というお悩みにもあると思います。
今回の記事では
・要介護状態を予防する重要性
・要介護状態なる主な原因4つ
・要介護状態を予防する具体策
などを中心に説明していきます。
要介護状態にならないようにするための介護予防とは?
要介護にならないためには、まず要介護とはどんな状態を知らなければなりません。
介護保険法において要介護状態とは、
「身体上又は精神上の障害がある為に、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、6カ月継続して、常時介護を要すると見込まれる状態」要介護状態は、要支援状態よりも介護の必要の程度が高く、その区分は、その人の状態により5つに区分されます。(引用:要介護認定に係る法令介護保険法|厚生労働省)
上記のように定義されています。
つまり、日常生活で介護を要することを要介護の状態といいます。
また、介護予防は厚生労働省の定義では、
「要介護状態の発生をできる限り防ぐ(遅らせること)」「要介護状態にあってもその悪化をできる限り防ぐこと、さらには軽減を目指すこと」(引用:介護予防マニュアル120307入稿版【履歴反映】|厚生労働省)
と定められています。
要介護を予防するということは、
日常生活で介護を要する状態になることを防いでいく
ことになります。
要介護を予防する重要性
要介護状態を予防することは、平均寿命が伸びてきている日本には重要なことです。
病気や転倒によるケガなどで寝たきり生活になってしまうのはつらいものです。
人生100年時代と呼ばれる長い人生を送ることができる現代において、日常生活を制限なく生活できることで充実した人生を過ごせるようになります。
高齢者が要介護状態になる主な原因
要介護状態を予防していくためには、要介護の原因を知ることが重要です。
要介護になる原因は加齢、何らかの病気やケガによる場合があります。
厚生労働省の調査結果では、
- 認知症
- 脳血管疾患
- 高齢による衰弱
- 骨折・転倒
以上の結果になっています。
要介護の主な原因である認知症、脳血管疾患、高齢による衰弱、転倒による骨折などは、基本的には生活習慣を見直すことで予防できるものが多くあります。
このほか、要介護状態の原因は、
- 定年や子供の自立
- 伴侶との死別
- 趣味離れや友人と疎遠になる
などです。
これらの原因で自宅に閉じこもることも要介護になる一因となっています。
自宅に閉じこもることが増えていくと
- 日中に行動する時間が少なくなる
- 体力の低下や食欲不振
- 人の交流不足からくる認知機能の低下
- 予定が全くないことによる日常生活の乱れ
などが起こってきます。
以上のことからまずは日常生活を見直すことが重要になってきます。
健康寿命とは?
健康寿命とは、WHO(世界保健機関)が提唱したもので、
健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間
と定義されています。
令和元年の平均寿命
- 男性:81.41歳
- 女性:87.45歳
令和元年の健康寿命
- 男性:72.68歳
- 女性:75.38歳
となっています。
男性は約9年、女性は約12年の差がみられます。健寿命と平均寿命では開きがあり、男女ともに約10年間を不健康な状態で生活するようになります。
健康寿命を平均寿命へ近づけることで要介護状態を予防できます。
要介護状態を予防する具体策
要介護状態にならないためには予防が重要です。
という方もいるかと思います。
そこでこの章では具体的にどうすれば要介護の予防になるのかをお伝えします。
生活習慣から予防する
要介護になる原因で挙げられたのは、認知症、脳血管疾患、高齢による衰弱、転倒による骨折などです。
認知症、脳血管疾患、高齢による衰弱、転倒による骨折などは日常生活において自宅に閉じこもってしまったり、乱れた食生活や睡眠時間、運動の不足などが影響しています。
つまりはこれらの日常生活を見直すことで、要介護状態になることを予防できるとも言えます。
食事
高齢になると食べ物をかむ力や飲み込む力が弱くなっていきます。
かむ力が弱まることで硬いものや繊維質のものを避けたり、唾液の分泌が減少します。
また、飲み込む力が弱くなると、水分の少ない食べ物や大きめの固形物は飲み込みにくくなります。
これにより食べる量が減ったり、食べやすいものを選ぶ傾向があります。
また、味覚も変化することから極端に味付けが薄くなったり濃くなったりします。
結果、摂るべきエネルギーが減少したり、栄養素が足りなくなること出てきます。
