高齢者レクリエーションはなぜ必要?さまざまな効果・種類について解説!

高齢者レクリエーションはなぜ必要?さまざまな効果・種類について解説!

多くの介護施設では、利用者さまに向けてさまざまなレクリエーションが実施されていますが、なぜレクリエーションを行うのかと、思ったこともいらっしゃるのではないでしょうか。

 

人によっては、レクリエーションを「お遊び」と思っている方も少なくないかと思います。

 

実は、高齢者レクリエーションには目的や意義があり、利用者さまの身体機能の向上や脳の活性化の他にも、コミュニケーションの促進にも繋がります。

 

ここでは、高齢者レクリエーションの意義を始め、目的に沿ったレクリエーションの種類や効果をご紹介します。

 

レクリエーションの効果とは?

 

高齢者施設やデイサービスで、レクリエーションを行う目的が何かと知らない方が多くいるのではないでしょうか。

 

ここでは、レクリエーションをすることで、高齢者にとってさまざまな効果があるので、ご紹介します。

 

①脳の活性化

 

簡単な計算や漢字など頭を使うゲームや、ことわざなどの言葉を使うクイズ、折り紙などの指先を使うものもレクリエーションです。

 

指先は、たくさんの神経が集まっていて、そこを刺激することで脳の活性化を促せますので、制作でのレクリエーションでは、指を動かすことで、自然に手の機能訓練やリハビリが行えます。

 

ちぎり絵のような、折り紙をちぎるという動作だけでも、十分な訓練となります。

 

普段の生活の中では、動かさない指の動きをすることで、考えて頭を使ったり、細かい作業を行い楽しんで取り組むことで、脳が活性化し、認知症の予防または進行を遅らせるといわれています。

 

②身体機能を維持・向上

 

体に無理のない運動を取り入れることで、身体機能の維持や向上を図れます。

 

特に、施設に入居している高齢者は運動不足になりがちなので、適度な運動は効果的です。

 

また、健康のためにも運動した方がいいといっても、体力がない高齢者にどのようなことをしていいか分からず、ひとりではなかなか続けられません。

 

体を使うレクリエーションは、無理なく体力づくりをしてもらうことが目的でもあります。

 

②コミュニケーションの促進

 

高齢になり、体力や身体機能が衰えて、外出する機会が減ってしまい、引きこもりやうつ病の原因となり、認知症の進行を早めてしまうことになります。

 

特に、一人暮らしをされている方は、誰とも会話せず一日過ごす人も多いです。

 

コミュニケーションが減ってしまうと、認知症の原因として他者とのコミュニケーションの減少が挙げられています。

 

デイサービスや高齢者施設でのレクリエーションは、社会生活や他者との交流・つながりの楽しさを感じてもらい、脳の活性化が目的です。

 

③高齢者のADLとQOLを上げる

 

身体機能向上を目的としているリハビリテーションの意味も含めたレクリエーションは、ADL(日常生活の動作)を高めるという目的があります。

 

また、QOL(生活の質)とは、人間らしく生きる喜びや楽しみを見出している状態のことを言い、脳機能や身体機能が活性化し、他者とのコミュニケーションも増えることで、毎日の生活の質も向上します。

 

ADLとQOLを高めることは、高齢者の尊厳を保ちながら、健康に楽しく長生きするために欠かせないもので、現在の介護では重要な考え方でもあります。

 

④達成感や充実感が得られる

 

外出することが減り、誰とも会わずに一日過ごすだけの生活になることが増えてしまい、脳の活性化やADLが落ちてしまいます。

 

レクリエーションを行うことで、脳の活性化やADLなどの向上だけでなく、作品を作り終えた後には達成感と作りあげた充実感が得られます。

 

また、自身が作った作品を見て、思い出を振り返ることも脳の活性化にもなると言われています。

 

⑤認知症予防とケア

 

体を使うことで筋肉だけでなく、脳を刺激する他にも認知症予防や進行を和らげる目的もあります。

 

  • 楽しいことや難しいという感情を使うことで、脳の刺激になる
  • 若い時に好きだった音楽を聴くことで、心が穏やかになる
  • 昔の写真を見て、当時の思い出を話したりすることで、自然と昔の記憶を呼び起こす
  • みんなで外出することで、会話がはずみ、出かけられたことへの自信につながり、外出への意欲が向上

 

参考:認知症予防について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

(認知症にはどのような種類があるのでしょうか?症状や原因、予防法まで解説します)

レクリエーションの種類と目的について

 

レクリエーションには、いろんな種類があり、施設によっても、やり方やレクリエーションにも違いがあります。

レクリエーションの種類

 

レクリエーションには、代表的な手法が3つあり、デイサービスや施設によって、やり方が異なりますので、理解した上でレクリエーションに取り組みましょう。

 

・集団レクリエーション

 

集団レクリエーションは、複数人のグループで同じ内容を同時に行え、レクリエーションを通して、利用者同士のコミュニケーションをとるきっかけになります。

 

また、レクリエーションを行うことで身体機能の向上を目指せるよう、短期・長期の生活目標としてつながるケースもあります。

 

・個別レクリエーション

 

個別レクリエーションは、ひとりひとりのニーズに対応したもので、完全個別ではなくニーズが近い人を少人数で集め、グループで行うケースもあります。

 

集団レクリエーションに抵抗がある方や他者とのコミュニケーションが難しい人などには、個別でのレクリエーションが適しています。

 

・基礎生活レクリエーション

 

