に自身のヘアケアについて向き合い学んでいきましょう。
抜け毛や白髪の原因6つ
ここでは、抜け毛や白髪の主な原因6つを解説。
- 重ねてきた月日(加齢)
- 栄養や睡眠不足
- 遺伝
- ストレス
- 運動不足(活動量の減少)
- 喫煙や飲酒の影響
重ねてきた月日(加齢)
鏡を見る度に年齢を重ねたきたことを実感する人は多いです。加齢に伴う髪の問題は、大きく分けてホルモンバランスの変化とメラニンの減少の2つ!
ホルモンバランスの変化
男性ホルモン(テストステロン)や女性ホルモン(エストロゲン)は髪の成長に大きく関わっている部分。体のホルモンの分泌が少なくなると髪が生えるサイクルが乱れて、抜け毛や白髪の原因となることがあります。
メラニンの減少
髪の毛の黒い色はメラニンという色素の影響で、メラニンが沢山あれば黒い髪に少なければ白い髪になります。(ちなみに、顔のシミもメラニンが多く密集しているからできるんです)
年齢を重ねると働ける細胞は減っていくので、結果的にメラニンの量も減り白髪が多くなっていきます。
個人差がありますが、男女ともに30代頃から細胞の減少は始まっていきます。
栄養や睡眠不足
朝起きて、寝ぐせを直そうと鏡を見た時に、また白髪が増えているのに気づいてため息が出てしまう…なんてこと、ありませんか?
もしかしたら、栄養不足や睡眠不足が原因かもしれません。
髪の毛のほとんどは、タンパク質からできています。タンパク質が不足すると、髪の毛にハリやコシがなくなり、抜け毛や白髪が増えてしまうことも。
そして、もう一つ大切なのが睡眠。
睡眠不足になると、髪の成長を促す成長ホルモンの分泌が減ってしまいます。「え、成長ホルモンって、子供の頃だけのものじゃないの?」と思った方もいるかもしれませんね。
実は、成長ホルモンは大人になっても分泌されていて、髪の毛の成長サイクルを正常に保つために重要な役割を果たしているんです。
さらに、睡眠不足は血行不良にもつながり、頭皮に栄養が行き渡りにくくなってしまいます。
遺伝
髪の悩みを持つ人は多く、若い頃から親から受け継いだ体質で抜け毛や白髪に頭を悩ませている人は多いです。
抜け毛(薄毛)の原因
抜け毛の原因で多いのが「DHT」というホルモンの影響。DHTを多く生成してしまう遺伝を親から受け継ぐと抜け毛が増えます。特に頭の前やつむじの辺りは、DHTの影響を受けやすいです。
遺伝を受け継いだ全員が抜け毛に困るわけではありません。日頃の運動習慣、食習慣も影響を受けます。
白髪の原因
髪を黒くするメラニンの働きは代々受け継がれます。ただ、受け継がれる遺伝子の量は人によって違うので、必ずしも親が若い時に白髪になったからといって子供も白髪になるわけではないです。
ストレス
口にした経験はないでしょうか?ストレスは、まるで髪の毛を蝕む虫のように徐々にその健康を奪っていきます。
もう1つ!私もそうですが、ストレスが溜まると無意識に頭を掻きむしってしまうことありませんか?
