在宅介護のための準備や必要なものは?心の準備、家やグッズの準備

在宅介護のための準備や必要なものは?心の準備、家やグッズの準備

突然の病気や怪我で親の介護が必要になることがあります。

しかし、初めての介護では何から始めたらよいか、どんな準備をしたらよいか分からないものです。

ここでは在宅介護のために必要な準備を説明していきます。

悩んでいる方の助けになれば幸いです。

在宅介護が必要になるケース

加齢によって徐々に介護が必要になるケースもあれば、病気や怪我で突然介護が必要になるケースもあります。

具体的には認知症や脳血管障害、転倒による骨折などがあげられます。

脳血管障害や骨折は突発的に状態が変わるため、日常生活が大きく変わり、様々な制限を余儀なくされます。

在宅介護のための準備

在宅介護のための準備は大きく分けて以下の3つに分けられます。

  1. 介護保険の申請
  2. 被介護者の状態の確認
  3. 介護環境・サービス準備

介護保険の申請

これまで介護保険を利用していない場合、まずは申請をする必要があります。

介護保険は様々なサービスを利用できる在宅介護の強い味方となる制度です。国からの補助を受け、介護における経済的な負担を軽減しながら、環境を整えることができます。

忘れずに申請しましょう。

申請方法

介護保険の申請は市町村の窓口で行います。申請すると、市町村の担当者が訪問し、介護保険を認定するための調査が行われます。

また市町村からの依頼により、かかりつけの医師が心身の状況について主治医意見書を作成します。

その後、認定調査結果や主治医意見書に基づく一次判定、一次判定結果に基づく介護認定審査会による二次判定を経て、要介護度が決定します。

要支援・要介護認定を受けるには1か月程度かかるため、先々を見越して早めに申請しましょう。

ケアマネジャーを依頼する

要介護度の認定を受けたら、次にケアマネジャーと契約をする必要があります。

ケアマネジャーは居宅介護支援事業者リストから探すことが可能です。要支援に認定された場合、地域包括支援センターに依頼します。

要介護に認定された場合、居宅介護支援事業所に依頼します。ケアマネジャーは介護計画を立てるプロフェッショナルであり、初めて介護をする方にとってとても心強いサポーターとなりうるでしょう。

在宅介護は人によって千差万別ですので、早いうちに相談できる専門家を味方につけることをおすすめします。

被介護者の状態を把握する

息子
息子
よし、歩きやすいように廊下に手すりをつけてあげよう!

果たして本当に必要でしょうか?

もしかしたら、被介護者は歩けず、家の中では車いすが必要となるかもしれません。そうなれば、手すりは廊下幅を狭め、車いすが通るにはかえって支障となるでしょう。

つまり、被介護者の状態を把握できて初めて必要な介護の準備ができるといえます。

日常生活動作(ADL)の確認

日常生活動作(ADL)とは、日常生活を送るために必要な動作を指します。日常生活動作には、基本的日常生活動作手段的日常生活動作の2つに分けられます。

基本的日常生活動作とは日常生活を送るために最低限必要な日常動作で

  • 起居動作
  • 移乗
  • 移動
  • 食事
  • 更衣
  • 排泄
  • 入浴
  • 整容

が挙げられます。

手段的日常生活動作とは基本的日常生活動作の次の段階を指します。

  • 掃除
  • 料理
  • 洗濯
  • 買い物などの家事
  • 交通機関の利用
  • 電話対応などのコミュニケーション
  • スケジュール調整
  • 服薬管理
  • 金銭管理
  • 趣味

などが挙げられます。

これらの日常生活動作のそれぞれの項目でどの程度、どのような介護が必要かを把握する必要があります。

介護環境・サービス準備

被介護者がどのような状態であるかを把握したら、いよいよ介護環境・サービスの準備を行っていきます。準備はケアマネジャーと共に相談しながら行っていきましょう。

住宅改修

被介護者が住みよい環境となるよう必要があれば住宅を改修しましょう。介護保険を利用することで20万円を限度に実際の住宅改修費の8~9割相当額が支給されます。

利用できる回数は原則一人一回です。

行える改修は

  1. 手すりの取付け
  2. 段差の解消
  3. 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
  4. 引き戸への扉の取替え
  5. 洋式便器等への便器の取替え
  6. その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

