暑くない日でも油断は禁物!高齢者の熱中症の原因と予防・対策法について

暑くない日でも油断は禁物!高齢者の熱中症の原因と予防・対策法について

8月に入り、外に出るのが億劫になるほどの猛暑日が続いていますね。

 

年々気温も体温以上の暑さが続き、体調を崩される方もいらっしゃり、特に熱中症に気を付けなければなりません。

 

もっとも熱中症が起こりやすい時期は、梅雨の時期から9月ごろまでと言われていて、ピークは7月中旬〜8月が一番気を付ける時です。

 

 

熱中症は小さいお子さんから高齢の方までと、年齢問わず毎年40万人以上の人がなっているというデータもあります。

 

 

その中のおよそ半数が高齢者と言われ、日中の屋外だけでなく室内や夜でも、多く発生しています。

 

ここでは、高齢者の熱中症の原因や予防・対策法についてご紹介します。

 

しっかり対策をし、暑い夏を乗り越えましょう。

 

熱中症とはどんな症状?

年々暑くなっているこの時期、多くの熱中症の患者さんが、病院に運ばれると連日報道されていますね。

 

そんな熱中症とは、一体どんな症状が出るのかを解説していきます。

熱中症とは?

私たちの体は、常に熱を生み出している状態です。

 

気温が高い場所にいると、体温が上がり熱を体の外へ出そうと、汗をかくことで体内にこもっていた熱を下げ、常に適切な体温になるよう調整をしています。

 

この働きに異常が起こり、体の中に熱がため込まれてしまうために熱中症となります。

 

また、体温を下げようと大量の汗が出た時に、何もしないと体に必要な水分や塩分が足りなくなり、脱水状態になってしまいます。

 

この脱水も熱中症の原因です。

熱中症になるとどんな症状がでる?

熱中症の症状として、主に三段階あり重症になってくると最悪、死につながることもあります。

 

 

 

熱中症の重症度

 

熱中症の症状

 

重症度Ⅰ度 めまい・立ちくらみ・足の筋肉がつる(こむら返り)・

お腹の筋肉のけいれん

重症度Ⅱ度 頭痛・嘔吐・だるさ(ぐったりする)
重症度Ⅲ度 意識障害・全身のけいれん・高体温

 

軽症は他にも、手足の痺れ・気分が悪い、めまい・立ちくらみ・足の筋肉がつる・お腹の筋肉のけいれんなどが起こります。

 

症状が進み中等症になると、吐き気や頭痛・だるさの他にも意識がなんとなくおかしいと感じ、重症になると意識障害・全身のけいれんや全身が熱くなる高体温が起こってしまいます。

なぜ高齢者が熱中症になりやすいのか?

熱中症は年齢問わずに発症しますが、その中でもなぜ高齢者が熱中症になりやすいのか、最も熱中症になる意外な場所などを調べてみましたので、夏の過ごし方を参考にしてみてください。

高齢者が熱中症になりやすい原因は?

実は、高齢者の場合、自身では気づかないうちに熱中症になっている上、重症化となっているケースや死亡例も多いので、注意が必要です。

 

普通は気温が高ければ、暑いと感じられますが、高齢者は体温調節が出来なくなっているため、暑さを感じにくくなっています。

 

そのため、熱中症になったことに気づかずに重症化まで進んでしまいます。

 

また、汗をかきにくくなるため、体の中の熱を外に逃すことが出来なくなるので、若い頃とくらべ体内の水分量が減少し、喉の渇きを感じにくいので、水分の補給を怠りやすく、脱水症状を起こしやすいのです。

 

他にも、脳卒中の後遺症や糖尿病などの持病がある人も、暑さを感じにくくなったり、汗をかきにくくなったりしているので、気を付けましょう。

 

高齢者の最も熱中症になりやすい場所は室内?原因は?

 

高齢者が最も熱中症になりやすい場所は、意外にも家の中と室内が多いと言われています。

 

室内で熱中症になる原因は、掃除の時?料理をしている時?と思われますが、全く違います。

 

原因は、エアコンを付けず蒸し暑い部屋に長時間いることです。

 

エアコンが苦手という方も多いため、蒸し暑い部屋に長時間いても、ご自身は暑さを感じないためエアコンは付けずにいられます。

 

そのため、本人も周りも気づかないので、徐々に体調が崩れ重症化しやすくなります。

 

ですので、搬送されても「まさかこれが熱中症だとは思わなかった」とおっしゃる人も多くいます。

 

夜にも熱中症になる?

 

炎天下の日中とは違い、気温が下がって過ごしやすい夜間や就寝時にも、実は熱中症を発症してしまうので、注意が必要です。

 

夜間の室温は、日中の熱さが建物の建材や部屋の向きなどの影響を受けやすいことが原因です。

 

家の壁に断熱材がなかったり、断熱性が低い場合は、日中の日差しによってベランダや壁に蓄えられた熱が、徐々に室内に伝わることで、夜の間でも高温になることがあります。

 

また、日中と同様夜でもエアコンを利用しないことや、最近では、防犯対策で窓を開けず締め切っていることで、風通しがないことで、部屋の温度が下がりにくく熱がこもり、熱中症の原因になります。

熱中症のサインは?対応方法

熱中症のリスクが高い高齢者は、自身では気づけないため周りの人が普段から見守り、熱中症のサインを見つけられることで、早期発見につながります。

 

次の項目に該当するサインが見られたら、どんな対応をすればいいのかも一緒にご紹介します。

高齢者が熱中症になった時のサインは?