ドラマや漫画の中の世界だと思う人もいるかもしれませんが、ストレスを感じると、体内で「ヒスタミン」というかゆみを引き起こす物質が生まれます。その影響で頭を掻きむしり、頭皮環境が悪化して髪に悪影響をもたらします。
運動不足(活動量の減少)
運動不足になると、血行が悪くなって頭皮や毛根に十分な栄養が届きません。すると、髪の成長が妨げられ抜け毛や薄毛につながってしまうのことに。
座りっぱなしの生活が多い方は特に注意が必要です。
喫煙や飲酒
タバコに含まれるニコチンは、頭皮の毛細血管を徐々に細くします。その結果、髪に必要な栄養が行き届かなくなり成長がストップしてしまうことも。
さらに、頭皮環境が悪化して抜け毛や白髪を加速させてしまう可能性もあります。
お酒の飲み過ぎも悪影響。アルコールを分解する時に、ビタミンやミネラルなどの栄養素が使われます。栄養素は、健康な髪を育てるためにも欠かせないもの。飲酒によって消費されてしまうと、髪に十分な栄養が届きません。
過度な飲酒はホルモンバランスを崩すことも。男性ホルモンも女性ホルモンも、髪の成長に重要でホルモンバランスが乱れると、健康な髪を育てることができなくなってしまいます。
長期にわたる大量の飲酒は男性ホルモン分泌を障害します。また健康な女性に3週間にわたって毎日ビール350mLを3本飲酒してもらったところ、性周期の遅れや無排卵などの異常がみられたと報告されており[7]、男女ともアルコールは性ホルモン分泌を障害することが知られています。
健康な髪を保つためには、日々の生活習慣を見直すことも大切です。
抜け毛や白髪になる髪のメカニズム
ここでは、髪のメカニズムについて図解で解説します。
正常な髪のメカニズム
髪の毛はいつも成長してるわけではありません。髪の毛の一生は、「成長期」「退行期」「休止期」という3つの時期にわかれていて、繰り返しています。
- 成長期:名前の通り、髪の毛がぐんぐん伸びていく時期。頭皮環境が整ってて、栄養もしっかり届いてると、1日に約0.3mmも伸びます。
- 退行期:この頃になると、髪の毛の成長がだんだんゆっくりになって、毛根も小さくなっていく。
- 休止期:髪の毛の成長が完全にストップして、古い毛が抜け落ちる時期。
また「成長期」に戻って…というのを繰り返しています。
抜け毛のメカニズム
ネットやテレビ、雑誌でよく見聞きする「AGA」という言葉。これは「男性型脱毛症」のことで、髪の毛の成長サイクルが乱れてしまう、いわば髪の毛の病気のようなものです。ちなみに、女性の場合は「FAGA」と呼ばれます。
通常、髪の毛は「成長期」にグングン伸びますが、AGA(FAGA)になると「成長期」が短くなってしまいます。
通常、髪の毛は「成長期」にぐんぐん伸びますが、AGA(FAGA)になると「成長期」が短くなってしまいます。
本来なら2年くらいかけて成長するはずの髪の毛が、1か月や1年で成長が止まり、十分に育たないまま「退行期」に突入し、その後「休止期」も長くなります。私の父も「最近、短い毛がよく抜ける」と言って病院に行ったら、AGAと診断されました。
白髪のメカニズム
髪の毛のサイクル自体は、正常な髪のメカニズムと変わりません。しかし、「成長期」に髪の毛を黒くするメラニン色素が作られないため白髪になります。
髪の毛は「黒髪から白髪に変わる」と思ってる人は多いと思いますが、実は、違います!元々は毛は白いんです。
白髪は、新しい髪の毛が生えてくる時に、色がついてない状態で生えてくるってことを意味します。1度メラニン色素を作らなくなってしまうと、もう復活することはありません。
抜け毛や白髪の対策6つ
抜け毛や白髪の対策は以下の6つです。
- タンパク質の摂取
- 睡眠時間の改善
- 軽い運動
- 頭皮マッサージ
- 髪を染める・髪の色を生かす(白髪)
- 薄毛治療薬を活用(抜け毛)
タンパク質の摂取
美しい髪を保ちたいなら、タンパク質をしっかり摂ることが大切。髪の毛の大部分はタンパク質で、できているんです。
そのため、タンパク質が不足すると髪がパサついたり、切れやすくなったり髪に元気がなくなります。
「タンパク質=肉や魚」というイメージがあるかもしれませんが、それだけではありません!大豆製品や豆腐、穀物にもタンパク質は含まれています。
- 肉や魚などの動物性タンパク質は、体内で作れない必須アミノ酸が豊富で、髪の成長に必須。
- 大豆や穀物などの植物性タンパク質は、髪の健康を維持するのに役立つビタミンやミネラルも一緒に摂れる。
よく、「年齢より若くて元気で、ツヤツヤしている」って思う人がいませんか?
