とお考えの人もいるのではないでしょうか。
スマホは生活必需品と言っても過言ではないほど、多くの世代で普及しており、60歳以上のシニア世代も例に漏れません。
近年ではスマホ活用し、より楽しく・便利な生活を送るために工夫しているシニア世代が増えています。
しかし、70代以上のスマホの使用率は低く、使い慣れるまでに時間がかかる・費用が高額になる・詐欺に遭う可能性があるなどのデメリットがあります。
さらに、シニア世代のスマホの普及にともない、さまざまなトラブルが発生しているため、安全にスマ活ができるよう対策が必要です。
今回は、シニア世代のスマ活について以下の内容を解説します。
- シニア世代のスマ活とは
- シニア世代のスマ活の実態とは
- シニア世代がスマホを持つメリット・デメリット
- シニア世代に多いスマホに関するトラブル
- シニア世代が安全にスマ活をするための方法
- 老人ホームにスマホは持ち込めるのか
スマ活デビューを考えているシニア世代の人・高齢のご両親にスマホを検討考えている人は、ぜひご覧ください
シニア世代のスマ活とは
シニア世代のスマ活とは、60代以上の高齢者がスマホを活用し、より楽しく・便利な生活を送ることができるように工夫することを言います。
少子高齢化やコロナ禍による在宅時間の増加をきっかけに、シニア世代がスマホなどのデジタルツールに関心をもつ機会が増えたことで、スマホを上手に活用して生活するシニア世代が徐々に増えました。
具体的には、以下のように日常生活でスマホを活用しています。
- オンラインでの買い物
- 動画・映画・音楽などのコンテンツを楽しむ
- SNSによるコミュニケーション
- ポイ活
実際にスマホを活用する高齢者から、以下のような話を聞くことがありました。
今後もシニア世代のスマホの普及が進むと、シニア世代のスマ活もより盛り上がるでしょう。
シニア世代のスマホに関する3つの特徴
日本国内におけるシニア世代のスマホに関する大きな特徴は、以下の3つです。
- 60代のスマホ利用率は7割を超える
- 70代・80代のスマホ使用率は低い
- スマホを使うきっかけは「家族のすすめ」が多い
1つずつ解説します。
60代のスマホ利用率は7割を超える
日本国内における60代のスマホ使用率は7割を超えています。
総務省「令和4年度通信利用動向調査」における年齢階層別インターネット利用機器の状況によると、60歳から69歳の高齢者のスマホ使用率は7割を超えていると発表しています。
また、モバイル社会研究所(NTT DOCOMOの付属機関)が発表した「モバイル社会白書2023年版」では60代のスマホ所有率は9割以上と発表しています。
このまま少子高齢化が進行し、仕事やプライベートでスマホを使い慣れた世代がシニア世代が移行するため、今後もシニア世代のスマホ使用率は高い傾向が続くでしょう。
70代・80代のスマホ使用率は低い
60代のスマホ使用率と比べて、70代・80代のスマホ使用率は低くなっています。
総務省「令和4年度通信利用動向調査」における年齢階層別インターネット利用機器の状況によると、70代は約4割となっており、80代は2割にも満たない結果と発表しています。
しかし、令和2年度・令和3年度の同調査の結果と比較すると、70代・80代ともに年々使用率が上昇しています。
現在、ガラケーのサービスを終了する携帯電話キャリアが増えており、携帯電話が必要な70代以上の世代がスマホに移行せざるを得ないことが1つの背景となっているでしょう。
今後も70代・80代のスマホ使用率は60代より少ないですが、1年ごとに上昇することが続くと考えられます。
スマホを使うきっかけは「家族のすすめ」が多い
60代以上のシニア世代が「家族のすすめ」がきっかけとなり、スマホを使い始めたシニア世代が多いです。
モバイル社会研究所が発表した「モバイル社会白書2023年版」によると、スマホを使い始めたきっかけが家族のすすめである人が最も多いと発表されています。
次いで、「フィーチャーフォン(ガラケー)が使えなくなると聞いたから」「使いたい機能があったから」という理由でスマホを使い始めたシニア世代の人も多くいると発表されています。
実際に、遠方で生活する家族が心配して「いつでも電話ができるように」とすすめられてスマホを使い始めた高齢者もいます。
そのため、今後もなんらかの生活上の不安や心配を解消できる手段として、家族からスマホをすすめるケースは増えていくでしょう。
シニア世代がスマホを使うメリット・デメリット
スマホデビューを検討しているシニア世代の人にとって、スマホを使うメリット・デメリットは気になりますよね。
本章ではシニア世代がスマホを使うメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
シニア世代がスマホを使うメリットは、以下のとおりです。
- 画面が大きい
- きれいな写真や動画を撮ることができる
- 気軽にインターネットを利用できる
- 家族や友人と連絡しやすい