食事の具体的な改善策としては、
- 食べやすくするために刻んだり、煮込む
- 食欲を刺激するために器をかえる・旬の食材を使用するなど見た目や香りを整える
- 季節を感じやすくするために行事食を取り入れる
- 1人ではなく、家族や友人と一緒に食卓を囲む
など意識して取り組むことで食生活の改善が見込まれます。
睡眠
加齢とともに睡眠も変化が現れます、以下のような特徴がみられます。
- 起床、就寝時間ともに早い傾向になる
- 布団で横になっている時間が増える
- 眠りが浅くなり、熟睡できない
- トイレなどで途中で起きる回数が増える
- 布団に入っても、なかなか眠りにつくことができない
睡眠の具体的な改善策は
- 朝の光を避ける
- 睡眠にメリハリをつける
- 眠くなるまで布団に入らない
朝の太陽の光は目覚めを誘発し、体内時計を調整して朝型のリズムに整える効果があるため、じっくりと寝るためには朝の太陽光は避ける方がゆっくりと眠ることができます。
睡眠にメリハリをつけるためには、お昼にだらだらと昼寝をしないことです。昼寝を長くすることで不眠になる傾向があるからです。
長くても30分以内にするように心がけるのがポイントです。
眠くなるまで布団に入らないことも大事です。眠くなってから布団に入ることで睡眠の質が高まります。
運動
高齢になると加齢によりどうしても筋力低下や骨がもろくなってきます。筋力低下が起こることで歩いたり座ったりすることも苦手になり、転倒もしやすくなります。
そうするとベッドから起きることが面倒になり、寝たきりに近づいてしまいます。
寝たきり状態になると、すぐに体力が衰えて要介護状態に陥りることも。
寝たきりを予防のためにも定期的な運動を取り入れることは非常に重要です。
具体的な運動としては
- ウォーキング
- 趣味活動
- ラジオ体操
などが挙げられます。
運動に関しては基本的には活動的に体を動かせていれば問題ありません。
重要となるのは運動の継続です。
なせなら運動は継続することが一番難しいからです。
従って継続する仕組みを作ることが大切になってきます。
理学療法士が語る運動を継続するポイント
筆者は16年間、運動・リハビリの専門家である理学療法士として働いております。
理学療法士として運動を継続する一番のポイントは、
周りを巻き込んで運動することです。
なぜなら16年間理学療法士として運動を指導していて、自主トレーニングを一人で実施できる人はほとんどいないからです。
ほとんどの人が私と一緒に運動することはできますが、宿題として自主トレーニングをお願いしてもほとんどできません。
一番効果的だったのは、ご本人以外にもご家族にお願いして一緒に実施して頂くか、周りのご友人と一緒に実施して頂いた場合でした。
イギリスの研究機関が実施した調査でも「同じ目的を持つパートナーと共に運動に取り組むと、その運動を継続しやすい」という結果が出ています。
継続して運動をしていきたいと思っている場合は、周りの友人やご家族を誘って運動してみるのがポイントです。
社会との接点
社会と接点を持ち続けることも要介護の予防には非常に重要です。
少ない時間であっても社会との接点を持ち続けていれば、誰かと会うとなれば身だしなみを整えたり、部屋を掃除したりします。またお話をすることで認知機能も保たれます。
しかし、自宅に閉じこもってしまうと、一日誰とも会わずに着替えもせずに過ごすようになってしまいます。
また外出をしなくなることで体力低下や動かないことでの食欲不振なども引き起こします。
社会との接点をもち、自分の役割をもつことが気力・体力ともに充実し、寝たきりになるのを予防します。
まとめ
要介護にならないように予防するには運動だけするのではなく、規則正しい生活習慣を身につける必要があります。
なぜなら、体や気力を衰えないようにするには運動・食事・睡眠・社会との接点など全体的に気を付けることで要介護状態にならなくてすむからです。
- 運動をすることで筋力低下・骨粗鬆症を予防し、心肺機能や体力の維持・向上を図れる。
- 正しい食生活をすることでしっかりとしたエネルギーを摂ることができ、栄養が偏ることがなくなるため、生活習慣病を予防できます。
- 睡眠を十分にとることで寝不足にならずに昼間に寝てしまうような昼夜逆転を防げたり、日中の意欲の向上にもつながります。
- 社会との接点を持つことで、外出機会が保てたり、楽しい交流が増えたりします。
運動・食事・睡眠・社会との接点など意識的にきちんと取り組んでいくことで、要介護になるのを予防し、これからの楽しい人生を歩んでいけるようになります。