
コロナ禍の影響や一般葬よりも費用が安く済むといった理由で、家族葬が多く選ばれています。
しかし、一部では見積りよりも費用が高くなり、葬儀社とトラブルになるケースが少なくありません。
そのため、費用面に関するトラブルを防ぎ、気持ちよく故人を送り出せるよう対策が必要です。
今回は、家族葬における費用面のトラブルの実態や見積もりより高額になる原因を解説し、トラブルを防ぐためのポイントもご紹介します
家族葬の費用に関するトラブルの実態


こちらでは、家族葬の費用に関するトラブルの実態について解説します。
一般葬よりも家族葬が多く選ばれている
株式会社鎌倉新書「いい葬儀」で行われた全国調査によると、全体の50%が家族葬を選んでいることが発表されています。
地域との繋がりが希薄になっていることや核家族化・高齢化の進行によって、参列者が少なくなっています。
さらに、コロナ禍の影響によって大勢の人が集まることを避けて、家族・親族のみで行われるため、家族葬が多く選ばれています。
また、経済的な事情によって費用が少なく済む家族葬を選ぶ方も少なくないため、家族葬が多く選ばれている面もあります。

一方で葬儀に関するトラブルの相談件数は増えている
独立行政法人国民生活センターの発表によると、葬儀に関するトラブルへの相談件数は以下のように増えています。
- 2021年度:800件
- 2022年度:951件
- 2023年度:883件
- 2024年度:99件(前年同期より7件アップ)
特に、費用面に関するトラブルの相談件数が多く、その背景には以下のポイントが関係しています。
- 葬儀サービスの多様化・複雑化
- 十分な比較・検討ができない
- 葬儀に関する知識・準備が足りない
一部の葬儀社はこのような要因につけこみ、高額な費用を請求したため、不満を感じて相談する方が増えていると考えられています。

実際に起きたぼったくりと思われるトラブルの事例

こちらでは、実際に起きたぼったくりと思われるトラブルの事例を2つご紹介します。
義父が突然亡くなり、病院からすぐに遺体を引き取るように言われ、電話帳に広告を出している葬儀社へ連絡した。
遺体を運んでもらうとそのまま葬儀プランについて話し合った。「家族葬でお願いしたい」と伝えたが、一般葬を強く勧められ、最後は精神的な疲れもあり、根負けして約150万円の契約をした。
葬儀は終わったが、お金がなく費用を支払うことが出来ない。
出典:独立行政法人国民生活センター「葬儀の料金トラブルに気をつけて(リーフレット版)
入院中の父が突然死亡し、病院から遺体搬送を促され、葬儀社を紹介された。
葬儀社に「住んでいる集合住宅のエレベーターにストレッチャーが入らないので搬送費用は高くなるが、葬儀を契約すれば葬儀費用を 80 万円にする」と説明されたので、契約をした。
葬儀の打ち合わせで家族葬を希望していると伝えたが、葬儀社からは司会や通夜ぶるまい等の追加サービスについて説明されたものの、おろおろして総額もわからないままに了承した。
見積書を渡されたが、金額が記載されていなかった。葬儀後、約 150 万円の請求をされたが、説明されていない項目の記載もあり納得できない
出典:独立行政法人国民生活センター「大切な葬儀で料金トラブル発生!-後悔しない葬儀にするために知っておきたいこと-
家族葬の費用相場と内訳

株式会社鎌倉新書「いい葬儀」の全国調査によると、家族葬の費用相場は105.7万円と発表されています。
また、家族葬にかかる費用の基本的な内訳は、以下のとおりです。
- 葬儀にかかる基本料金
- 飲食・返礼品にかかる料金
- 寺院にかかる料金
葬儀にかかる基本料金は、斎場使用料金や遺体の搬送料金、火葬料金などが含まれています。
また、参列者への飲食代や返礼品にかかる費用も必要となります。
さらに、寺院へ渡すお布施・御車代・御膳料などの費用も必要ですが、具体的な金額の決まりがないため、葬儀社や寺院に確認が必要です。

家族葬の費用が見積もりよりも高額になる原因

このように気になる方もいるのではないでしょうか。
こちらでは、葬儀費用が見積もりより高額になる3つの原因について解説します
追加サービスやオプションの追加
追加サービスやオプションの追加によって、費用が見積りより高額になる場合があります。
葬儀を行う際、以下のような追加サービスやオプションを選ぶことができます。
- 飲食物や返礼品のグレードアップ
- 豪華な祭壇やお別れに使用するお花
- 湯灌やエンバーミング
- 参列者用のマイクロバス
このようなサービスやオプションを選ぶと追加費用が発生し、結果的に葬儀費用が見積りよりも高額になる場合があります。

