認知症を悪化させてしまう声掛けとは?接し方のポイントや言ってはいけない言葉を解説

認知症を悪化させてしまう声掛けとは?接し方のポイントや言ってはいけない言葉を解説

認知症の方とのコミュニケーションでは、「言ってはいけない言葉」や「否定する言葉」をはじめ「怒る」「叱る」ことは極端に避けなければなりません。

認知症の人は今までできた事ができなくなってしまい、不安や焦りを感じている事が少なくありません。

介護をする家族は特に、毎日の介護疲れやストレスによって、責めたり否定するような言葉を発してしまいます。

ここでは、認知症の方と良好な関係を築けるよう、安心させられるようなケアが出来る声掛けや言ってはいけない言葉などを解説します。

認知症の方に言ってはいけない言葉

認知症の方と関わっていると、「同じことを何度も言われ続け疲れる」「頭では分かっているけどつい悪い癖が出る」などコミュニケーションで悩まれている方も少なくありません。

言葉掛け一つで認知症の方を安心させたり、逆に不安にさせたりと認知症ケアにとって言葉掛けはとても大切です。

では、認知症の方とコミュニケーションを取る際、言ってはいけない言葉となぜ言ってはいけないのかを解説していきます。

物忘れに関する指摘

認知症の方は、自分が忘れっぽくなってきていることを自覚していますので、落ち込んでしまう方もいらっしゃいます。

その中でよくある物忘れは、「ご飯を食べたか覚えていない」ことです。

それに対して「さっき食べたでしょう!」と頭ごなしに指摘してしまいますが、まずは本人に「お腹が空いている」のかを聞くといいですよ。

しっかりご飯を食べていれば「空いていない」と言いますが、それでも食べていないと言う時は、フルーツなどを出し「今用意するので、これを食べててください」と伝えると落ち着きます。

「なんで出来ないの」など認知症の方が信じていることに対して、頭ごなしに否定する言葉は使わないようにしましょう。

否定的な言葉

認知症の症状の一つに幻覚を見たり、幻聴が聞こえる事があります。

何もないところに「子供がいる」「虫がたくさんいる」などと言う時があり、周囲が見ると「何もいないのに」とおかしく感じるかもしれませんが、認知症の方にはしっかり見えています。

認知症の方は間違っていないと思っているため、「子供なんているわけないでしょ」「虫なんてどこにもいませんよ」と、「否定された」「叱られた」という感情はしっかり残ってしまい、負の記憶が積み重なると認知症の症状を悪化させてしまう可能性が高くなります。

また、相手の気分を害することはことはもちろん、毎日のように否定するようなことを言われ続けると、認知症の方の自己肯定感まで下げてしまう恐れもあるので、まずは相手に寄り添う言葉掛けをしましょう。

おどす・強制する言葉

強制するような言葉とは、本人の意向を無視して、行動を言葉で強制する行為のことです。

例えば、不安によって同じところを歩き回っている方に「絶対ここに座っていてください」と相手を強制するような発言をすることは逆効果となります。

認知症の方の危険行為を止めたい場合は、「危ないのでよかったらこちらで一緒に座って話しましょうね」など、相手の気持ちを理解し、納得してもらった上で行動を促せば、スムーズに介護が行えます。

他にも、「トイレ行かないと服が汚れたり臭くなりますよ」「処置をしないともっと悪化しますよ」などケアを受けたくないと嫌がられた際、おどして怖がらせたり、言うことを聞かせようとし、言ってしまうこともあります。

行動をお願いして拒否された場合は、その理由を聞くことが重要です。

一時は従ってくれますが、ケアの途中でパニックになる恐れもありますので、認知症の方をおどすような言葉掛けも言ってはいけません。

まずは、なぜケアを受けたくないか理由を聞くことで、嫌がる理由が分かり、それに対してきちんと配慮することができますので、認知症の方が納得してもらえたうえで、ケアを行いましょう。

責めるような言葉

認知症の方は、「歯ブラシで髪をとかす」「失禁した便を触る」などと思わぬ行動をしてしまったり、不適切な行為をしてしまう場面があります。

そんな時「何してるんですか!」「それやらないでと言ったじゃない」など、認知症の方を強く責めるような言葉は本人はびっくりして、余計混乱してしまいます。

認知症の症状には、記憶障害・思考力の低下などが原因で、物への理解が乏しくなるため、歯ブラシの使い方が分からなく混乱したり、便がどんな物さえ理解できなくなり、思わぬ行動をしてしまいます。

そのため驚いて思わず発してしまいますが、認知症の症状を理解し、まずは間違いには触れず冷静に対応できるよう心がけましょう。

急がせる言葉

認知症の方の食事やトイレで時間がかかっていると、「まだですか」「早くしてください」とついイライラして言ってしまいますが、これは認知症の方を焦らせてしまうと、本人を萎縮させたり、不満を抱えさせてしまうなどとパニックになってしまいます。

