この記事では介護が楽になる便利なグッズをご紹介します。
介護用品は、在宅での介護を継続するためには欠かせないものです。
ちょっとしたことで家族の負担が軽減されたり、今まで自分でできなかったことができるようになったりします。
介護が始まったばかりの方・寝たきりの方・認知症のある方など必要な介護は人それぞれ。必要な介護グッズも異なります。
介護がいつ始まるのかは誰にもわかりません。どんな介護用品があると便利なのか、事前に知っておくと安心なのでぜひ参考にしてみてください。
介護保険適応になる介護グッズ
介護グッズが必要なら、まずは介護保険が適応にならないかを確認しましょう。
介護保険制度を利用すれば、高いお金を出さなくてもレンタルができたり、1割〜3割の自己負担で購入できたりします。詳しく見ていきましょう。
介護保険でレンタルできる介護用品
介護保険で介護グッズを利用したい場合は要介護認定を受け、ケアマネジャーにケアプランを作成してもらう必要があります。福祉用具をケアプランに組み込んでもらわなければレンタルができません。まずはケアマネジャーに相談してみましょう。
福祉用具のレンタル費用は1割〜3割の自己負担で借りられます。
介護保険でレンタルできる介護用品は全部で13品目。介護度によってレンタルできる品目とレンタルできない品目があるので気をつけてくださいね。
介護保険でレンタルできる福祉用具
- 手すり
- スロープ
- 歩行器
- 歩行補助杖
- 自動排泄処理装置(排便機能がないもの)
要介護2~5の介護認定を受けている方がレンタルできる福祉用具
- 車いす
- 車いす付属品
- 特殊寝台
- 特殊寝台付属品
- 床ずれ防止用具
- 体位変換器
- 認知症老人徘徊感知機器
- 移動用リフト
要介護4・要介護5の介護認定を受けている方がレンタルできる福祉用具
- 自動排泄処理装置(排便機能があるもの)
要介護度が軽く、レンタルの対応にならない方であっても、医師が必要と判断した場合には、例外で利用できるケースがあります。
介護保険で購入できる介護用品
介護保険で購入できる介護用品は「特定福祉用具販売」で購入費が支給されるので、費用の1割〜3割の自己負担で購入できます。
対象となる介護用品は、排泄や入浴で使う直接肌に触れるような介護用品です。人が使った後に使用しにくいものや、使用しているうちに劣化してしまう介護用品が特定福祉用具販売の対象になります。
対象になる福祉用具は以下の品目です。
- 腰掛便座
- 自動排泄処理装置の交換可能部品
- 入浴補助用具(入浴用いす・浴槽用手すり・浴槽内いす・入浴台・浴室内すのこ・浴槽内すのこ・入浴用介助ベル)
- 簡易浴槽
- 移動用リフトのつり具の部分
- 排泄予測支援機器
特定福祉用具は、1年間で10万円を上限として購入費が支給されます。指定を受けた福祉用具販売事業者から購入しなければ介護保険の給付対象にならないため注意してください。
介護保険でレンタルや購入ができない介護グッズは、介護ショップやホームセンターなどで購入できます。手軽に購入できる介護用品もチェックしてみましょう!
食事介助で役立つ介護用品
高齢者にとって食事は楽しみの一つ。介護グッズを活用して、できる限り自力で食事摂取ができるように工夫しましょう。
食事用エプロン
食事用のエプロンは、食事の食べこぼしや口腔ケアで衣服を汚すのを防止します。介護用品として販売されているエプロンには、ポリエステル素材やシリコン製のエプロンの他に、使い捨てのエプロンも販売されています。
食事用のエプロンは防水機能がしっかりしていて、乾きやすい素材がおすすめ。食べこぼしをキャッチするポケットがついているエプロンや、トレイの下にはさめる少し長めのエプロンも便利です。
滑り止めトレイ・食器類
食事に使う食器類はその方のお体の状況に合わせてさまざまな種類があります。
食器を並べるテーブルには滑り止めのトレイやマットを使用すると、食器が滑らないようにセットできます。トレイは万が一、汁物などがこぼれた時でも広がるのを防ぐので安心です。
他にも食器類には以下のようなものがあります。
- 底に滑り止めが付いているお皿やお椀
- 持ち手の付いているお皿やお椀
- 側面をすくいやすい形状に工夫しているお皿
- アシスト機能がついたお箸
- 握りやすいように持ち手が工夫されているスプーンやフォーク
- 角度が変えられるスプーンやフォーク
- ベルトなどでスプーンやフォークを手に固定する自助具ホルダー
- 持ち手が大きいコップ
- ストロー付き、ふた付きのコップ
握力が弱い方・片手が使えない方・手の可動域に制限がある方などお体の状況は人によって違うため、その方の状態に合った食器を選びましょう。
口腔ケアで役立つ介護用品
口腔ケアで使用する介護用品は、100均などで安く揃えられるものや、消耗品など多くの種類があります。
口腔内を清潔に保つことは虫歯や口臭、誤嚥性肺炎を防ぐだけでなく、食事が美味しく食べられるようになり、全身状態を良好に保つためにも大切なケアです。
ガーグルベース
ガーグルベースとはうがいをした後に吐き出したものをキャッチするうがい受けです。洗面所まで行けない方、前屈みの姿勢が難しい方、寝たきりの方に便利です。うがい受けには、持ち手がついていて自分で使用できるものや、中身が見えないようにふたが付いているものなども販売されています。100均などでも手に入りますよ。
