介護施設を退職するのは大変

介護施設を退職するのは大変

介護施設は離職するのも大変

3月といえば卒業の時期ですよね。
そして4月は入学式でもあり、高校や大学を卒業して社会に出て仕事をする人もいますよね。

大学生活などで得た知識や自分の培ったスキルを活かして仕事に就く人や、やりたい仕事や興味を持った仕事の就職先に入社するかたが多いのではないでしょうか。

そうした仕事の職種の中には、不動産屋や広告代理店や建築系など多種多様な仕事があります。

その中でも、“介護業界”を選んで就職をして有料老人ホームや特別養護老人ホームといった入所系といわれる施設で、入居者の支援に関わる仕事に就くことを選ぶかたもいらっしゃいます。

4月は、はじまりを迎える時期でもあります。既に就職をされているかたは、転職を考えたり、年度はじまりの一歩として転職をするかたもいらっしゃいます。
実際に、介護業界でも転職されるかたが多くいます。私が調べたところ、新規施設は3年で50%の職員が入れ替わるというデータもあります。
ですから、介護業界というのは転職者が多い業界といえます。私自身も3回の転職を経験しております。

今回は、この介護業界における『転職』事情に関して記事を書きます。

介護業界では、転職先を見つけることは比較的簡単だと思います。

それくらい、老人ホームなどの介護施設やデイサービス、ショートステイや看護小規模居宅介護などの介護に携わる仕事先が多く、どこも人手が足りていないという状態があるからです。

とくに、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県といった一都三県や都心部に関しては、人手が足りないという情報を多く耳にします。

ただし、いま働いている仕事を辞めることには非常に労力が必要です。
それくらい、介護施設などの介護業界で働いているかたは、辞めることに関してなかなかすんなりと辞めさせてもらえない介護施設などもあります。

そしてそれが常態化してしまっている介護施設もあります。

今回は、実際に転職を経験している介護職員の経験者で、仕事を辞める際に大変な労力を費やした方の数名の実体験をもとに、どれだけ介護業界では転職するのが大変かを記載したいと思います。

介護施設を退職する流れ

さて、みなさんは「転職をしよう」と思うときには、きっかけになる出来事や、自分の体の状態で転職することを決意したり、こうした何かしらのきっかけをもとに転職をしようと思い立つのではないでしょうか。

そして、「転職しよう」と決めて、時期を見計らって退職届を上司に渡す前に、上司に退職の意思を伝えて相談をするという行動に出るでしょう。

その後、話し合いを1回以上したあとに退職届を提出する手順となり、引き継ぎスケジュールを決めていき、退職にいたっていくという流れになるかと思います。

この流れは、介護施設で働いている介護職員も例外ではありません。
どこの会社に入職したとしても、転職を考え、実際に退職に至る流れに関しては共通するところです。

この流れが他業種では、すんなりといく会社もあれば、すぐに辞めさせてもらえない会社もあると思います。

介護業界においては、ほとんどのケースでは後者だと私は思っています。
もちろん、法人の考え方などによっても変わりますから、すべての介護施設の運営会社が後者だとは思っていません。
ただし、なかなか辞めさせないことを常態化している介護施設も事実です。
常態化しているのは、介護施設における“環境”が関わっていると思います。

介護施設が退職できない環境、退職しづらい環境

介護施設といっても、介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームといった有料老人ホームと言われる施設もあれば、特別養護老人ホームなどの施設もあります。

たとえば、介護付き有料老人ホームと言われる施設であれば、常勤換算という方法を用いています。

簡単に言ってしまえば、入居者とスタッフの割合が『3:1』の割合で入居者が3名いる場合は、その入居者3人に対して1人はスタッフを配置していないといけないというルールが決まっています。

こうした介護施設における基準は、建物にも基準を課しています。
他にも、人員や研修内容なども介護保険法で決められています。

その介護保険法によって、介護施設はこのように運営しないといけないという決まりごとの中に、管理者は常勤で1名を配置しないといけない。相談員は1名を配置しないといけないなどの規定があります。

ある一定の条件下では、役職を兼務されている方もいます。

このように、介護施設で1名しかいない役職者が辞めるときは、早めに募集をかけて採用するか、現在の職員のなかから役職変更などをしないといけません。

こうした介護施設の都合で、介護施設の人員基準の『3:1』という介護施設特有の“環境”の基準を割ってしまうなどの理由により、退職を希望したスタッフがいたとしても簡単に辞めさせるわけにはいかなくなります。

逆を言えば、まだまだ介護をひとりでおこなう力が未熟な職員や、介護をする仕事には向いていないと思われる入居者からクレームが多い職員がいたとしても、介護施設としては簡単に辞めさせられないという事情におちいっている介護施設もあったりします。

よって、こうした理由により、職員が『退職しづらい』という状況が起こりえる環境が介護業界にはそもそも存在しています。
このことも『退職させてもらえない』という事態におちいるケースの一因です。

実際、上司(施設長)も、あの手この手で退職日を延期したり「次の人が見つかるまで待ってもらえないか」などの介護施設の都合で退職を先延ばしにしたり、なかなか簡単に退職をさせないという状況を作り出す介護施設も出てきてしまうのです。