私の周りでも、若い人に負けずに動きハツラツしている人が多くいます。一緒に働いていた施設で入浴介助をしていた、私よりも何十年も先輩の職員さんは「とにかく食べることが大事」とおっしゃっていました。
タンパク質は動物性と植物性のどちらもバランス良く摂るのが 1番!しかし、「年齢を重ねて油っこいものが苦手…」って人が多いのも事実。対策として、ノンオイルのツナ缶や、コンビニで売ってるスティックタイプのささみでも、動物性タンパク質を十分とれます。納豆が苦手な人は、ナッツ類で代替えもしてもいいです(塩分の取り過ぎには注意!)
私は、忙しい毎日でも手軽にタンパク質を摂取できるようコンビニやスーパーでプロテイン飲料を購入しています。様々なフレーバーがあるので選ぶのも楽しみの1つです。
睡眠時間の改善
質の高い睡眠は髪を育てるために重要な要素。髪の毛の成長にかかせない「成長ホルモン」が活発に分泌されるからです。
質の良い睡眠と言われてもピンとこないかもしれませんが、具体的には、6~8時間の睡眠時間を確保すること。
6~8時間の睡眠時間を確保すると「成長ホルモン」が活発になる深い眠りのノンレム睡眠を2~4回繰り返せます。
寝過ぎも体に悪影響を及ぼします。9時間以上の長時間睡眠は体重増加や認知機能の低下を示すといわれています。(引用元:厚生労働省「良い目覚めは良い眠りから知っているようで知らない解説書_睡眠編」)
軽い運動
軽い運動は髪の毛の健康に影響を及ぼします。運動すると血行が良くなり、頭皮に栄養や酸素が隅々まで届くからです。
運動と聞くと「汗をかいて激しく動く」なんて思う人もいますが、そんな必要はありません。軽い運動で十分です。
運動強度はメッツ(METs)で測定され、安静時を1メッツとし軽い運動は一般的に3メッツ以下から約4メッツ程度とされています。
高齢者施設などでも、動画を観ながら運動を取り入れている時間もあると思います。
自宅にいる人はテレビで放映されているラジオ体操を一緒にやってみましょう。
頭皮のマッサージ
頭皮マッサージは髪の毛にも頭皮にも良い影響を与えます。 頭皮マッサージすると、血行が促進されて毛根に栄養が届きやすくなるからです。
1週間に1回、3分でも良いので指の腹を使って優しくマッサージしてみましょう。頭皮環境が改善されて、健康な髪が生えてきます。
マッサージなんて洗った気がしなくて嫌だという人もいると思います。爪でガシガシ洗いたい人には頭皮ブラシをお勧め。マッサージ効果に加えて、シャンプーでは落としきれない毛穴の奥までしっかり洗え、心地よい刺激もあります。
私も、ガシガシ洗いたい派なのでいまは電動を使用。ドラックストアでも手で持って自分は動かすリーズナブルな商品は置いてあります。
両手の指の腹を使って優しくもむようにマッサージするだけで効果があります。まずは、1週間に1回3分からでも始めてみましょう。
注意:強い力でマッサージしないこと。また、あくまでマッサージは頭皮の改善を目的にしているので白髪が黒くなったり、AGAが治るなどの直接的な効果はありません。
髪を染める・髪の色を生かす(白髪)
白髪を隠すために髪を染める方法は1番オーソドックスです。ヘアカラーを変えるだけでポジティブな気持ちや前向きな行動になる人は多いです。
ヘアカラー後は「外見への満足度」が85%、「外出意欲」が72%の人が高まると回答。また、「ヘアカラー後は人と会う機会を増やす」といった行動面での変化も生じており、社交性が高まることが判明しました。
私たちも髪を切ったり、お化粧を変えるだけで、なんとなく前向きな気持ちになったこと、ありませんか?
