在宅介護の悩みやストレスの原因は?相談場所やストレス解消法を紹介!

在宅介護の悩みやストレスの原因は?相談場所やストレス解消法を紹介!

介護は突然やってくるため、準備や必要なことも多いですが、事前の準備をしないまま始まってしまう場合が少なくありません。

 

親の介護が必要となった時、いざ在宅介護を始めてみると思いもよらないことばかりが起こり、心身ともに大変な負担がかかり悩みや不安が出てきます。

 

そのなかで最も多いのは「介護に疲れた」という悩みを、介護者全員抱えているので、負担を軽減するための方法を知っておくことは大事です。

 

ここでは、在宅介護をしている家族の方に向けて、在宅介護の悩みやストレスから、相談場所やストレスを軽減する方法をご紹介します。

 

在宅介護の悩みとは?

 

介護に関する悩みを抱えている人は非常に多いです。

 

では、具体的にどんな悩みを抱えているのか、代表的なケースを挙げてみます。

 

精神的に疲弊する

 

介護を始めると、本人に自分のした行為が伝わらなかったり、自分本位な言動に我慢できなくなるケースはとても多いです。

 

また、他の家族や親族が非協力的であったり、介護スタッフとの相性が合わずにトラブルになってしまうこともあります。

 

今まで関わりのなかった親族や、介護業界ではプロであるケアマネージャーや介護スタッフとの関わりによって、人との付き合いにより精神的に疲弊してしまいます。

 

身体的な疲れ

 

介護をしたことない方もご存知のことですが、介護は重労働で、毎日のように介護をしていると身体的な負担も大きいです。

 

例えば、起きる際に本人の身体を何度も持ち上げたり、お風呂を入れる時は全身使って介護をすることもあれば、夜中に排泄の介助で起こされたり、認知症を患っている場合だと夜中に徘徊するケースもあります。

 

毎日のように睡眠を妨害されることがあるため、身体への負担は非常にかかります。

 

認知症発症者の介護

 

認知症を患っている人は、支離滅裂なことを言ったり、攻撃的な態度をしてきたりと、本人の人格ではない症状を目の当たりにすることで、精神的な負担は計り知れません。

 

他にも、認知症になると見当識障害を発症することがあり、突然外へ徘徊するケースも見られたり、虫がいないのにたくさん飛んでいるという幻覚を見ることもあります。

 

一般的な介護よりも認知症の人の介護の方が、負担がとても大きく特に疲れやすいです。

 

経済的負担

 

本人の介護度が重くなるにつれ、介護することも増えるため介護離職される方も増え、収入が減少するため、貯蓄の切り崩しや本人の年金に介護費用を工面することで、費用面での不安も大きなストレスに繋がります。

 

また、介護に必要な紙おむつや防水シーツ、介護食品などの介護用品を購入することで、費用がかかってしまいます。

 

そのときは、専門の相談窓口や社会福祉協議会などの機関に相談したり、自治体によっては、助成金がもらえたり、介護保険が利用できたりと費用を抑えることもできますので、有効活用しましょう。

 

家族の介護がストレスとなる原因とは?

 

「自分の両親や親族は、自分が介護しないといけない」という思い込みから、介護によるストレスを蓄積している人も少なくありません。

 

介護ストレスの原因を自ら理解し、解消するための方法を紐解いてみました。

自分がしなければならないという思い込み

 

介護度が上がれば上がるほど、介護への時間がほとんど終日になる割合が多くなり、朝から晩までほとんど付きっきりのため、自分の時間がなく休める時間は本当にありません。

 

そんな介護者の方のための「レスパイトケア」があります。

 

レスパイトケアとは、家族の介護で休めない介護者の方が、本人を短期間施設に入所させるショートステイを利用し、心身を休めたい時に利用してほしいサービスです。

 

他にも、このような介護保険サービスがありますので、活用しましょう。

職場に相談出来ない

 

介護をしながらも仕事で何らかの対策をしていない人が、何と全体の約7割もいるというデータがあり、その7割の方が仕事を調整しないまま介護をしようとしていることも分かっています。

 

介護と仕事を両立するためには、職場に理解を得て介護へのストレスを軽減することが重要です。

介護ストレスによる問題とは?

 

介護されている方のストレスが蓄積することによって、どんな問題が起こるのかをあげていきます。

 

親や家族である介護者に対する虐待

 

実は、ここ10年ほどで介護者による高齢者への虐待が増加しています。

 

高齢者への虐待は暴力だけでなく、暴言を吐いたり、お金を渡さずに介護者が使う経済的虐待もあります。

 

介護者が虐待していると気付かない人もいれば、高齢者が虐待をされていても我慢している人もいるため、虐待に対する意識の向上がとても大切です。

 

また、虐待を起こさないようにするためには、介護者のストレスを軽減し、適切なサポートも必要です。

介護うつ

 

介護者は日々の介護をしていく中で、慢性的な不眠に陥ったり、疲労感でいっぱいになってしまう上に、介護に専念することによって家から出られず気分が落ち込み、ストレスからうつ状態に陥っていきます。

 

介護うつとなってしまうと、自分の生活すら成り立たず、健康管理にも影響を受け、体調を崩し介護が困難になってしまうことで、介護が継続できなくなってしまいます。

 

介護者は、無理に頑張りすぎず、自身の健康維持にも気をつけながら、レスパイトケアなどのサポートを受けることが必要です。

 

介護疲れを軽減するためには?

