
だったら、宵越しの金なんて持たずに、今を楽しく生きるまでだ! …なんて強がりを言ってみるものの、心のどこかで引っかかっている。あなたも、そんな経験はありませんか?
自分の時間を大切にする生き方を選び、今の暮らしには満足している。でも、ふとした瞬間に「自分の人生、このままで本当に大丈夫なんだろうか?」という漠然とした不安がよぎるのも、また事実。
そして、そんな不安に追い打ちをかけるように、未婚男性が亡くなる年齢の中央値は67.2歳という、衝撃的なデータが目に飛び込んでくるのです。
配偶者のいる男性と比べて10年以上も短いこの数字。
一方で、その数字の解釈は間違っている、と唱える専門家もいます。
「未婚=短命説」は果たして本当なのでしょうか。それとも、単なる噂に尾ひれがついただけの話なのでしょうか。
そこでこの記事では、「未婚男性は短命」説の真相に迫りつつ、誰もが健康で豊かな人生を送るための具体的な方法を3つ紹介したいと思います。
未婚男性は短命はホント?ウソ?
「お一人様の老後」「孤独死」。どこかで見聞きしたことのある、少しドキッとするフレーズ。
メディアやインターネットが面白おかしく取り上げ、「おひとりさまの末路」といった文脈で語られることも少なくありません。
そもそも、なぜ「未婚男性は短命」という説が、これほどまでに広まってしまったのでしょうか。
その最大の根拠とされているのが、2020年に厚生労働省が発表した「人口動態統計」のデータです。
未婚男性の死亡年齢中央値は67.2歳

以下の引用は「2020年の厚生労働省「人口動態統計」」のデータを解析した方のコメント。
男女ともに配偶者と死別した人の死亡中央値がもっとも高く、平均寿命を超える長寿である。一方で、男性では未婚の死亡年齢がもっとも低く、67.2歳で未婚男性の半分は亡くなっていることになる。これはほぼ平均寿命平均と同一値の有配偶男性より14年以上も早い。 離別男性も平均寿命を大きく下回り、72.9歳であり、未婚及び離別という独身男性は短命であることがわかる。
引用元:「いのち短かし、恋せぬおとこ」未婚男性の死亡年齢中央値だけが異常に低い件(荒川和久) – エキスパート – Yahoo!ニュース
配偶者がいる男性の中央値が80歳を超えていることを考えると、10年以上の差は確かに衝撃的です。

こんな数字を目の当たりにすれば、誰だって不安になってしまうのも無理はないでしょう。
67.2歳はあなたの寿命じゃありません【統計のワナ】
この「67.2歳」という数字が、そのまま未婚男性の寿命を意味するわけではない、と指摘する専門家もいます。
実はこの数字、統計ならではの「見え方のマジック」が隠されていたのです。
理由はごくシンプルで、比較しているグループの年齢構成が、そもそも大きく違うからです。
- 未婚男性のグループ:晩婚化の影響もあり20代や30代といった若い世代が多く含まれる
- 既婚男性のグループ:多くが中高年以降の世代で、若者は少ない。つまり、もともと長生きしている人の割合が高いグループ
極端な話、20代で不慮の事故に遭った未婚の若者と、80歳まで連れ添って大往生を遂げた既婚の高齢者を、同じ物差しで比べているようなものなのです。
そうなると当然ながら、若い世代が多く含まれるグループの死亡年齢の中央値は、事故や若年性の病気で亡くなる方が少数いるだけでも、ぐっと低く算出されてしまいます。
つまり、「67.2歳」という数字は、ひとりでいることが不健康という直接的な証明ではなく統計上そのように見えてしまっているだけ、というわけです。
生涯を豊かにする3つの方法
「なんだ、統計のトリックか」と安心するのは、まだ少し早いかもしれません。
健康や寿命にとって本当に大切なのは、「結婚しているか」という形式よりも、「日々をどう生きているか」。
これは、ひとりでいても、誰かと暮らしていても変わらない、すべての人に共通する真理です。
では、具体的に何をすればいいのか? これからの人生を、より豊かに生き抜くための具体的な方法を3つ紹介します。
- 自分の身体を大切に扱う
- お金の不安を解消する
- ひとりの時間と心地よい繋がりの確保
自分の身体を大切に扱う
何をするにも、まず資本となるのが自分自身の体。自分の心臓や肝臓、胃が、文句も言わずに働いてくれているのを当たり前だと思っていませんか?
24時間365日、休まずに動き続けてくれている一番の相棒。そんな体を私たちは、ぞんざいに扱ってしまいがちです。
まずは、少しずつ自分の体をメンテナンスしていく視点を持ちましょう。なにも、いきなり完璧を目指す必要はありません。
できることからで十分なのです。例えば、こんなことから始めてみてはいかがでしょうか。
食事に気をつける
コンビニ弁当に、パックのサラダやカップの味噌汁をプラスするだけでも立派な一歩。
料理が苦手でも、カット野菜や冷凍野菜を使えばOK。
適度な運動
一駅手前で降りて歩く、エレベーターを階段に変えてみる。ほんの少しだけ負荷をかける意識が大切。
家でテレビを見ながらストレッチしたり、歯を磨きながらつま先立ちしたり「ながら運動」
数値で確認する健康診断
まずは「一点改善」を目標に。肝臓の数値が高かったら、週に一日だけお酒を飲まない「休肝日」を設ける。
血糖値が気になったら、野菜から食べるようにする。