デメリット
一方で、シニア世代がスマホを使うデメリットは、以下のとおりです。
- 使い慣れるまでに時間がかかる
- プランやオプションによって料金が割高になる
- 詐欺などのトラブルに遭う可能性がある
シニア世代に多いスマホに関する4つのトラブル
シニア世代がスマホを使うことによって、具体的にどのようなトラブルがあるのか気になりますよね。
シニア世代に多いスマホに関するトラブルは、以下のとおりです。
- 通話の切り忘れで高額な料金を請求された
- 詐欺に遭った
- 連絡ができない・不必要な電話を繰り返す
- 契約内容を理解しないまま不必要な商品を購入した
くわしく解説します。
通話の切り忘れで高額な料金を請求された
シニア世代に多いトラブルの1つに、通話の切り忘れで高額な料金を請求されるケースがあります。
なぜなら、通話ボタンを押し忘れてしまうからです。
ガラケーの場合、電源ボタンを押すことで通話が終了しますが、スマホは画面上のボタンを押さないと通話が終わりません。
スマホの操作に慣れていないシニア世代の人は、画面上のボタンを押し忘れてしまいがちです。
実際にスマホを使う高齢者から、以下のような話を聞きました。
そのため、通話が続いた状態が続いてしまい、高額な通話料を請求されることにつながるため、注意が必要です。
詐欺に遭った
スマホを使う中で詐欺に遭ったというケースも多く発生しています。
スマホは電話・メール・インターネットが1台で利用できる分、詐欺に遭うリスクが高いからです。
スマホは電話・メール・インターネットなど、外部の人や多くの情報とかんたんにつながることができる便利なツールです。
しかし、その分さまざまな詐欺に遭うリスクが高いことも事実です。
よくあるスマホで起きやすい詐欺の種類は以下のとおりです。
ワンクリック詐欺
Webサイトのリンクをクリックしただけで強制的に入会・契約したことにし、入会金・解約金として多額の金銭を要求する詐欺
フィッシング詐欺
大手企業からのメールを装い、貼り付けられていたリンクにアクセスするとクレジットカードの番号を盗まれる詐欺
オレオレ詐欺
家族や警察官・弁護士等を装い、別の家族が起こしたトラブルに対する示談金を名目に、多額の金銭を騙し取る詐欺
架空請求詐欺
未払いの料金があると嘘をつき、高額な金銭を騙し取る詐欺
その他にも数多くの詐欺が発生しているため、スマホを使い慣れていない人・これから使い始める人は、セキュリティ対策や家族などのサポートが必要となるでしょう。
連絡ができない・電話を繰り返す
シニア世代の人の中には、スマホを使って連絡ができない・電話を繰り返すことがあります。
認知症や加齢によって認知機能が低下し、操作方法や電話で話したこと自体を忘れるからです。
認知機能が低下しながら連絡手段としてスマホを使うシニア世代の人も少なくありません。
しかし、認知機能の低下が進行すると、スマホの操作方法や数分前に家族と電話していたこと自体を忘れるため、連絡ができない・同じ電話を繰り返すことが発生します。
さらに、認知症の周辺症状である「妄想」「幻覚」による不安・焦りから、不必要に警察や消防署に連絡するなど、外部の人間を巻き込み、家族が対応に追われるケースもあります。
実際にスマホを使っていた高齢者の家族から、以下のような話を聞くことができました。
そのため、認知機能が低下しているシニア世代の人のスマホ利用は、どのようにサポートするかが重要となります。
契約内容を理解しないまま商品を購入した
契約内容を理解しないまま商品を購入することも、ありがちなトラブルの1つです。
なぜなら、契約内容をよく確認しなかった・認知機能が低下した状態で商品を購入するからです。
スマホを使えば、オンラインやテレビショッピングでかんたんに商品を購入できます。
しかし、契約内容などをしっかり確認しなかった・認知機能が低下した状態で購入したことにより、支払いが滞るため、金銭的なトラブルや自宅に物があふれてしまうこともあります。
実際に高齢者の家族から、以下のような話を聞くことがありました。
そのため、スマホの機能を最小限にするなどの対応が必要となるでしょう。
シニア世代が安全にスマ活をするための5つの方法
シニア世代が安全にスマ活をするための5つの方法は、以下のとおりです。
- シニア世代が使いやすいスマホを選ぶ
- サポート体制を整える
- 指紋認証・顔認証を設定する
- セキュリティ対策をする
- 電話の発着信を制限する
1つずつ解説します。
シニア世代が使いやすいスマホを選ぶ
シニア世代の人が安全にスマ活をするために、まずはシニア世代が使いやすいスマホを選びましょう。
なぜなら、選び方を間違うと、スマホを使う当人にとって使いにくくなるからです。
しかし、シニア世代が使いやすいスマホはどのように選べばいいのか分かりにくいですよね。
シニア世代が使いやすいスマホを選ぶときに注目すべきポイントを以下にまとめました。
画面の大きさ・本体の重さ
スマホの画面が大きいと文字や写真・動画が見やすくなる。
