在宅介護を快適にする住宅改修の方法を解説!

在宅介護を快適にする住宅改修の方法を解説!

親が高齢になって、今までの自宅では生活しづらくなってきたとお悩みではないでしょうか。とくに、昔ながらの古い家にお住まいであれば、高齢者にとって使いにくい造りの家屋の方も多いでしょう。

 

この記事では、現在の自宅を住みやすい環境にリフォームする方法を解説します。

 

介護保険を利用しお得にリフォームする手順をご紹介しますので、住みなれた自宅で安全に過ごすための参考にしてくださいね。

 

介護保険の住宅改修とは

住宅改修とは、加齢などで身体機能が低下した高齢の方が自宅で生活しやすいように、介護保険サービスを利用しリフォームすることです。

 

介護保険制度の「居宅介護(介護予防)住宅改修費」を利用すれば、住宅改修の費用を介護保険で負担してもらいバリアフリー化できます。

 

介護保険制度を利用するサービスであるため、利用するにはいくつかのルールがあります。ここから確認していきましょう!

 

介護保険の住宅改修を利用できる人

介護保険制度の「居宅介護(介護予防)住宅改修費」を利用するには要介護認定を受けている必要があります。介護保険を申請し、要支援か要介護の認定を受けている人が対象であり、自立の方はサービスを受けることができません。

 

また、リフォームする家は対象の利用者が住んでいる自宅です。介護保険被保険者証に記載されている自宅に住んでいる必要があります。自宅から離れて別の場所で生活している方、入院中や施設に入居している方などは対象にならないため注意してください。ただし、住所の自宅に戻る予定があるためリフォームしたい場合などは、対象になるケースもあるので相談してみましょう。

 

住宅改修費の支給額

「居宅介護(介護予防)住宅改修費」の支給額は20万円で、そのうち1割自己負担します。例えば工事に20万円かかった場合は、2万円を支払う必要があります。所得の高い方は負担割合が2割の方、3割の方もいますので、介護保険の「介護保険負担割合証」で確認しておきましょう。

 

利用できる回数は原則1人1回のみですが、1回で20万円使い切らなかった場合は、複数回に分けての利用も可能です。上限まで使い切らないともったいない!と慌てて利用しなくても大丈夫なので安心してください。

 

ただし、1回目と2回目を合計して20万円を超えてしまった場合は、超過した費用全額自己負担になるため残額には注意してください。以前、住宅改修したことがある場合は残額がどれくらい残っているか必ず確認してもらいましょう。

 

利用の回数は1人につき1回であるため、同一住宅にご夫婦が住んでいる場合はそれぞれに利用ができます。1つの住宅につき1回ではないため、それぞれに住宅改修が必要になった場合も相談してみましょう。

 

条件により住宅改修は再度利用できることも

住宅改修費を利用できるのは1人1回のみと説明しましたが、例外もあります。

 

  1. 要支援度や要介護度が3段階上がったとき
  2. 転居したとき

 

要介護度が大幅に上がったときは、介護の必要度が上がったときです。在宅で生活する際に、さらに住宅改修が必要になるケースを考えて限度額がリセットされます。

 

また、転居した場合も転居先で住宅改修費が再度利用できる場合があります。ただし、新築の場合などで認められないケースもあるため確認が必要です。

 

住宅改修費の支払い方法

住宅改修費の支払い方法には「償還払い」「受領委任払い」の2通りがあります。

 

償還払いは先に工事のお金を全額業者に支払った後に、補助金として払い戻しをしてもらう方法です。

 

受領委任払いの場合は、介護保険の自己負担額だけを工事業者に支払います。残りの工事費は、自治体が業者に支払いをしてくれます。受領委任払いは窓口で負担金を払うだけなので、手間のかからない方法ですが「受領委任払い取り扱い事業者」として登録している事業者でなければ利用できない支払い方法です。

 

住宅改修の対象になる工事

住宅改修は、どのような工事でも対応してもらえる訳ではありません。対象になる工事の種類が、厚生労働省によって決められています。

 

対象となる6つの工事は以下の通りです。

  1. 手すりの取付け
  2. 段差の解消
  3. 床・通路の材料の変更
  4. 扉の取替え
  5. 便器の取替え
  6. 住宅改修に付帯して必要となる工事

 

それぞれの工事について詳しくみていきましょう。

 

1.手すりの取付け

歩行が不安定になってきた高齢者の自宅には手すりがあると安心です。トイレ・浴室・玄関などの立ち座りをする場所に手すりを設置すると動作を楽に行うことができます。階段・廊下などに設置することで安全な移動をサポートします。

 

置き型タイプや天井から突っ張るタイプの手すりであれば、住宅改修で工事せずレンタルも可能です。手すりは、本人の生活パターンやお体の状況により取り付ける位置や手すりのタイプが大きく異なります。ベストな位置に手すりが設置できるよう相談してみしましょう。

 

2.段差の解消

加齢により足腰が悪くなったり身体機能が低下してきたりすると、少しの段差でつまずきやすくなってしまいます。高齢者の転倒予防には段差を解消しておくのも大切です。

 

住宅改修では床の底をかさ上げしたり、スロープにしたりする工事が対象になります。手すりと同様、設置するタイプのスロープやお風呂のすのこなどのレンタルで代用ができるケースもあります。