お金の不安を解消する
自分らしい人生を自由に選択していく上で、どうしても避けて通れないのが「お金」の問題です。特に、ひとりで生きていくと決めたなら、頼れるのは自分自身。だからこそ、早めに計画を立てておくことが、未来の自分を助けることに繋がります。
しかし、将来のお金の計画を立てる際、多くの人が見落としがちなポイントがあります。それが、日々の生活費とは別に必要となる、万が一の「介護」にかかる費用の存在です。
旅行や趣味といった楽しいことのためのお金は計画しやすくても、自分が介護されるといった事態は想像しにくく、どうしても後回しにしてしまいがち。
ですが、日々の生活と介護は地続きです。生活費の準備だけでは、何かあった時に計画全体が簡単に崩れてしまう危険性をはらんでいます。
具体的な数字で見てみましょう。
まず、高齢になってから最低限の暮らしを送るためだけでも、年金とは別に約600万円が必要です。(引用:家計調査報告2024年 令和6年 総務省)
※単身(65歳以上・無職世帯)の方の不足金2,7818円と男性の平均寿命81歳を合わせて計算(2,7818×12ヶ月×16年)
それに加えて、介護が必要になった場合、平均で約580万円がさらに必要になるというデータもあります。(引用:大樹生命日本生命グループ)
だからこそ、本気で将来の安心を手に入れたいと考えるなら、「毎日の生活費」と「万が一の介護費」を必ずセットで計画することが不可欠なのです。
この視点で少しでも早く準備を始めることが、未来の自分を助ける確実な方法といえるでしょう。

ひとりの時間と心地よい繋がりの確保
誤解しないでいただきたいのは、「ひとりでいること」自体が悪いわけではない、ということです。むしろ充実した「ひとりの時間」は、心身にとって非常に有益です。
問題となるのは、いざという時に誰にも助けを求められない「社会的孤立」の状態です。豊かなひとりの時間を確保するためにも、心地よい距離感の「つながり」を意識的に作っておくことが大切になります。例えば以下のようなもの。
熱中できるものを見つける
読書や映画、音楽はもちろん、カメラや登山、料理、筋トレ、サウナなど、少しアクティブな趣味に挑戦してみる(豊かなひとりの時間)
第3の居場所を持つ
家と職場以外に、自分が自分でいられる「第3の居場所」を見つける。
行きつけのカフェやバー、ジム、オンラインサロン、地域のボランティアやスポーツチームなど(人とのつながり)
まとめ:短命説は、人生を見直すきっかけ!
「未婚男性は短命」という説は、統計の数字が生んだ誤解。
ただ、この説がこれほどまでに広まった背景には、食生活の乱れや社会的孤立といった、ひとりで暮らす上で陥りがちな健康リスクへの警告が含まれていることも事実です。
大切なのは自分自身の「体・お金・心」という3つの健康を、バランスよく大切にしていくことにつきます。
- 自分の身体を大切に扱う
- お金の不安を解消する
- ひとりの時間と心地よい繋がりの確保
紹介した3つの方法は、あなたの将来の不安を軽くしてくれるはずです。
しかし「介護」や「将来の住まい」といった専門的な分野になると、何から手をつけて良いか分からず、一人で悩みを抱え込んでしまう方も多いのも事実。
最も確実で効率的なのは、専門知識を持つ相談員に話してみること。
現在の状況や将来の希望を伝え、客観的なアドバイスをもらうことで、漠然とした不安が具体的な選択肢に変わっていきます。
近所のよしみではあなたの不安を解消し、最適なプランを一緒に見つけるお手伝いをさせていただきます。