無くならない詐欺の被害、私たちができることはあるのでしょうか?
この記事を見ている人の中にも、過去に被害にあったことがある方や詐欺で怖い思いをされている方もいるかもしれません。
この記事を読むことで詐欺によりいっそう気をつけることで、被害にあう可能性をグンッと減らせます!
介護保険還付金詐欺とその手口を紹介
そもそも介護保険って何?
そもそも介護保険ってなんだっけ?という方も多いと思います。
介護保険を簡単に説明すると、少ない負担で介護サービスを受けられるよう社会全体で支える制度を言います。
介護保険を取り扱っている機関は住んでいる地域の市役所や地域包括センターになり、受ける対象者は下記のとおりです。
- 65歳以上の要介護、要支援状態の方(第1号保険者)
- 40~65歳の特定疾病の診断を受けている方(第2号保険者)
つまり65歳にも到達していない方で特定疾病の既往歴を持ってない方は、介護保険還付金の電話がかかってくることはそもそも「おかしい」と感じることができます。
介護保険還付金詐欺はどんな手口?
いったいどのようにして介護保険料の払い戻し(還付金)による詐欺が行われるのでしょうか?
電話による被害
一般的には「電話」が多いです。
このように言って巧みにATMへ誘導しお金をだまし取るという詐欺です。
ハガキ(封書)による被害
偽り市役所の電話番号を記載して、実際に電話をかけさせATMへ誘導するという手口です。
詐欺師の言われるままATMへ誘導されて、ボタンを押しているといつの間にかお金を振り込んでいた…という事例がいくつもあります。
介護保険還付金詐欺、最近の手口と傾向とは?
いろいろな手口を組み合わせてくる。
最近は、先ほどのハガキと電話を同時に送ってくることもあります。
もしくはハガキを送ってなかったとしても電話で
などのウソを言って、まるでこちらに落ち度があったかのような話し方をしてくるので、心優しい高齢の方は特に騙されやすいです。
こちらに落ち度があったと思い込むと、とたんに相手の話を聞いてしまいます。
落ち度を感じることで相手の話を聞いてしまう現象は、高齢の方に限りません。
人間の脳は自分に落ち度があると思うと「次は相手の話を聞かなければ申し訳ない」と思うようにできているのです。
グループで活動している(劇場型詐欺の実態)
詐欺を1人で完結するのではなく、グループで獲物を狙う集団も増えてきています。
市の職員、警察官、銀行員、弁護士などの特に権威のある職業のグループになりすまし、詐欺を仕掛けてきます。
このメリットは、数々の権威のある職業の方から連絡がくると信じてしまうという人間の心理、脳の構造を利用できるということですね。
数時間に複数の権威のある職業の人からコンタクトを取られると疑う余地はありません。
次々に何かの劇場を見せつけられているみたいに電話による展開が広がってきます。
信じ込んでいるので言われるままに行動していたら
なんてことにもなりかねません。
介護保険還付金詐欺にだまされ振り込んでしまうのはなぜ?
これまでにも多くの人が詐欺被害にあい、ニュースでも頻繁に注意をうながしています。
- 詐欺はなぜなくならないの?
- 騙されやすい人はどんな人?
詐欺に騙されやすい人は圧倒的に女性が多いです。
それは女性のほうが感情が動きやすく、家庭のお金を管理している方が多いからです。
どういうことかと言うと女性のほうが共感する力が高く、感情が動きやすいと言います。
人は感情が動いたときに行動したくなる生き物なのです。
感情が動くときは…
そうです!「還付金」この3文字です。「お金が戻ってくる」という甘い言葉で感情を動かされます。
そして昔は男性が働き、そのお金を奥さんへ渡し、奥さんが家庭をやりくりする家がほとんどでした。
そのためかお金を自由に動かしやすいのは女性ということなのです。
このように詐欺師は人の心理を上手についてきます。
介護保険還付金に騙されやすい3つの要素
還付金の詐欺に限らず人間が騙されやすい3つの要素があるので紹介します。
今から紹介するものは、高齢の方に限りません。
不安や恐怖
人は不安や恐怖を嫌がります。この先の不安や恐怖から逃れたい一心で行動します。
身近なものでいうと民間の「保険」がありますね。
営業のセールストークのままに無駄な保険に入っている方もおられるのではないでしょうか?