スポンジブラシ
スポンジブラシは棒の先がスポンジになっている口腔ケア用品です。先端のスポンジを水に濡らし、しぼった後に口腔内の食べかすやねばねばしたものを取り除きます。
総入れ歯の方や歯の少ない方、うがいが難しい方、口が開けにくい方などの口腔ケアに適しています。
排泄介助で役立つ介護用品
排泄ケアは家族が行うには難しい介護です。使用する介護用品についてはケアマネジャーやヘルパー、福祉用具販売業者の方など介護のプロに相談して購入するのがおすすめです。
排泄で使う介護用品にはポータブルトイレや尿器などトイレに行かなくても排泄できるもの、おむつ・パット・おしりふき・手袋などの消耗品があります。
便利なグッズをいくつかご紹介します。
防水シーツ
防水シーツを使用すると、排尿や排便によるベッドやシーツの汚れを防ぐことが可能です。おむつ交換時や失禁があった場合でも、防水シーツを変えるだけで済むのでシーツ交換が楽になります。
腰からお尻あたりの必要な部分だけカバーするタイプ、ベッド全体を覆うボックスシーツタイプなどがあります。
消臭剤入りポリ袋
排泄物を捨てる時はレジ袋などに捨てるのも良いですが、消臭剤入りのポリ袋も便利です。部屋やゴミ捨て場の臭い対策にもなり、ストレスがありません。外出時など、すぐにゴミ捨てができない時にも役立ちますね。
安全な移動に役立つ介護用品
高齢の方は加齢による身体機能の低下や注意力の低下などが原因で、自宅での転倒が増えます。骨折などが原因で寝たきりになってしまうケースも多いため、転倒を防いだり、転倒が起きた際のケガを最小限に抑えたりする工夫が必要です。
滑り止めマット
滑り止めマットはベッドサイドやトイレ、浴室などの立ち上がる時の足元に敷いておくと、踏ん張る時に足が滑るのを防ぎます。車いすとクッションの間にはさめば、いすからずり落ちてしまうのも防止できる万能アイテムです。
100均で手頃に購入できるものや、浴槽内で使用できる吸盤がついているタイプなどさまざまなシーンに合わせて選べます。
家具のコーナークッション
自宅内で転倒を繰り返してしまう方には、家具のコーナーにクッションを取り付けておくと安心です。コーナークッションは、ホームセンターや100均で赤ちゃんが転倒した際のケガ予防として販売されていることが多いようです。
高齢者にも役立つので、転倒の多い方にはおすすめです。
寝たきりの介護に役立つ介護用品
身体介護が主になる寝たきりの方を助ける介護グッズも数多くあります。
呼び出しコール
在宅介護とはいえ、四六時中つきっきりとはいきません。少し離れたお部屋にいるときにも、家族を呼ぶ介護用の呼び出しベルやチャイムがあれば、必要な時に駆けつけることができます。
防水機能がついていてお風呂で使えるものや、ストラップがついていて身につけられるコールなどがあります。
吸い飲み
高齢者は脱水症になりやすいため水分補給が大切です。吸い飲みは寝たきりの方の水分補給に役立ちます。水分量がチェックできるようにメモリがついているタイプや、狭い飲み口を洗うときに便利なブラシがついているものが便利です。吸い飲みも100均などで手頃な価格で手に入るものがあります。
認知症介護に役立つ介護用品
認知症介護はその症状から、家族が疲弊してしまうことがある介護の一つです。認知症介護をストレスなく行うためにも介護グッズをうまく活用しましょう。
見守りセンサー
家族を悩ませてしまう認知症の症状である徘徊。見守りセンサーは、認知症の方が一人で外出してしまう前に家族に知らせてくれます。
見守りセンサーには以下のようなものがあります。
- ベッドサイドに敷いておきベッドから立ち上がった時に知らせるタイプ
- 玄関や居室に取り付け通過した時に知らせるタイプ
- 本人が身につけてGPSで場所を知らせるタイプ
心身の状況や行動パターンにより選ぶタイプが違ってきますが、最近ではさまざまな種類のセンサーの中から選択が可能。認知症の方の安全を守ります。
徘徊はなくても、自分で動こうとして転倒を繰り返してしまう方の行動を事前に察知する目的での利用も可能です。
お薬カレンダー
お薬カレンダーはお薬の飲み忘れを防ぐための介護グッズです。
1週間分のお薬を「朝」「昼」「夕」「寝る前」の4回に分けたポケットに収納して管理ができます。ポケットが透明になっているので、タイミングごとに飲み忘れがないか一目でわかるようになっています。
高齢になると薬の種類も多くなるので、飲み忘れも増えてしまいがちです。お薬カレンダーは認知症の方でなくても便利に活用できますよ。
介護グッズで在宅介護を快適に
この記事では、在宅介護を楽にする介護グッズをご紹介しました。
介護保険が利用できないものは介護ショップで購入可能です。最近ではインターネット通販でお得に購入でき、ホームセンターや100均でも手頃な価格で高機能なグッズがたくさん販売されています。
介護グッズの力を借りるだけで格段に楽に介護ができることがあります。介護グッズを利用し高齢者が自分でできる動作が増えれば、生活に活力が生まれ自立支援につながります。介護者の負担が少しでも軽減できれば、介護される側の負担も軽減します。
今回ご紹介したのはほんの一部です。他にもさまざまな便利アイテムが販売されているので、使いやすい介護グッズを見つけて在宅介護を楽に乗り切ってくださいね。