事実、高齢者施設で「美容」や「化粧」の出張があると、大人気。普段は気むずかしくて話さない人も笑顔になったり、「もったいないから化粧を落としたくない」なんて声も聞かれます。
また、最近は、白髪を染めずに自然な色味を活かしたスタイルも人気です。芸能人などもあえて染めずに自然な髪色を生かしたうえで、ファッションの一部として白髪を活用している人も見たことある人も多いと思います。
自分が気に入ったカラーを楽しむのが1番ですが、実際に髪の毛のことを深く考えるとどうしていいかわからなくなってしまうもの。私も行きつけの美容室でいつも相談に乗って貰ってます。
考えても不安だらけになってしまう人は近所の理髪店や行きつけの美容院に相談してみましょう。西東京では下保谷で美容室Plus(プリュー)を営む、美容師歴40年のベテランである緑川さんが豊富な経験と知識を生かし的確なアドバイスをしてくれます。
抜け毛治療を活用(抜け毛)
抜け毛が深刻になってきたら、専門のクリニックで治療を受ける選択肢もあります。抜け毛の治療は内服薬、塗り薬、注射などで根本的な原因にアプローチできます。
例えば、男性によく使われる「フィナステリド」内服薬は、AGAの原因物質を抑えてくれる作用です。他にも、「ミノキシジル」という薬は髪の毛の成長サイクルを正常に戻してくれます。
ただし、フィナステリドは女性に禁忌。ミノキシジルは女性でも使用できますが、薬用濃度は男性とは異なります。注意事項は、髪の毛に塗布する薬剤はエタノールが入っていること。私もけいけんありますが、エタノールで皮膚がかぶれてしまう人もいるので、注意が必要です。
具体的には塗布する液剤を規定量より少なくする。かぶれていたり、頭皮にできものがあるときは使用しないことに意識してみてください
内服治療する際、すでに何らかの薬を飲んでる方は医師に相談してください。
抜け毛や白髪に関するウソ・ホント!?
昔からよく聞く、髪の毛に関する噂話…。あれってホントなの?それともウソなの?よく耳にする噂話を解説。
白髪を抜くと増える?
〇〇を食べると白髪や薄毛が治る?
帽子やニット帽をかぶると薄毛になる?
白髪の直る(髪が生える)シャンプーを使えば改善する?
髪の毛を洗うと毛が抜けるから、あまりしない方がいい?
抜け毛や白髪に対して正しい知識と予防で髪のケアをしよう
今回の記事では、抜け毛や白髪の原因と対策について詳しく解説しました。原因と対策は以下。
原因
- 重ねてきた月日(加齢)
- 栄養や睡眠不足
- 遺伝
- ストレス
- 運動不足(活動量の減少)
- 喫煙や飲酒の影響
対策
- タンパク質の摂取
- 睡眠時間
- 軽い運動
- 頭皮マッサージ
- 髪を染める・髪の色を生かす(白髪)
- 薄毛治療薬を活用(抜け毛)
年齢を重ねるごとに増える髪の悩みは、決して他人事ではありません。
しかし、正しい知識を身につけ、適切なケアを続けることで、抜け毛や白髪を予防し、健康な髪を維持することは可能です。
「もう歳だから…」と諦めるのではなく、今日からできることから始めてみませんか?私が実践している手軽でおすすめなのは、運動と睡眠時間の改善です。時に髪を染めたりして気分を変えるとストレス発散にもなります。
今回はヘアケアの基礎知識を紹介しました。記事をきっかけに、ご自身の髪と向き合い、より良いケアを実践していただければと思います。