と定められています。
申請や工事に時間がかかるため、必要があれば早めにケアマネジャーに相談しましょう。

福祉用具

介護保険では指定された福祉用具の貸与、特定福祉用具の購入補助があり、1割~3割負担で利用することができます。

レンタルできる福祉用具は

  1. 車いす(付属品含む)
  2. 床ずれ防止用具
  3. 手すり
  4. 歩行器
  5. 認知症老人徘徊感知機器
  6. 移動用リフト(つり具の部分を除く)
  7. 特殊寝台(付属品含む)
  8. 体位変換機
  9. スロープ
  10. 歩行補助つえ

の10種類です。
特定福祉用具は

  1. 腰掛便座
  2. 排泄予測支援機器
  3. 簡易浴槽
  4. 自動排泄処理装置の交換可能部品
  5. 入浴補助具
  6. 移動用リフトのつり具の部分

の6種類となっています。

購入となる特定福祉用具は主に排泄、入浴に関するものが挙げられます。

注意点として、貸与、購入それぞれ要介護度によっては給付の対象外となる場合があります。

被介護者の要介護度と使用可能な福祉用具はあらかじめ確認しておきましょう。

訪問・通所・短期入所

介護保険では一定の割合に応じた自己負担で訪問・通所・短期入所のサービスを利用することができます。

訪問サービス

介護者を訪問し、買い物や掃除などの生活支援、食事や排せつ、入浴などの介護を行います。また健康管理や必要な処置を行ってくれる看護、自宅の環境に適したリハビリテーションも行うことができます。

通所サービス

介護者を施設等に通わせ、その施設において入浴・排せつ・食事などの介護、機能訓練、生活に関する相談・助言、健康状態の確認などを行います。

短期入所サービス

施設に短期間入所し、その施設において入浴・排せつ・食事などの介護、機能訓練、生活に関する相談・助言、健康状態の確認などを行います。

要介護度によって、利用できる限度額が決まっているため、ケアマネジャーと相談してサービスを設定しましょう。

介護用品

在宅介護に必要なものは介護保険のサービスでおおむねまかなえますが、被介護者の状態に応じて必要な介護用品を揃えましょう。

具体的には

  • オムツ
  • 介護食品
  • トロミ剤
  • ミキサー
  • 更衣しやすい衣服

などが挙げられます。

自治体によってはオムツ支給券など介護用品に対する補助を行っているようです。実際に在宅介護が始まってみないとわからない部分もありますので、介護用品の情報に関しては常にアンテナを張っておくとよいかもしれません。

民間サービス

介護保険サービスでまかなえない部分は民間のサービスで対応しましょう。

サービスは幅広く

  • 家事代行
  • ホームヘルパー
  • 配食
  • 訪問理容
  • 移送

など多岐に渡ります。

注意点として、介護保険適用外のため全額自己負担となり、経済的な負担が大きくなる可能性があります。サービスの自由度が高いため、より被介護者にあったサービスを選びたい場合は有効です。

介護技術

在宅介護ではオムツ交換や体位変換など介護者自ら行う場合があります。もちろん未経験の方もいらっしゃることでしょう。

機会があれば在宅介護が始まる前に病院や施設で介護指導を受けることをおすすめします。

退院前にカンファレンスが設定されることがほとんどですので、その際、不安がある介護技術はその場でお話してください。

自ら経験することで必要なサービスもより具体的に検討することができるようになります。

心の準備

先述した内容を準備すると、あとは家に迎え入れるだけとなっていることでしょう。しかし、実際に在宅介護をしてみると想定外のこともたくさんあります。

心が追い詰められないよう、あらかじめ人に頼れる環境を作っておきましょう。サポートする立場の場合は主介護者が追い詰められないようフォローしてあげましょう。

訪問・通所・短期入所のサービスを組み合わせて主介護者に負担が集中しないようにすることが大切です。場合によっては無理せず施設サービスも検討しましょう。

そのためには資金の準備が必要であるため、介護が必要となる前に日頃から自身や親の財政状況を確認しておいたほうがよいのかもしれません。

まとめ

今回は在宅介護に必要な準備を中心に説明しました。

ただし十分に準備をして在宅介護に臨んでも、想定よりも大変だった、、、という声も少なくありません。大事なのは介護者自身の負担をなるべく少なくして、持続可能な環境をつくることです。

そのためにも家族、親戚、ケアマネジャー、自治体などなるべく多くの人を巻き込みながら支援していくことをおすすめします。今回紹介した内容をふまえ、介護者、被介護者が無理なく、心地よく過ごせるよう祈っております。

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