この不安や恐怖も感情を明らかに動かすので詐欺を行う上で欠かせない要素の1つです。
焦らす(時間的切迫性)
とにかく焦らします。焦らすことで正常な判断ができる機会を奪っているのです。
1度落ち着かれてしまうと、市役所に確認を取ったり、警察や周りに相談されたりしますから即決を迫ってきます。
焦ってはいけません。詐欺師の思うつぼです。
一旦冷静になるために電話を切り、周りに相談するくせをつけましょう。
権威性
先ほどにも述べましたが、権威のある職業は信じられやすいという背景があります。
- 市の職員
- 警察官
- 弁護士
- 銀行の職員
上記のような人たちから電話が来ることはないことはめったにないでしょう。
電話がかかってきたら疑うぐらいが丁度良いです。
メタ認知能力の低下
これは高齢の方は特に注意してください!
メタ認知能力とは簡単に言ってしまうと「自分を客観視できる能力」です。
自分では気づいていなくても、年齢を重ねることによってメタ認知の能力は低下しています。
おじいちゃん、おばあちゃんがおられる、あるいはご高齢の親御さんがおられる方、特に気をつけてあげてください!
遠方で普段からコミュニケーションをあまりとってこられなかった方に多いです。
気がつけば認知症になっていた、なんてよく耳にする話ですので。
介護保険還付金詐欺にあわない防護策4選
はたして詐欺に介護保険詐欺にあわないために私たちができることはあるのでしょうか?
できることはあります!次に紹介する4つの事を実践すれば詐欺にあう可能性をグッと下げてくれるでしょう。
電話を留守番電話設定にしておく
若い方は固定電話を持つ人の割合がかなり減ってきたと思います。しかし、高齢の方は固定電話はなじみが深く、今でも愛用されている人も多い印象です。
電話を「留守番電話設定」にしておくと、メッセージ機能がついています。詐欺の犯人は録音を非常に嫌がります。
また、留守電にすることにより、冷静になれる時間が生まれ、詐欺にあう確率も減るのです。
詐欺対策機能の電話にする
最近は詐欺対策機能のある電話があります。
先ほども言いましたが、犯人は録音を嫌がるのです。詐欺対策電話にすると「この音声を録音します」というアナウンスが流れます。
普通の電話機にも取り付けられるタイプもあり、安価で対策できる1つと言えそうです。
周りに相談する
電話がかかってきても1人で解決しようと先を急いではいけません。
犯人はあなたを焦らすような話で感情を揺さぶってきます。
そんなときはいったん電話を切ったり、受話器を耳元から離したりすることで冷静になります。
話は絶対に聞いてはいけません。
そして周りに伝えましょう。決して先走ってはいけません。
周囲に相談する人がいなければ直接警察へ相談しましょう。そのほうが話が早いです。
家族で普段からコミュニケーションをこまめにとる
普段から家族の間でコミュニケーションをしっかりとりましょう!これは1番大事な事です。
おじいちゃん、おばあちゃん、ご高齢の親御さんは自分で自分の身を守ることがもう困難になってしまっている方もおられるのではないでしょうか?
そのような方は詐欺にも簡単に引っかかってしまうリスクがあります。
普段からコミュニケーションがしっかりとれていることで
- 異変にすぐに気づくことができる
- 相談しやすく、されやすい環境づくりができる
- 思い出が増える
メリットばかりなので最初は照れくさがったり、面倒だなんて思わずに思い出づくりだと思って積極的にコミュニケーションをとって頂けたらなと思います!
専門家に相談
「介護保険料詐欺ではないか?」あるいは、「お金を渡してしまい、すでに騙されてしまったのではないか?」というときに頼りになるのが、消費者ホットラインです。
番号は、188ですので、いややと覚えてください。
電話すると消費生活センターに繋がりますので、どう対処すれば良いかを詳しく相談に乗って貰えます。
まとめ
詐欺は怖い存在です。一生懸命になって働いて貯めたお金を一瞬で奪っていくのですから、許すことなんてできないでしょう。
しかし、対策を知っておくことで冷静に行動できるようになります。
普段からのコミュニケーションが一番の防護策になるのは意外だったかもしれませんね。
しかし、コミュニケーションがしっかりとれている家族は意外に少ないです。
自分の親、おじいちゃんやおばあちゃんが大切で詐欺の被害から守りたいのであれば
その大切な気持ちで関わってあげることが一番の防護策になるということです。
この記事を読んで「最近、おばあちゃんと話してないな…」と思った方、ぜひ電話の一本でも入れてみてください!とっても喜ばれますよ。
お金をかけた対策もできますが、ぜひこまめにコミュニケーションをとって大切な自分の家族を守りましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。