せっかくデイサービスに通い出したのに、母は全然行きたがらなくて…とお困りではないですか?デイサービスに行きたがらないというのは、よくあるお悩みです。
家族の介護の負担を減らすうえでもデイサービスに通うことは最初の関門となってきます。
しかし、行かせることに一所懸命になってしまい、ストレスがかかってしまっては、悪循環を生みます。
今回はなぜ行きたがらないのか?認知症やうつ病の理解をし、関わり方のポイントを解説していきます。
デイサービスを嫌がる理由
そもそもなぜ嫌がるのか、本人の意思を確認することが大切です。時間を取ってゆっくり話してみましょう。
デイサービスが合わない
そもそもデイサービスはどういった施設でしょうか?
デイサービスとは
- 食事や、排泄、入浴などの日常的な支援を受けることができる
- レクリエーションを通して楽しみをみつける
- 集団生活を通して、社会性をもつ
- 他者とのコミュニケーションや趣味を楽しむ
- リハビリを通して、運動機能を維持する
こういった特徴があります。
のんびりと過ごしたい方はリハビリを通じた活動的な施設よりも、ゆったりとお茶をする時間が持てる施設の方が合っているようですね。
今の生活を続けたい
住み慣れた家での生活を続けたい方は多いです。
現在の生活を続ける上でも、日々お風呂などで清潔を保つことは大切になっていきます。
介護に対して抵抗感がある
本人のプライドがあることを理解しましょう。
かかりつけ医やケアマネジャーなど、専門家の力を借りてみてください。第三者からの助言は有効的です。
見知らぬ環境への不安感がある
新しい環境に慣れるには時間がかかります。
長い目で付き合いましょう。施設の職員と信頼関係を築くことも大切です。
施設での様子を聞いて、楽しく過ごせているようでしたら見守っていきましょう。
記憶障害などで通っていることを忘れている
そもそも認知症の記憶障害のせいで、通っていることを忘れている場合もあります。
こういった方は専門的な関わりが有効なので、ケアマネジャーや施設職員など介護のプロに声をかけてもらいましょう。
デイサービスはどんなところ?
デイサービスの特徴
- 規模(大人数か少人数か)
- 一般的なデイサービス
- リハビリ特化型
- 認知症療養型
- お泊りデイ
- 趣味特化型
本人に合った施設を選びましょう。入った後に○○な方が良かったとならないように比べてみるといいですよ。
本人と一緒に気になる施設へ見学にいってみると、雰囲気も分かるのでおすすめです
デイサービスを利用する目的
ではどうして、デイサービスを利用することになったのでしょうか?
- 家族の介護の負担を軽減する
- 入浴などをして清潔を保つのため
- 社会とのつながりや、役割が欲しい
- コミュニケーションが好きで、お話しがしたい
- 体を動かすことが好きで、リハビリがしたい
- 趣味を継続したい
利用する目的をはっきるさせることで、デイサービス以外のサービスの利用の検討や、本人への関わり方も変わってきます。
趣味や生きがいを持つと、楽しく通うことができますよ。
デイサービスに通って趣味を継続することも可能です。
認知症やうつ病って関係あるの?
デイサービスに行きたがらないときは、認知症やうつ病の症状を理解することが必要です。
家族は本人の症状を理解し、本人の気持ちを受け止める環境作りをしていきましょう。
認知症についての詳しい内容はこちらで解説しています。
認知症には、その人がいる環境次第で変化がある周辺症状があります。
周辺症状について
今回は周辺症状について解説していきます。
周辺症状には、暴力や暴言、不潔行為、介護拒否、うつ状態などがあげられます。
周辺症状は家族の声掛けや関わり方も大きな要因となっています。
こういったセリフに、「家にいたってなんにもすることないんだから!」「ボケてきているんだから」のように、強い声掛けを行ってしまいますと、ますます本人はストレスを抱えてしまい症状が悪化してしまいます。
では、どういった関わりや声掛けが良いのでしょうか?本人の気持ちを否定しない、前向きな声掛けをしてみましょう。
思い出話を交えてもいいかもしれませんね。本人の意思を否定せずに、本人の希望を聞き出すことが、前向きな声掛けとなっていきます。
認知症とは、できていたことが出来なくなって、昔とは違ったような風貌になることもあります。それほど恐ろしい病気です。その中で、若いときの姿や輝いていたころを知っているのは周りにいる家族にしかわからないことです。
施設の介護福祉士は本人のその人らしさを大切にして日々ケアを行っています。
そしてその架け橋のために、家族という存在は本人のよき理解者でなくてはなりません。
関わり方と環境次第で症状は変化していきます。
直接言いにくい場合は、ケアマネジャーなどを通して自分の気持ちを伝えてみてもいいかもしれませんね。
「おじいちゃんにはまだまだ元気でいてほしいから、これからもデイサービスを楽しんでほしいんだ」と、前向きに言われると、嬉しいですよね。
うつ病の症状
うつ病の詳しい症状はこちらで解説しています。
この記事にもあるように、うつ病は急激に進行し、物忘れが目立つようになります。
そうして、気分が落ち込み、食欲の低下や無気力感で家に引きこもってしまうと、ますます症状を悪化させてしまいます。
こういった症状があることを理解し、関わっていきましょう。
関わり方のポイント
ではどういった関わりかたをしていけばいいのでしょうか?
本人の気分がいいときに話をする
美味しい食事の際や、趣味の後など本人の機嫌が良いタイミングを見計らって、話をしてみましょう。
本人の本当の想いが聞けるかもしれません。ゆっくり話せる時間を見つけましょう。
本人と一緒に見学に行く
雰囲気を知るためにも、初めに施設へ見学に行きましょう。お試しで、半日などもあるでぜひ検討してみてください。
長期的な視点で様子を見る
慣れるまでには時間がかかります。
学校や職場に慣れるにも時間がかかるように、集団生活に慣れるには時間がかかってしまいます。
ゆったりとした気持ちをもち、ときには見守ることも大切です。
本人の行きたくない気持ちは受け止める
気分が乗らず、行きたくない日もあります。無理に連れ出すことは逆効果となるので、受け止めることも大切です。
受け止めると、次のタイミングではすんなり行くときもあるかもしれません。
かかりつけ医や遠方の親戚など第三者に説得してもらう
これも意外に効果的なことがあります。
かかりつけ医や、協力的な親族がいる方はぜひ活躍してもらいしょう。
別の施設やサービスを検討する
ケアマネジャーなどに相談して、別の施設やサービスを検討してみましょう。
入浴などが目的ならば、家のお風呂で入浴のお手伝いをする訪問介護という手段もあります。
様々なサービスから、本人や家族にあったサービスをみつけていきましょう。
まとめ:本人のペースに合わせてサービスを利用しましょう
行きたがらないときは、本人の気持ちを受け止めて、関わることが大切です。
認知症やうつ病の症状であることも理解し、本人に寄り添いましょう。
こちらが焦ってしまっては、逆効果になってしまいます。
サービスの中心には本人がいます。
ケアマネジャーなどの専門家と協力しながら、本人の生活を支えていくことが大切です。