 

3.床・通路の材料の変更

スムーズに移動するために、床や通路を滑りにくい素材に変更することも可能です。

 

介護保険では浴室の床や階段の踏面を滑りにくい素材へ変更する工事や、車椅子や歩行器などが移動しやすいように畳からフローリングへ変更する工事などが認められています。「畳が古くなった」「畳が汚れてしまった」「畳の部屋にベッドを置くため」「模様替えをしたい」などの理由では認められないので注意してください。

 

4.扉の取替え

手の力が弱くなった方や車椅子の方でもドアの開け閉めができやすいように、開き戸引き戸・折戸・アコーディオンカーテンなどに変更できます。

 

開閉しやすくするために、ドアノブを変更したり動きを軽くするために戸車を設置したりする工事も対象です。

 

5.便器の取替え

昔ながらの古い日本家屋には和式トイレのご自宅があります。立ち上がりが困難になってしまった方には、和式トイレを洋式トイレに取り替える工事も介護保険の対象です。

 

現在、洋式トイレを使用している場合で、立ち上がりがしやすい高さの便器に取り替えるケースも介護保険が適用されます。

 

また、排泄が終わった後の拭き取りが難しい方には、便器の取り替えと同時にウォシュレット付きの便座に変更も可能です。原則、和式トイレを洋式トイレに取り替える工事の場合が対象です。すでに洋式トイレが設置されている場合にウォシュレット機能をつける工事は対象外なので注意しましょう。

 

6.住宅改修に付帯して必要となる工事

住宅改修の工事をするときには、その工事をするために壁や柱を補強しなければいけない時があります。浴室の床の段差解消や便器の取替え工事では、給排水設備が必要なケースも。

 

このように、住宅改修に付帯して必要になる工事も介護保険の対象になります。

 

ただし、工事の種類はたくさんあり、家屋の状況も違うため必要になる工事の種類はさまざまです。必要な工事でも介護保険の対象にならないケースもあるため確認が必要です。

 

介護保険の住宅改修利用の流れ

ここからは、介護保険を利用して住宅改修するまでの流れを確認しておきましょう。

 

要介護認定を受ける

住宅改修サービスを介護保険で利用するには要介護か要支援の介護認定を受けていなければいけません。現在、介護認定を受けていない方は、住んでいる地域の地域包括支援センターに早めに相談しましょう。

 

地域包括支援センターは、地域に住む高齢者の総合相談窓口です。介護保険の申請をサポートし、担当してくれるケアマネージャーを紹介してくれます。地域包括支援センター以外に、自治体の窓口へ直接相談することも可能です。

 

担当ケアマネジャーに相談する

住宅改修を検討する際は、まず担当ケアマネージャーに相談してください。生活する上でどういうことに困っているかを伝えると、必要な工事をアドバイスしてもらえます。

 

住宅改修工事には、ケアマネジャーが住宅改修前に作成する「住宅改修が必要な理由書」が必要です。住宅改修の申請を認めてもらうためにも、現在の心身の状況や生活する上で支障をきたして困っていることを細かく伝えて申請してもらいましょう。

 

施工業者と打ち合わせ・見積書の作成・契約

工事したい場所をケアマネジャーに相談したら、次は施工業者との打ち合わせです。改修したい場所が希望通りに工事してもらえる場所か、プロの目線でチェックしてもらいます。

 

費用見積もりなどを作成してもらって、内容を確認してから施工業者との契約を決定します。

 

住宅改修の支給申請書類を自治体に提出

住宅改修工事には事前申請が必要です。

必要な書類は以下の通り。

 

  • 住宅改修費支給申請書
  • 住宅改修が必要な理由書
  • 工事費見積書
  • 間取り図
  • 日付入りの住宅改修前の写真
  • 住宅所有者の承諾書(住宅の所有者が当該利用者でない場合)

 

自治体は提出された書類を確認し、住宅改修費の支払い対象として適切かどうかを審査します。住宅改修が必要な理由書はケアマネジャーなどの有資格者が作成します。また、見積書や間取り図、写真などは施工事業者が準備してくれるので安心してください。

 

改修工事後に住宅改修費の支給申請をする

事業者は審査結果を受けて工事を行います。無事に工事が終了したら、再度自治体に支給申請書類を提出する必要があります。

 

必要な書類は以下の通りです。

 

  • かかった費用の領収書
  • 工事費内訳書
  • 住宅改修前と住宅改修後の状態が確認できる写真(日付入り)
  • 住宅の所有者の承諾書(住宅の所有者が当該利用者でない場合)

 

自治体が住宅改修前と住宅改修後の書類を照合し、必要と認められたら正式な支給申請が決定されます。

 

住宅改修が在宅介護の負担を軽減する

今回の記事では、介護保険の住宅改修について解説しました。

 

住宅改修を行うことで、介護する側は介護負担軽減できます。住みなれた自宅での安心安全な生活が継続でき、本人の自立支援にもつながります。

 

一見手続きが大変そうですが、ケアマネジャーや施工事業者が必要な工事のアドバイスや書類の準備をしてくれるので心配せずに相談してみましょう。

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