「そろそろいかがですか?」「トイレに入ってもいいですか?」などと聞き、了承を得てからケアするようにしましょう。

尊厳を傷つける言葉

尊厳を傷つける言葉とは、本人を前に排泄の話しや介護のグチなど、認知症だから分からないからと、モノ扱いをする言葉は否定以上に心を傷つけます。

施設など職員同士が本人の目の前で、本人を無視してやりとりしてしまうことがありますが、これはとても失礼なことです。

言葉以外でも、何も言わずに車椅子を動かしたり、黙って食事を下げたりと軽んじた態度を取ることもいけません。

認知症の方は健康な時と比べると、判断が鈍ってしまいますが、本人に確認できることは直接伺い、人間としての尊厳を大切に関わりましょう。

激励し過ぎる言葉

認知症の症状で初期の段階で、「今まで出来ていたことが出来なくなった」「この先どんどん酷くなるんだろうか」と認知症の方は、自分の物忘れや失敗など、将来に対する不安を抱えています。

ちょっとしたことでも、「このくらいできるでしょう」「もっと頑張って」などと励ましの言葉をかけられると、自分の頑張りが否定されたような気持ちになり、動揺してしまいます。

見守りつつ、掃除や家事などを行ってくれた場合は、感謝の言葉や敬意を払う言葉を伝えるといいでしょう。

認知症の方が安心する声かけとは?

認知症の方へのケアで大切なことは、お互いの信頼関係を築くことです。

認知症の方自身、「今まで出来ていた事が出来なくなっている」という自覚がある一方で、「人に知られたら恥ずかしい」という気持ちから強いストレスとなります。

そのため家族や介助者は、認知症の方が安心する声掛けの仕方を意識するだけで、ご本人が安心して周囲を頼る環境ができます。

では、具体的にポイントとしてどんな声掛けの仕方がいいのかをご紹介していきます。

感謝の言葉

認知症の方は、できないことが増え、他の人のお世話になっていることが申し訳ないという気持ちになっています。

感謝の言葉は、誰でも言われて嬉しいものです。

「◯◯をしてくれてありがとう」「助かります」など感謝の言葉を掛けることで「自分は役に立った」と自信につながりますので、小さなことであっても感謝の言葉をかけることが大切です。

肯定の言葉

相手の意見や意向を肯定する言葉掛けも理想的です。

認知症により現れた妄想や状況を伝えてくれた場合は、「そうだったんだね」「教えてくれて助かったよ」など、ポジティブな肯定の言葉を使うと、自分のことを理解してくれている人だと安心してもらえます。

ただ注意することは、肯定のし過ぎや励まし過ぎはかえって自尊心を傷つけることにもなりますので、バランスに気をつけましょう。

共感の言葉

共感の言葉は、認知症の方にとって安心できるもので、信頼関係の構築につながります。

辛さや悲しみを訴えているときに、共感をすることで相手が癒えることもあります。

また、認知症の方が危険なことをしているところを見かけた場合、一度その状態を受け入れた後に「こうすると危なくないと思うんだけど、どう思います?」など、否定しないように注意しながら声掛けをするといいですよ。

認知症の方との接し方

認知症の方にとって信頼する相手なのか、と接し方で見て感じていますので、認知症の方への声掛けと同じように、接し方も大切です。

では、どのような接し方がいいのか、大きく3つのポイントがありますので、解説していきます。

話しをよく聞く

認知症の方の話しをよく聞き、共感や肯定の言葉を掛けることで「理解してくれている」と安心感を与えられます。

安心感は信頼へつながりますので、ケアをスムーズに行えるようになります。

また、相手の目を見て話すことで、相手の表情や反応を確認することで、相手の気持ちや理解度を把握することもできます。

本人のペースに合わせできたら褒める

認知症の方は、自分のペースで物事を考えたり、行動したりすることができません。

間違いや誤認識に気付いたとしても、否定や間違いを指摘せず「一緒にやりましょう」「すごいですね」など本人のペースに合わせ、できたら褒める声掛けをしましょう。

声掛けの仕方も「話すスピードの音量を落とす」「相手が話している時はじっくり聞く」などがあります。

また、認知症の方が何かを行っていて時間が掛かっていても、急かすような言葉は「言ってはいけない言葉」です。

やり遂げたことを褒められると、達成感が得られますのでご本人の意欲を引き出すことができます。

耳元ではっきりと明るく話しかける

認知症の方は聞き取る力が低下していますので、小さい声や暗い口調、乱暴なトーンですと聞き取りにくく、ご本人は「こわい」という感情を持たれるうえに、信頼を失ってしまいます。

複雑な言葉や長い文章についていくことが難しいので、伝えるときは、「一度に一つの話題に絞る」「質問は選択式やはい・いいえ式にする」など、簡単に明確な言葉を使って話すこともポイントです。

また、見下されるのは誰でも不愉快なものですし、ご本人のプライドを傷つけてしまいます。

話しかけるときは、耳元ではっきりと明るい口調で話しかけ、目線はなるべく合わせましょう。

まとめ

今回は認知症の方へ「言ってはいけない言葉」「接し方」などについて解説していきました。

言葉だけでなく、声のトーンや表情なども敏感に感じ取りますので、コミュニケーションが苦手という方でも、優しい態度や笑顔を忘れなければ、認知症の方の安心感を得られます。

認知症の方との接し方は、専門的な知識も必要となりますが、安心する声掛けと接し方で、相手に寄り添い、信頼関係を築いていきましょう。

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