高齢者の孤独死が増えている!?原因と対策は?もしもに備えておくべきことは?

高齢者の孤独死が増えている!?原因と対策は?もしもに備えておくべきことは?

誰にも看取られることなく、たった1人で亡くなってしまう孤独死

 

近年、高齢者の一人暮らしや核家族の増加によって、年々問題視されています。

 

孤独死は、身寄りのない人だけではなく、家族や親族・友人がいても起こっているのが現状です。

 

なぜ、孤独死となってしまうのか、その原因と対策を始め、孤独死を防ぐために備えること、万が一発見した場合の対応から故人を見送るまで、何をすればいいのかを調べました。

 

大切な人が孤独死しないために、ぜひ参考にしていただければと思います。

 

孤独死とは?

 

孤独死とは、誰にも看取られずに亡くなることです。

 

高齢になると、以前よりも体が思うように動かず、周囲の知人も少なくなってしまい、徐々に社会との関わりが薄れてしまい、引きこもりになってしまいます。

 

しかも、誰にも看取ってもらえず亡くなった方は、すぐに発見してくれるわけではありません。

 

1日〜2日見掛けなくても、周囲が不審に感じることは少なく、数日経って同じ洗濯物が干しっぱなしだったり、異臭が発生したり、見掛けない期間が長かったりというきっかけで、発見されることが多いです。

 

では、孤独死の原因は何か、孤独死しやすい人の特徴をまとめました。

 

孤独死の原因について

 

では、孤独死は何が原因なのか、最も多い死亡原因は、全体の3分の2以上を占めていると言われている病死です。

 

次に多いのが「不明」となっていて、多くは病死と言われていますが、確実だと判断できないからです。

 

病死の次に多いのは、「自殺」と言われています。

 

年齢問わず社会的問題と言われている「自殺」は、国内で1.4%であることを考えると、孤独死では、その7倍となり深刻です。

 

最も少なかったのが、「事故死」です。

 

家の中で転んで頭を打ち、出血はしていないが脳内で出血していたことが原因だったり、冬の入浴時に多くみられるヒートショックなどがあります。

 

孤独死しやすい人とは?

 

上記でも書いてあるように、一人暮らしの高齢者に多いと言われている孤独死ですが、具体的にどのような人が孤独死しやすいのかを調べました。

 

・独居の単身者

 

家族が遠方に住んでいて滅多に会えなかったり、配偶者の死別によって1人で生活していると、体調の急変などがあっても気づかれにくいです。

 

また、高齢者は転倒や転落などで大怪我を負ったものの、助けを求められずにそのまま亡くなってしまうケースもあります。

 

・持病または健康管理ができていない

 

普段からアルコールを大量に摂取する足腰が弱まっているなど、日頃の健康管理ができていないと、孤独死のリスクが高くなります。

 

また、持病があって診察・治療を受けずに、突然死に繋がりやすく、孤独死のリスクが高まる可能性もあります。

 

・経済的に困窮している

 

経済的に困窮している場合、生活レベルが下がりがちになる傾向があります。

 

住居にエアコンがなく、猛暑の中何日もいると気づかず内に熱中症となってしまっていたり、食生活が偏り、栄養不足に繋がります。

 

また、医療費をかけることができず、病気を放置してしまうことで、健康リスクを増大させてしまう恐れも。

 

・社会的に孤立している

 

家族とも連絡をとっていない、頻繁に会う友人や仲間がいない環境は、「引きこもり」になりがち。

 

生きがいを無くし生活環境や健康状態が悪化しているのに、自力で改善できず周囲にも助けを求められない「セルフ・ネグレクト」という状態になってしまうと言われています。

 

・男性である

 

孤独死する人の8割以上が男性というデータがあります。

 

はっきりとした理由は分かりませんが、仕事一筋の男性が1人暮らしの場合、食生活を始め、身の回りのことを妻に任せていたため、適当になりがち徐々に健康を害してしまうことが原因とされています。

 

一方女性の場合、コミュニケーション力が高く、孤立化しにくいと考えられます。

万が一家族が孤独死した場合の対応は?

 

万が一家族が孤独死した場合、どのように対応すればいいのか、知っておくといざという時に役立ちます。

①発見

 

孤独死は誰にも看取られないため、自分が発見者になったり他の人が発見する場合もあります。

 

第一発見者の割合は「親族」が最も多く、他には「管理人」「福祉関係者」「友人」の順となっています。

 

もし、自分が発見した場合は、息があるかどうかをまず確認またははっきりしない場合は救急車を呼びます。

 

生死の確認や、必要に応じて警察への連絡などもしてくれます。

 

また、素人でも亡くなったと分かる場合は警察に連絡し、その後の対応を指示してくれます。

 

ここで気を付けるところは、警察が来るまでの間は部屋の中のものはできるだけ触らないようにしましょう。

 

②現場検証・遺族への連絡

 

警察を呼んだ場合、現場検証が行われます。

 

現場検証の間は、警察以外は現場に立ち入ることができず、必要に応じて検視を行う場合もあります。

 

現場検証で公的書類などから身元を確認し、血縁関係が近い順に警察が連絡します。

 

第一発見者が大家さんだと、警察ではなく大家さんから連絡する場合もあります。

 

