子どもから高齢者までが集う”サーカス”がある特養、「サンライズ大泉」

子どもから高齢者までが集う”サーカス”がある特養、「サンライズ大泉」

 東京都練馬区西大泉にある「サンライズ大泉」は、西武池袋線「大泉学園駅」からバスで15分ほどの好立地にある特別養護老人ホームです。(サンライズ大泉の公式サイトはこちら)

 閑静な住宅街と畑、農園が連なる街並みを進むと見えてくる、まるで商業施設のような解放感溢れる建物は、高齢者施設であることを感じさせない明るさと活気に溢れています。

 前回ご紹介した、特別養護老人ホーム「ひのでホーム」と同法人系列施設となるサンライズ大泉。サンライズグループが大切にする理念と精神を育みながら、サンライズ大泉独自の取り組みを行っています。

 今回は、サンライズ大泉施設長の番場隆市さんと、地域事業課サブマネジャーの嶋﨑美咲さんにサンライズ大泉の魅力を語っていただきました!

写真:つい足を止めて立ち寄ってみたくなる、存在感溢れるサンライズ大泉の外観。

サンライズ大泉の特徴について教えてください

 嶋﨑さん:サンライズ大泉は全室個室で、基準よりも広めの設計になっています。より自宅に近い雰囲気となるよう、玄関やリビングは一般家具メーカーの家具を使用しています。居室の中には、ご自宅で使っていた箪笥をおかれるご入居者さんもいらっしゃいますね。

 何と言っても一番の特徴は、2021年の特養増床とともに併設した、防災型地域交流スペース「サンライズ・サーカス」です。

 

 番場さん:サンライズ大泉は2012年に開設しましたが、当時は特養だけの施設で、正直なところ他には特徴がありませんでした。2021年の増床というタイミングで、これまで地域の方からいただいていた、「こんなことをやってほしい」、「こんなものがあったらいい」という声を実現しようと始めたのが、「サンライズ・サーカス」なんです。

「サンライズ・サーカス」について、詳しく教えていただけますか?

 嶋﨑さん:サンライズ・サーカスでは、カフェ、フィットネス、セル(細胞)メンテナンス、ファミリー風呂、ランドリー、Kids事業(子どもの居場所)など、色々なことを複合的に展開しています。大人も子どもも集う地域のランドマークを目指して、”楽しいサーカスのような場所”をコンセプトに、自分たちがやりたいことや、地域の方のあったらいいな、をすべてここに、ぎゅっと詰め込んでいる感じです。

 練馬区内の方が多く利用されていますが、中野区から自転車で50分かけて毎日通っているという方もいらっしゃいますし、カフェで日中ずっとお仕事をされている方もいます。近隣の小学校から、放課後に宿題をやりにここへ来る子どもたちも、もちろん高齢者の方々もたくさんいらっしゃいます。

写真:「サンライズ・サーカス」内のカフェの様子。利用者や地域の人々が集い、思い思いの時間を過ごす。

 

 番場さん:日常使いができるカフェやフィットネスなどの施設設備の他にも、定期的なイベントも開催しています。サンライズ大泉の相談員が地域の方に向けて認知症予防体操を開催したり、地域の方にスペースを貸し出してイベントをしてもらうことも。練馬区とは「まちかどケアカフェ事業」の協定を結んでいて、地域の介護予防拠点のひとつにもなっていますね。

 時には、社会的な支援が必要な方がやってくることもあるんです。そういった方々を見落とさず、しかるべきサービスや機関に繋いでいけることが、私たち社会福祉法人の強みです。私は、いまこの世の中に不足しているのは「おせっかいなおばちゃん」だと思っているんですよ。私たちが日常的に、おせっかいなおばちゃんを演じることで支えられる人が増えれば良いなと。

 

 嶋﨑さん:最近はお店に行っても、店員さんと会話をせずに買い物が済ませられる場所が増えていますが、うちは逆で、コミュニケーションを取らなければコーヒーが飲めません(笑)。ここではとにかくいろんな声がかかるし、私自身も話しかけたり、おせっかいをすることが多いです。話題を見つけて、自分から皆さんのコミュニティに入って行って、コミュニケーションをとって、「楽しかったからまた明日も来るね」と言っていただいて、さらにここで活動していただいて。地域コミュニティデザインという感じですね。

写真:サーカスで開催されるサーカスマーケットの様子。地域の子どもから高齢者まで、世代に関係なくたくさんの人々が集う。

 

 番場さん:もともと「サンライズ・サーカスはこういう場所でないといけない」という型決めはしていないので、地域の人、利用される人、みんなで一緒に完成系を目指していく、まだまだ発展途上の場所です。これからもずっと発展途上かもしれません。

 ここは、災害時には練馬区の福祉避難所として、認知症高齢者や障がい者が利用する避難所にもなる場所です。万が一、災害がおこったときは避難生活を送ることになりますが、そのときに、それまでの日常的なつながりが活きてくると思っています。

特養の入居者も利用することができるのですか?