高齢の方の熱中症・脱水状態の主なサインはこちら。

  • 体温が平熱よりも高め
  • 顔が火照ってている
  • おしっこの回数が減っている、行っていない
  • おしっこの色が濃い
  • 唇や舌、皮膚が乾燥している
  • 手の甲をつまむと皮膚が戻らない
  • ぐったりしている、元気がない、食欲がない
  • めまい、立ちくらみがある
  • 手や足がつる
  • 頭痛がする
  • 手足が冷たくなっている

このような症状が見られたら、熱中症のサインです。

熱中症になった時の対応方法

万が一、熱中症が疑われる場合はすぐにエアコンをつけるか、風が通るなら窓を開けるなど、涼しい環境を作ります。

 

体温調節が難しいため、蒸し暑い部屋の中でも厚着をしていたら、涼しい服装にし衣服を緩め、さらに脱水症状を起こしている場合は、とにかくすぐに水分を補給しましょう。

 

水分を摂取するにも、ただ水を飲ませるのではなく、塩分が含まれている経口補水液が適しています。

 

なければ塩を一つまみ入れた水やお茶でも構いません。

 

最悪な状態では、自力で水分補給できない、症状が回復しない場合は、緊急事態なので救急隊を要請し、救急隊を待っている間も、体温は高いままの状態となっているため応急処置を行いましょう。

 

うちわや扇風機で風をあてたり、太い血管が通っている脇の下・太ももの付け根をタオルでくるんだ保冷剤などで冷やしたりします。

 

他にも、足を高くして寝かせ、手足から体の中心に向かってマッサージするのも効果的です。

 

高齢者の熱中症への予防法と対策について

熱中症のリスクが高い高齢者は、自身では十分に対策できない場合は、周りの人たちで見守りサポートすることも大切です。

 

では、どんな予防法があるのか解説します。

こまめに水分補給をする

若い人と比べて高齢の方は、脱水症状を起こしやすいので、普段からのどが乾いていなくても、こまめに水分を摂ることが大切です。

 

例えば、起床してすぐ・入浴前・入浴後など生活リズムの中に取り入れ、コップ1杯分の水や麦茶を飲むなどの習慣をつけましょう。

 

また、冷たい方が体内で吸収されやすく、体を冷やす効果もあります。

 

ただ、「冷えは万病のもと」というくらい、冷たい飲み物を飲み続けると、内臓まで冷えむくみの原因や、体の芯まで冷えることで不調を起こすこともありますので、気をつけましょう。

 

もう一つ気を付けることは、心臓・腎臓などに持病がある方です。

 

持病を持っている方が、予防のためだと意識して水を飲み過ぎてしまうと、代謝しきれずにむくみが出たり、持病が悪化するなどの危険性があります。

 

心臓・腎臓などに持病がある方は、かかりつけ医に相談し、適切な量を決め無理なく水分補給をしてください。

 

塩分やミネラルを補給する

 

熱中症予防には、水分補給も大事ですが、塩分やミネラルの補給も必要です。

 

汗をかくと水分だけでなく、塩分の他にもナトリウムやカリウム、マグネシウムなどミネラルも失われます。

 

日常で塩分やミネラルを簡単に摂取できる物としては、スポーツドリンクで補給するのが一番ですが、高齢の方はスポーツドリンクに馴染みがありません。

 

そこで普段から塩分やミネラルが取りやすい物として、塩昆布がおすすめです。

 

昆布である海藻は、ミネラル補給に最適な食材な上に塩分とミネラルの両方が取れ、ご飯のお供として、ミネラルたっぷりのうまみ調味料として、料理に使うことも出来て便利です。

 

他にも、梅昆布茶や味噌汁も塩分とミネラルが含まれていて、高齢の方には馴染みのある物なので、気軽に補給ができます。

 

部屋の温度を測る

高齢の方は、体感温度が若い人と違うため、目で分かる温度計を置くと、部屋の温度も分かります。

 

室内の温度は、28℃以上になると熱中症のリスクが高くなるため、エアコンと扇風機を併用し、常に28℃以下を保つように心がけましょう。

 

部屋の換気やエアコンを上手く活用

エアコンが嫌いという高齢者は少なくないです。

直接、エアコンの風が当たらないよう風向きを変えたり、扇風機の風で部屋の中を循環させたりして、体への負担を少しずつでも減らせるように工夫しましょう。

 

また、外の方が温度が高い・防災のためなどという理由で窓を締め切っている方も多くいます。

 

扇風機や送風機を活用し、部屋の中の風通しをよくさせましょう。

 

外出時は日傘や帽子などで直射日光を避けましょう

日傘や帽子によって日陰ができ、体感温度が5℃前後涼しくなると言われています

 

外は、日差しからの熱量がアスファルトの照り返しによって、熱が上昇するためサウナ状態となっていますので少しでも多く、日陰の方を歩きましょう。

 

暑い時は無理をしない

頑張る人や無理をする人の方が熱中症になりやすいと言われています。

 

気分が優れなくなったら、休憩をこまめに挟んだりして、無理や我慢をしないようにしましょう。

 

まとめ

毎年、熱中症で体調を崩す高齢者が、増えてきています。

 

自身では気づかない熱中症は、重症化すると意識障害の恐れもありますので、室内の環境を整え、少しの心がけが大切です。

 

またお出かけの際、猛暑の中快適に過ごせる熱中症対策グッズが多彩で、手軽に使える物もあります。

 

 

常に水分補給ができるよう水筒を持ち歩くなどの対策をして、暑い夏を乗り越えましょう。

 

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さいごまでお読みいただきありがとうございます。

この記事が少しでもお役に立ちましたら幸いです。

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