医師が死体を特定した際に書く、死体検案書が作成されますが、身元が確認できない場合はDNA鑑定が行われ、結果が出るまで1〜3ヶ月かかることもあります。

 

そのため、遺体は専用の保管庫へと移動されますが、保管料として一泊で2,000円程度かかり、後日遺族へ請求されます。

 

③引き取り・葬儀

 

遺族が見つかったら、指定場所で引き渡しが行われます。

 

もし自分が引き取る場合、自分の身分証明書と印鑑を持参し、可能であれば孤独死した人の身分証明書も持っていきます。

 

その後、回収されていた貴重品が返却され、死体検案書を受け取った後、引き取りとなります。

 

孤独死した人の家族が遠方に住んでいた場合、近くで火葬してしまうことが一般的です。

 

遺体の移動は、痛みがある場合など衛生上の理由もあり、自分で行うことは法律でできないため、現地で火葬を行います。

 

他にも、住民登録している自治体の方が火葬費用が安くなりますので、ほかの地域に搬入するための霊棺車を手配する必要もあり、住民登録以外の場所での火葬はおすすめしません。

 

孤独死で、遺族がいる場合でも一般的な葬儀と変わらず、喪主を務めるご親族が葬儀費用を負担することが多く、費用は平均で約191万円と言われています。

 

 

孤独死であっても、葬儀を行う場合の費用は遺族の負担となるため、誰が引き取るかなどで問題が起こることもあります。

 

そのため、葬儀費用などをめぐって親族間でトラブルとなる場合もあります。

 

遺族がいない場合

 

遺族がいない場合、警察が亡くなった方の6親等(はとこやいとこの孫)まで探しますが、それでも見つからない場合や身元不明な場合は、地元の自治体が火葬を行います。

 

また、遺骨の引き取り手がいない場合、5年前後の一定期間保管後に無縁塚に埋葬されます。

 

遺族・自治体以外(大家さんや管理人さん)が葬儀を行う場合は、「葬祭扶助」という給付金がもらえ、事前申請が必要です。

 

他にも、遺族が遺体の引き取りを拒否したり、火葬後に遺族が見つかるケースもあり、火葬や埋葬などでかかった費用は、遺族へ請求されます。

 

孤独死を未然に防ぐための対策

 

近年増えている孤独死をどう防げるのか、対策をご紹介します。

 

①自治体による高齢者支援サービス

 

自治体によってサービス内容は異なりますが、例えば急に具合が悪くなった時などに民間の受診センターに通報できる「緊急通報装置」があります。

 

他にもおむつ代の助成やバリアフリーにリフォームした場合の住宅改修補助、食事宅配サービスなども自治体によって利用可能です。

 

②民間の訪問サービス

 

民間の訪問サービスとは、配達業者や警備会社など民間企業などが定期的に訪問することです。

 

郵便局は、契約した高齢者の自宅を定期的訪問し、状況を家族に報告するサービスを実施していたり、警備会社が高齢者の通報を受け、24時間体制で駆け付けてくれます。

 

また、生活に欠かせない電気・水道・ガスなどの使用量で高齢者の生活状況を見守るサービスもあります。

 

③見守りツール

 

一般家庭の防犯にも使われているカメラやセンサー、家電、スマートフォンのアプリといった見守りツールを活用することもおすすめ!

 

カメラやセンサーは、日常生活での動きを見守ってくれたり、冷蔵庫の開閉やポットでの湯沸かしをキャッチし、家族へ自動でメールが送られるサービスがあります。

 

他にも、Bluetoothを内蔵してある電池型の機器によって、リモコンの電源を入れることで家族に通知が送られる機能も。

 

また、高齢者もスマートフォンを所持している人も増え、数多くの見守りアプリがあり、1日数回画面に表示されるボタンをタップするだけで、安否確認ができるのもあります。

 

ただ、高齢者の中には「監視されている」「操作が難しそう」という人もいますので、家族で話し合って検討しましょう。

 

④人とのつながり

人のつながりや社会参加も、孤独死対策の一つです。

 

日本は海外と比べ家族以外の人で、相談し合ったり、世話をし合ったりする親しい友人がいないという回答が最も多いと言われています。

 

学生時代や会社員時代の古い友人と年賀状だけのやり取りだったのが、年賀状も出さなくなったり、家族と同居するため引っ越したりと疎遠となってしまう傾向もあります。

 

では、どのように新たな人とのつながりを作ればよいのでしょうか。

 

1つは、趣味のサークルに参加したり、地域のボランティアなどの活動に参加したりすることです。

 

定期的に人と会うことで、社会の一員として生きがいが持てます。

 

また、元気な方は働くという選択肢もあります。

 

他にも、前述でもありましたがスマートフォンを持たれている高齢者が増えているので、SNSを活用するのも人とのつながりになります。

 

手軽にできるのは、1日1回家族同士でメールのやりとりをすること。

 

LINEはお子さんやお孫さんとのグループLINEを作ることで、遠くて会えなくても会話が弾みます。

 

まとめ

近年、社会とのつながりが減少し、人との関わりもなくなってきている日本社会は、高齢者の孤独死増加に繋がっていると考えられ、大きな課題ともなっています。

 

孤独死を少しでも減らすためにも、行政サービスやコミュニティーを有効活用し、人とのつながりを大事にしていくことが良いかもしれませんね。

 

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