 嶋﨑さん:はい、サンライズ大泉のご入居者さんも利用されています。職員の付き添いが必要な方が多いので、時間を合わせて一緒に来たり。人によっては、一人で普通にカフェにいらっしゃる方もいます。印象的だったのは認知症のご入居者さんで、最初はカフェに来て座ったらテーブルに足をのっけてしまっていたのですが、「ここは一般の方も来る場所だから」と説明したら、次のときには足をのせずに座ってくださって。また別の日、頭に寝癖がついていたので、「外に出るときは寝癖をなおして、おしゃれしてみたら?」と声をかけたら、それ以来しっかり寝癖をなおして来てくださるようになりました。

 施設の中だけだと毎日同じ人にしか会いませんが、サーカスに来ることで外の世界に触れるきっかけや意識を持つと、変わっていくんですね。

 他にも、ご入居者さんのご家族が利用してくださることもあります。以前、カフェで提供しているパスタやワインが大好きだったご入居者さんを、特養でお看取りさせていただいたことがありました。その後、その方の娘さんがカフェを訪問されて、お母様が大好きだったパスタを涙を流しながら召し上がられました。今では、娘さんがカフェの常連さんです。

写真:”今日は何を食べようかな?”と楽しそうにメニューを見る利用者。サーカスは利用者も家族も、どんな人でも自由に利用できる。

写真:サーカスの庭に集う利用者。特養の中だけでなく、外に出て人々の賑わいに触れることも、サンライズ大泉ならではの元気の秘訣。

写真:カフェ大人気メニューのオリジナルパスタ。このパスタを目当てにサーカスへ足を運ぶ人も多い。

素晴らしい取り組みをされている職員の皆さんの採用や、教育について教えてください

 番場さん:採用は補充採用ではなく計画採用で行っています。法人のスケールメリットもあると思いますが、ある一定規模になると必ず一定数の退職者が出てきますので、退職者が出てから補充作業をするのではなく、計画的に、戦略的に採用活動と人材育成ができるように動いているんです。主に新卒採用は法人全体で、中途や非常勤採用は各施設で行います。

 

 嶋﨑さん:新卒採用では、法人のハード面を説明するのはもちろん、精神面を感じ取ってもらえるような工夫をしています。必ず見学に来てもらったり、直属になる職員に会わせるようにしたり。採用説明会にも出向きますし、資料や映像もなるべくたくさん用意して、「私もこんなふうに働きたい」というイメージが持てるようにしています。

 入社後は、1年目、2年目と段階を踏んだ研修がしっかり用意されていますので、ステップを踏んで上がっていけますね。メンタルヘルスケアもあり、自分が弱っているときはフォロー面談をしてくれますし、法人全体で取り組んでいる研修も、価値観研修からビジネスマナー研修まで様々です。

 

 番場さん:私たちは、介護事業をしている社会福祉法人ではなくて、福祉事業をやっている社会福祉法人です。そういった自覚のもとで取り組んでいますので、現場スタッフにも、普段どんな仕事をしているか聞かれたときには、介護の仕事ではなく福祉の仕事に携わっていると自然に答えられるような人材になってもらえたら嬉しいなと思っています。

 大変なことはやらない方が楽、事故のない介護サービスをやれば合格なのですが、私たちが何のためにこの仕事をしているのかというところに立ち返ると、挑戦し続けることが大事なんだと思うのです。失敗してもいい。やらなければ失敗も成功もどちらも得られません。それこそ、このサンライズ・サーカスがいい例ですね。

 

 嶋﨑さん:そういった社風がありますね。仕事でも、自分のインスピレーションを得ることを大切にしてもらえます。自分の中だけだと埋もれて消えていってしまうので、みんなでミーティングをして共有して、気づきやヒントを交換する時間を持ちます。その場で解決できるものはすぐ決めて進め、すぐ解決できないものは私の方で仕組みを整えたり、ケア(介護)の職員にも相談をさせてもらったり。やりたいことを提案する、話し合ってどうすればできるのかを一緒に考えて行動していく風土があるので、ミーティングもとても楽しいんです。みんな積極的に出たがるので、予定の調整が大変です(笑)。

 

 番場さん:スピード感が大切ですね。せっかく良い話し合いをしていても、いつまでたっても具体的に進まないのが一番もったいないので、とりあえずやってみて駄目なら変える、でやっています。

 縦割りではなく、横からも串が刺さるような形で組織運営されています。

写真:今回のインタビューに答えてくれた、地域事業課サブマネジャーの嶋﨑美咲さん(左)と施設長の番場隆市さん(右)。

 

サンライズ大泉の今後の目標は何ですか?

 嶋﨑さん:現在の取り組みに、さらに磨きをかけていきたいです。特養だから、社会福祉法人だからといって介護や福祉だけにとらわれず、さらに必要とされ喜んでいただける、選んでいただけるサービスを目指します。

 サンライズ・サーカスは今はまだ2歳ですが、いま現在のこの優しい風土が、この地域にどれだけ根付いて、育っていくか。100年先のこの地域の未来を感じて、ここはどんな優しい雰囲気になってるのかな、どんな人々が住んでるのかな、と想像をしながら、そこに向かって進んでいきたいです。

写真:地域に根ざすサンライズ大泉には、地域の未来を創る子どもたちもたくさん集う。

 

現在施設探しをされている方々へ、メッセージをお願いします

 嶋﨑さん:「特養はなかなか入れない」、という時代は終わり、今は選べる時代になっています。極端にいえば、特養にかかる費用は、どの施設もそう大きく変わりません。対して、施設が大切にしている理念や考え方は、施設によって大きく違います。実際に足を運んでいただき、見学し説明を聞いてみて、入居を検討してみてはいかがでしょうか。

 私たちにとっての一番の誉め言葉は「雰囲気がいい」と感じていただくことです。そして、サンライズ大泉のご入居者さんの特権は、サーカスのルームサービスがご利用いただけること。「お部屋で生ビールが飲める特養・サンライズ大泉」なんていかがでしょうか?

写真:カフェでは、こだわりのワインやビールも愉しむことができる。

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