 

これまで、介護疲れによるさまざまな原因を取り上げてきました。

 

本職の介護職員でも、心身的な疲労が蓄積し介護疲れが出てきます。

 

家族や親族を見ている介護者の方ならなおさら、自分一人だけが、頑張らなければいけないと要介護者の介護をしてきても、限界があります。

 

そんな介護者の方に、介護疲れやストレスが軽減するために受けられるサービスをご紹介。

 

介護サービスの種類や特徴などについては、こちらの記事も参考にしてください。

参考:在宅介護サービスの種類・特徴を紹介!介護者の負担を軽くする方法は?

介護保険サービス

 

在宅介護をしながらでも、介護保険サービスを利用することができますので、上手に活用すれば、介護者の負担もだいぶ軽減されます。

 

例えば訪問介護は、食事介助から排泄介助、入浴介助などをしてくれたり、訪問入浴は自宅の浴槽に入ることが困難な方のために、要介護者の移乗から着替え、洗髪・洗身などをしてもらえます。

 

他にも、自宅と施設への送迎のあるデイサービスやショートステイを利用し、介護者が休息するレスパイトとして活用すると、心身を休ませ負担も軽減します。

 

また、担当のケアマネージャーと相談すれば、自己負担額を考慮してケアプランを作ってもらえるので、経済的負担もありません。

 

 

介護保険外サービス

 

介護保険外サービスとは、社会福祉法人やNPO法人などで行っています。

 

サービスはすべて実費ですので、経済的負担がありますが、介護保険サービスでは受けられないサービスをしてくれます。

 

例えば、要介護者に同居家族がいる場合、保険サービスだと要介護者へのサービスのみとなりますが、保険外サービスは同居家族も受けられたり、旅行やお墓参りの付き添いなどの援助が受けられます。

 

他にも、配食サービスや安否確認などさまざまな保険外サービスがあります。

 

保険外サービスを受けたい場合、ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談をし、どんなサービスがあるのか、予算はどのくらい必要なのか相談ができます。

 

ケアマネージャーや地域包括支援センター

 

地域包括支援センターは、高額介護サービス費や高額医療合算介護サービス、高額医療費などの費用負担緩和制度などについて、相談することができます。

 

また、ケアマネージャーは介護のプロなので、介護者の率直な悩みも相談でき、解決策を考えてくれます。

主治医に相談する

 

高齢者を在宅介護でみる場合、要介護者の健康面だけでなく、介護に関する日常的な悩みを主治医に相談することもできます。

 

かかりつけの主治医と担当のケアマネージャーは、介護保険サービスに関して連携を取っているため、ケアマネージャーは定期的に主治医と面談し、介護・医療機関の情報収集をし、ケアプランを作成しています。

介護者の会などを利用する

介護者の会とは、家族の介護を行っている人たちが集まり、交流を行っている会のことです。

 

在宅介護をしていると、どうしても孤立してしまい、悩みやストレスが溜まっても、なかなか解消することはできません。

 

そんな時は、同じように介護で悩みなどを抱えている、「介護者の会」で集まった人たちから悩み相談やアドバイスがもらえます。

 

相談相手を作る

 

何か悩みができた時は、先程の「介護の会」を利用する他にもすぐに相談できる相手を作ることも一つです。

 

介護に関する悩みやストレスは、介護の専門的な知識を持つ人や介護経験がある人に相談するのこともおすすめです。

 

介護のプロであるケアマネージャーは、守秘義務がありますので介護に関する相談に適しています。

 

また、認知症者を介護をしている場合は、専門でもある主治医に相談してもいいでしょう。

介護スキルを向上させる

 

介護を始めたばかりのときは、介護のスキルがまだ身についていないため、上手くできずにストレスを感じてしまう方は、少なくありません。

 

各自治体では、介護家族のための介護教室を開催していることもありますので、必要最低限のスキルを身につけ、ご自身の体の負担を軽減することにもなります。

 

在宅介護中にストレスを感じたら?

 

色んな場所で、ストレスを発散するための場所や相談相手もいますが、介護中に突発的にイライラしたときに、簡単に実践できすぐに効果が出るような解消法をご紹介します。

 

心の中で6秒間カウントする

 

「アンガーマネジメント」という自分の怒りをコントロールするもので、イライラしたときに、心の中で6秒カウントする方法です。

 

人の怒りは、脳が反応するまでに6秒ほどかかると言われていて、この6秒間怒りを我慢すれば、実際に怒りの感情は治まると言われています。

 

また、6秒間カウントと同時に深呼吸をするのも、怒りを抑える効果があります。

 

その場から一旦離れる

 

要介護者や家族だけでなく、ヘルパーさんなどにイライラした時は、同じ部屋にいるとイライラが続きます。

 

まずは、自分の気持ちを切り替えるために、一旦その場から離れるといいでしょう。

 

気分転換をする

 

外出が難しいときに、家でもできる趣味や好きなことで気分転換をしてみるのもおすすめです。

 

隙間時間や短い時間でも、気持ちを落ち着かせることができます。

 

例えば好きな香りのアロマを焚きながら体を休めたり、おいしいものを食べたり、テレビを観るなど、気分転換する方法もあります。

 

まとめ

在宅介護をされている方が、抱えるストレスの原因や解消方法などをご紹介しました。

 

多くの方は、先の見えない介護を一人でされているため、孤立感から心身共に疲労してしまいます。

 

介護は一人でできることではありません、周りの人たちのサポートも大切です。

 

介護うつとなる前に、介護の役割分担を考え直したり、介護保険を上手く活用し、休息を取り介護ストレスを軽減しましょう。

 

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