急な葬儀による不必要なサービスの契約
急な葬儀による不必要なサービスの契約も、見積りよりも費用が高額になる原因の一つです。
突然の葬儀によって、十分な打ち合わせや比較する時間が少ないため、冷静な判断ができない場合もあります。
そうした中で、葬儀社から不必要な追加サービスの提案を鵜呑みにして契約し、後から高額な費用を請求されたケースも発生しています。
このように、遺族の精神的な隙につけこみ、不必要なサービスを提案される可能性もあるため、事前に葬儀社と打ち合わせることが必要です。

葬儀社ごとの料金体系の違い
葬儀社の料金体系は特に決まったルールがないため、葬儀社によって違います。
また、地域性によっても違いがあり、特に都会の場合はさまざまな設備をレンタルすることが多いため、地方とくらべると費用が高い傾向です。
火葬に関しても、民営・公営の火葬場によって料金に違いがあり、特に民営の火葬場は高い場合が多いです。

家族葬の費用に関するトラブルを防ぐ5つポイント

家族葬の費用に関するトラブルを防ぐためには、以下の5つのポイントに気をつけて対策する必要があります。
- 複数の葬儀社からの見積りを比較する
- 見積書の内容から追加費用の可能性を確認する
- 家族葬の希望・費用について事前に話し合う
- 他の遺族と一緒に説明を聞く
- キャンセル料や変更手数料を確認する
一つずつご紹介します
複数の葬儀社からの見積りを比較する
家族葬の費用に関するトラブルを防ぐためには、複数の葬儀社から見積もりを取り、比較・検討しましょう。
葬儀社ごとに料金体系やサービスが違うため、一社のみの見積もりでは適正な価格であるか判断が難しいです。
そのため、最低でも3社から見積もりを取り、料金やサービス内容を比較・検討することがおすすめです。

見積書から追加費用の可能性を確認する
見積書から追加料金の可能性を確認することも、トラブルを防ぐポイントの一つです。
見積書を受け取った際、以下の3つのポイントを確認しましょう。
- 基本サービスの内容と料金
- 追加サービス・オプションサービスの内容と料金
- 不明確な項目と料金
こちらのポイントを確認すると、追加費用が発生する可能性をおおまかに把握できます。
また、見積書に実費・当日精算と表記されている場合、追加費用の可能性が高いので注意しましょう。

家族葬の希望・費用について事前に話し合う
家族葬の希望や費用について事前に話し合うことも重要なポイントです。
あらかじめ希望するサービス内容や予算を遺族が共有することで、不必要なサービスの契約や出費を防ぐことができます。
また、遺族間での費用の分担を決めることができるため、葬儀社だけでなく家族間での葬儀費用に関するトラブルを防ぐことにもつながります。

他の遺族と一緒に説明を聞く
他の遺族と一緒に見積りや契約の説明を聞くことで、高額な費用を請求されるリスクを減らすことが可能です。
例えば、一人の遺族だけで見積りや契約説明を聞くと、ぼったくりと思われる点を見抜けず、不必要な出費や契約につながるリスクがあります。
しかし、複数の遺族と一緒に聞くことで、それぞれの視点からの気付きやアドバイスを得ながら、慎重に見積もりや契約内容を確認できます。
結果的に、高額な費用を請求されるトラブルを防ぐことにつながるでしょう。

キャンセル料や変更手数料を確認する
葬儀内容や日程の変更・キャンセルせざるを得ない場合、契約内容によっては手数料が発生するため、キャンセル料や変更手数料について確認が必要です。
特に、以下の2つのポイントに注目して確認することがおすすめです。
- キャンセル料の発生時期と金額
- 変更可能な期限
余計な手数料が発生しないようにすることで、トラブル防止にも役立つでしょう。
家族葬の費用に関するトラブルが起きた場合の対処法


家族葬の費用に関するトラブルが発生した場合、まずは葬儀社と契約書や見積書の内容を確認しましょう。
ぼったくりと思われる点があれば、根拠をもとに、葬儀社との交渉も必要です。
それでも解決しない場合、消費生活センターに相談すると、解決のために必要なアドバイスやサポートを受けることができます。
消費者ホットライン(188)に連絡すると、お住まいの地域の消費生活センターを案内してくれるため、トラブルが発生した際は活用しましょう。
まとめ
今回は家族葬における費用面のトラブルについて解説しました。
近年、コロナ禍の影響や費用面を理由に家族葬が多く選ばれています。
しかし、一部では、「ぼったくり」と思われる高額な葬儀費用を請求されてトラブルになったケースも少なくありません。
トラブルを防ぐためには、あらかじめ他の遺族から協力を得ながら、見積り・契約内容の確認を行うことが必要です。
また、トラブルが起きた場合は、冷静に葬儀社と確認や交渉を行い、解決しない場合は消費生活センターへ相談することがおすすめです。
費用面に関するトラブルを防ぎ、気分よく故人を送り出せるように努めましょう。