それでは、

  • 退職までの流れ
  • 介護施設における環境

を踏まえたうえで、実際になかなか退職をさせてもらえなかった経験者の経験談を記載します。

Aさんの事例

東京都にある社会福祉法人が運営する介護施設で働いているAさんの話です。

12月に退職希望を施設長に伝えたAさんは、5月末で退職する意向を伝えたのがはじまりでした。

その時の施設長の返答は「もう1日考え直してみて。」という返答でした。
翌日、再度Aさんは施設長に退職する旨を伝えました。

上司の返答は「もう少し考えてみて。また教えて。」というかたちであいまいな返事をされました。

たいていの場合は、その日あるいは翌日に時間をとって施設長がAさんと面談するのが通常ではないでしょうか。

この社会福祉法人では、その機能がなかったのでしょう。
その後、再再度、Aさんから上司へ5月末で退職することを伝えましたが、あまり取り合ってもらえずに終わりました。

そうして2月になり、施設長からAさんへ「退職の話はどう?」と話があり、再再再度、5月末で退職する旨を伝えていることを伝えましたが、「考え直してもらえないか。」などの話があり、了承がもらえませんでした。

その後、ようやく4月のはじめに施設長が落ち着いて話を聞いてもらえる場を設けて、「5月の退職は無理。来年の4月とか5月とか7月にならないかな。」と言ってきたそうです。

結局、その場の話し合いも5月末までの退職を聞き入れてもらえずに、「いやいやいやいや、そんな急には辞めさせられないよ。」と、一方的な施設長の希望の話を述べて終わったそうです。
そもそも5月末で退職すると4か月前に伝えたにも関わらず、話し合いを持ったのが4月になり、ずさんな対応としか言いようがないと私は思います。

こうした退職を制限することは、そもそもあってはならないです。
こういった介護施設があるから介護業界はブラックだと言われる原因の一つだと私は感じました。

結局、4月30日時点でも、まだ5月末日に退職できるのか明確な返答もなく、退職をさせてもらえない状態に陥っているそうです。

このAさんはケアマネージャーという役職のため、介護施設では常勤で1名配置しなければならないが、辞めると配置できないという問題と適材適所の人間がこちらの社会福祉法人にいなかったのかもしれません。
あるいは、この介護施設の機能の問題ということも考えられるかもしれません。

おそらく、後者でしょう。
私であれば、このような介護施設はあまりお勧めしたくない施設ということになります。

Bさんの事例

Bさんは東京都にある介護施設で働いている介護職員です。

介護職員という仕事ですから、介護施設に人員がいないと入居者をケアする人員が減るため、介護力に問題が生じるのはもちろんですが人員配置基準に問題が発生します。

こうした問題は、介護施設側は常に抱えています。

さて、Bさんが施設長に対して、退職希望の話を退職希望日の1か月前に伝えると、「あと1~2ヶ月は延ばしてほしい。それまでに人員を補充するので待ってほしい。」という返答があったそうです。

上記事例のAさんの施設長とは違い、しっかりとした対応をしてくれたそうです。

Bさんとしても、「いま自分が施設をやめてしまうと、人員がいないから、辞めることができないのも理解できるので、わかりました。」と返答し、1か月延ばしたそうです。

このように、退職を先延ばしにすると介護職員のかたで心の優しい持ち主のかたは、そこにつけこむ施設長などもおり、結局なかなか退職させてもらえないということに陥ってしまう場合があります。

Bさんは「入居者に迷惑をかける可能性が高いので、もう少し人員が補充されてから辞めよう。」など気の優しいことを考えてしまい、介護施設での職員の採用は大変なので、ずるずると、「もう1か月、もう1か月」と言われるがまま退職時期を延ばされてしまったそうです。

退職するときに、入居者のことや残された施設のことを考えると辞めづらくなりますが、そういったことが起きるくらい、介護職の人員がどこも足りていないことが多く、ぎりぎりの人員配置で施設を運営している施設もあるのが現状です。

AさんとBさんの事例のように、介護業界では、退職をするというのは労力がかかることが多く、強い気持ちで挑まないと退職を希望通りさせてもらえない介護施設は多くあると私は思います。

みなさんは、こうした介護施設に入居したいと思いますか?

なかなか退職をさせてもらえず、職員のモチベーションが下がると思いませんか?

そんな職員に介護をしてもらいたいと思いますか?

ギリギリの職員人数しかいない介護施設に入居したいですか?

私ならそうした情報は、はじめに知っておきたいです。

なぜなら、大事な親が入居する介護施設であれば、安全で安心した介護施設であってほしいと願うからです。みなさんはいかがでしょうか?

さいごに

『地域介護相談センター 近所のよしみ』では、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県を中心に有料老人ホームを紹介している紹介会社を西東京市に拠点を構えて運営しております。

西東京市から近い三鷹市、武蔵野市、練馬区、調布市でも弊社のスタッフが日々、情報集めに奮闘しています。
みなさんに失敗しない有料老人ホームに導くためのお手伝いをしているので、介護施設のことを細かく研究したり情報収集をしています。

実際、1人のスタッフが月250件の介護施設や居宅介護支援事業所や病院や地域包括支援センターをまわって情報収集することもあります。

有料老人ホームを探すことがありましたら、『地域介護相談センター 近所のよしみ』にご連絡ください。有料老人ホーム探しで困っているかたの助けになります。

 

※この記事・作品(漫画・物語)は相談者のプライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。尚、登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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『地域介護相談センター 近所のよしみ』であれば、福祉・介護の国家資格取得者が全ての案件を監修し、3年以上介護施設で働いていたスタッフが9割以上も在籍しているから、信頼と実績のおけるプロフェッショナル集団です。ベストな老人ホームを提案してくれます!

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