基礎生活レクリエーションとは、レクリエーションの時間を設けるのではなく、普段の暮らしの中で、リラックスできる時間や空間を増やしていくものです。

 

例として、食事や入浴の時間に懐かしい音楽を流したり、共用スペースに花や絵画を飾ることなどが挙げられます。

 

QOL(生活の質)を高めるレクリエーション

 

1.ハンドマッサージ

 

両手を揉み手の温度を上げて、その手を高齢者の背中などに当て、軽くさすることで、気持ちが落ち着き、精神的に安定します。

 

利用者同士で行うことで、コミュニケーションにもつながります。

 

2.音楽を聴く

 

好きなジャンルの音楽や昔よく聴いていた音楽などを聴くことで、心が穏やかになり、当時の記憶を思い返すことができます。

 

介護施設では、昭和の歌謡曲を流したり、カラオケを歌って楽しむレクリエーションもあります。

 

3.深呼吸をする

 

年齢を重ねると体への不安からイライラしたり、気持ちが落ち込んだりしてしまうことがあります。

 

深呼吸をすることで、身体や脳に酸素が運ばれ、リラックス効果が得られますので、時間や場所を気にせずにできます。

 

4.動物と触れ合う

 

高齢者のひとり暮らしで、犬や猫などの小動物を飼われている方が増えてきています。

 

 

動物などを抱っこしたり、餌をあげたりと触れ合うことで、孤独感が解消する効果があると言われています。

 

他にも、動物と触れ合うことで、心が癒されリラックス効果も得られたり、一緒に散歩をすることで、外出機会が増えたり、歩くことで下半身の筋肉の向上にもつながります。

 

5.ネイルをする

 

ネイルというと若い女性がするイメージがありますが、実は最近では、高齢女性のネイルのニーズが高まっています。

 

ネイルをすることで、女性が持つ「きれいになりたい」「オシャレをしたい」という希望を叶えることで、気持ちを高揚させる効果があります。

 

他にも、メイクも人気があり、お気に入りの洋服を着て、生前写真として残される方も増えています。

ADLを高めるレクリエーション

 

階段の上り下りや料理をすること、洗濯物を干す、洗濯バサミを掴むなどの日常生活に必要な動作のことをADLと言い、身体が衰えてくると少しずつ出来なくなってしまいます。

 

体を動かすレクリエーションを行うことで、リハビリにもなりますし脳の活性化にもつながります。

 

1.ジェスチャーゲーム

 

介護職員がジェスチャーをし、何をしているのかを当てるゲームです。

 

スポーツや動物などいろんな動きをするので、楽しく参加でき、高齢者にもジェスチャーをやってもらうのもおすすめです。

 

2.風船バレー

 

円になってバレーボールの代わりに風船を使い、床に着いたら負けというゲーム。

 

手の代わりにうちわを使うことで腕と反射神経を使います。

 

他にも、次にパスを渡す人の名前を言うルールを作ることで、他者とのコミュニケーションや記憶力の向上にもなります。

 

3.スリッパ飛ばし

 

スリッパを履き飛ばすというレクリエーションは、スリッパを飛ばした距離を競うだけでなく、輪投げのように目的の場所に近づけるかを競うのもあります。

 

スリッパ飛ばしは、膝の曲げ伸ばしを意識しますので、歩行訓練にもつながります。

 

4.後出しジャンケン

 

後出しジャンケンとは、後に出す方が勝つか負けるかを決めておき、なるべく早いスピードで間違えずに出すというレクリエーション。

 

「後が勝つ」と決めた場合、先にグーを出せば、後出しする方はパーを出し、「後が負ける」と決めた時は、後がチョキを出します。

 

ジャンケンは、指の運動としてよく使われ、脳の活性化に良いと言われています。

 

5.ラジオ体操

 

子供の頃、夏休みで毎日のようにやっていたラジオ体操は、曲や動きは全く変わらず、誰でもできる体操で体全身を使います。

 

高齢者には難しい体操もあるので、安全のために座りながら行いましょう。

 

6.運動会レク

 

赤と白に別れ、チームや個人競技で競うレクリエーションです。

 

種目を決める際は、高齢者のADLに合わせ、ルールは簡単なものにしましょう。

 

例えば、ボールを蹴ってペットボトルを倒すボーリングや、一列になって棒を使って輪投げの輪っかを前後に送るなど、座ってもできる競技にするといいでしょう。

 

7.塗り絵

 

子ども用の簡単な塗り絵から大人の塗り絵まで、さまざまなイラストがあります。

 

個性や感性が違うので、見本はなるべく見せず、好きな色で塗ってもらうことで、色使いを考えたり、筆圧によって色の濃さが変わったりすることで、出来上がりを見るのも楽しいです。

 

8.言葉遊び

 

テーマに沿って関係するものをいうゲームです。

 

例えば「赤い物」をお題として出した場合、「りんご」「ポスト」「トマト」などを連想してもらいます。

 

時期的なものだと「正月」「運動会」なども盛り上がります。

 

まとめ

 

レクリエーションは、身体機能の向上やストレス発散だけでなく、他者とのコミュニケーションをとることで、社会生活でも近所とのつながりもスムーズにできる目的があります。

 

また、認知症の予防と維持やADL・QOLの向上など様々な効果が期待できます。

 

レクリエーションを通して、単調な日々を過ごしがちな高齢者にとって、変化や刺激を与えますので、この記事を読んで興味を持たれた方は、参加してみてはいかがでしょうか。

 

 

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