しかし、画面の大きさに比例して本体も重たくなるため、持ち運ぶとき・片手での操作が大変。画面の大きさと本体の重さのバランスがとれた物を選びましょう。
物理ボタンがついているか
スマホ本体に通話・メール用の物理ボタンがついている機種もあるため、通話の切り忘れ防止や頻繁に電話やメールで連絡する人におすすめ。
電話での連絡がしやすいか
よく電話で連絡する人の番号をショートカット機能に登録することで、すぐに電話で連絡することができるため、万が一の時を考えて家族へすぐ連絡したい人にはおすすめ。
用途と価格のバランスがとれた物か
スマホの使い方と価格のバランスがとれないと、価格が高い・性能を持て余すという問題につながる。使い方を考えた上で、必要な性能・価格を調べてから選ぶようにしましょう。
こちらのポイントを参考にし、実際に使う本人と家族が一緒に携帯電話のショップに足を運んで選びましょう。
サポートを体制を整える
シニア世代が安全にスマ活をするための方法に、サポート体制を整えることも必要です。
スマホでのトラブルが発生しても、適切に対応できるからです。
特にシニア世代の人の中には、機械に弱い人・スマホの使い方が覚えられないため、トラブルが発生しやすいです。
実際にスマホを使う高齢者から、以下のような話を聞くことがありました。
そのため、まずは以下の2つを確認し、トラブルが発生しても、サポートを得ることができるように体制を整えることをおすすめします。
- 家族や知人に相談できる相手がいるか
- 契約している携帯キャリアの問い合わせ方法
指紋認証・顔認証を設定する
実際にスマホを使う際には、指紋認証・顔認証を設定しましょう。
スマホ本体のロック解除などにおけるパスワード入力をかんたんに行いやすくなるからです。
スマホのロック解除などさまざまな場面でパスワードを入力しますが、うっかり忘れた時や、認知機能の低下による物忘れによって、パスワードが思い出せないトラブルもあります。
そこで、指紋認証や顔認証を設定すると、かんたんにログインが可能です。
さらに、指紋認証や顔認証は数字のパスワードよりもセキュリティ性が高くなるため、スマホを無くした場合など、かんたんに他人が中身を見ることができません。
実際に顔認証を導入した高齢者から、以下の話を聞くことがありました。
そのため、実際にスマホを使う際には、指紋認証・顔認証の設定をすることをおすすめします。
セキュリティに関する設定をする
シニア世代の人が安全にスマ活をするためには、セキュリティに関する設定は必須でしょう。
セキュリティに関する設定をすることで、インターネット詐欺や不正アクセスなどのトラブルを防ぐことができるからです。
インターネット・メール・アプリを経由し、さまざまな詐欺や不正アクセスに遭い、お金をだまし取られる・住所やクレジットカードの番号などの個人情報を盗まれるリスクがあります。
実際にスマホを使う高齢者から、以下のような話を聞くことができました。
そのため、セキュリティアプリやフィルタリングアプリの導入や、wifiの利用制限・OSのアップデートを自動で行うなどセキュリティ性を高めるための設定をするようにしましょう。
電話の発着信を制限する
電話に関するトラブルを予防するためには、電話の発着信を制限する方法がおすすめです。
電話による詐欺や、認知機能の低下による電話に関するトラブルを予防できるからです。
スマホを含めて、電話によるオレオレ詐欺や架空請求詐欺は多数発生しています。
そして、認知症などによる認知機能低下によって、同じ電話を何度も繰り返す・家族以外の人に不必要な電話をかけ続けるなどのトラブルも発生しています。
このような電話にまつわるトラブルを予防するために、電話の発着信を制限することで、知らない電話番号からの着信・使用する人の発信を制限し、安全なスマホ利用につながります。
そのため、電話に関するトラブルを予防したい場合、電話の発着信を活用しましょう。
老人ホームにスマホは持ち込めるの?
スマホを使うシニア世代の人が老人ホームに入居する際、スマホは持ち込めるのか気になりますよね。
結論を言えば、老人ホームにスマホを持ち込むことは可能です。
しかし、入居する人の状態や老人ホームの種類・ルールによってはスマホの持ち込みを断る場合もあります。
さらに、持ち込みができたとしても、本人が管理できない状態になった場合は家族に引き取ってもらう場合もあります。
まず、スマホの持ち込み・通話やスマホの管理について支援してもらえるか事前に確認をしましょう。
まとめ
今回はシニア世代のスマ活について解説しました。
今後もシニア世代のスマホ使用率は年々上がり続けると考えられるため、シニア世代のスマ活は今後も活発となるでしょう。
しかし、スマホの使用率が上がると同時に、スマホにまつわるさまざまなトラブルも発生する可能性も高くなります。
そのため、つかいやすさ・サポート・セキュリティなどを工夫し、安全にスマ活ができるよう対策を講じましょう。
今回は最後までご覧いただきありがとうございました。