イジメ虐待はあるのか?老人ホームにおける不信感の背後

イジメ虐待はあるのか?老人ホームにおける不信感の背後

老人ホームに入居してから、徐々に、或いは一気に募ってくる不信感。

それは、入居者自身だけではなく、その家族の場合もあります。

しっかり下調べして、情報収集して臨んだはずなのに、なぜ? …そんな気持ちの背後にあるものを解説します。

施設入居を決断する前に決めておきたいこと

多くの施設生活者の本音は、「ウチに帰りたい」です。

家族・親族がお世話するのは不可能なのか、訪問介護ではまかないきれないのか。

本人とその家族・親族があとで後悔しないよう、入居以前の段階を、まずはしっかり固めておく必要があります。

在宅介護の可能性は残されていないのか

家族介護はすでに限界に達した、と言えるぐらい、打てる手はすべて打ったのでしょうか。できることはすべてやったのでしょうか。

まるで親を厄介払いしたかのような罪悪感に苛まれないためにも、まずは頭の中を整理しておきましょう。

本人の健康状態は、施設生活に耐えられるものか

体の状態によっては、老人ホームではなく、リハビリ型医療施設などの方が適している場合があります。

老人ホームというのは、いわば、自宅と医療機関の中間点みたいなものです。

必要なのは医療か、それとも介護か。ここもはっきりさせておきましょう。

施設選びの重要点

施設というのは、入居者にとっては、<新居>と同じです

ウチを選ぶ際に検討すべきことの、ほぼすべてが、施設の場合にも当てはまると考えてください。

とりわけ重要なのは、以下の五点です。

費用は予算内におさまるか

家を買うとき、価格を気にしない人はいないでしょう。

施設の場合、初期費用としての入居料(有料老人ホームなど)、月々の利用料の他に、オムツ、尿もれパッド等の衛生資材の使用量を実費請求される場合も少なくありません。

これは入居前に予測を立てるのが難しい予算です。

職員の人員配置はどうか

どの施設にも共通するのが、「入居者3人:介護職員1人」という、3:1の人員配置です。でも実際にはそうなっていない施設もあります。

筆者がかつて働いていた老人保健施設では、利用者48名に対して介護職員3人の日もあり、ちょっとした世間話すら不可能なほどの忙しさでした。

仕事に余裕がなければ、介護の態度も荒れていきます。

それが積み重なって事故や事件につながることもありますし、そこまでではなくとも、施設内の空気を重いものにしてゆくでしょう。

その法人の経営姿勢・方針はどんなものか

施設を運営するのが株式会社の場合、まずは厳しい予算編成があり、それに従って現場が組み立てられます。

その過程で、切り捨てられるものが出てくるかもしれません。

次の項目にかかわることですが、中には入居者にとっていちばん楽しみな食事の水準を落として経費削減した例なども見られます。

入居者本位の原則がどこまで守られているか、体験入居などを通して調べておきたいものです。

食事の内容はどうか(つまり、おいしいのか)

食事は誰でも楽しみなものです。

神奈川県内のある有料老人ホームは、1000万円の入居料をいただいていながら、月々の利用料10万そこそこの特養とほとんど変わらない食事の内容で、入居者から猛烈に不満をぶつけられていると聞きます。

そのため、職員に外で買い物してきてもらい、自分の好きなものを食べて不満を解消しようとしています。これも余分な経費ですね。

施設の立地は適切か

施設の場所があまり遠すぎたり、不便な位置にあったりすると、どうしても、面会の足が遠のいてしまうでしょう。

とりわけ、入居後しばらくは寂しいものですから、足しげく通うにふさわしい立地であることが望ましいです。

入居後に発生する問題点について

一般的な転居の場合と同じく、住んでみないとわからない、という点は老人ホームにもあります。

特に、さまざまな健康状態の方々が集まっていて、家庭の事情もそれぞれ違いますから、(こんなはずでは…)と思ってしまうこともあるでしょう。

他入居者との関係

部屋は個室でも、食事は他の入居者といっしょに食堂で食べるのが原則だと思います。

この場合、誰がそばにいるかによって、食事の楽しさが変わってしまうことがあります。

例えば隣が中程度に認知症を患っていれば、異食・盗食などが起こることも考えられます。

そこまでではなくとも、単に性格の不一致とか、なんとなく嫌だ等々、なんせ他人同士ですから、お互いに気遣いが必要となります。

職員の態度

慢性的な人材不足が叫ばれて久しい業界ですから、なかには、書類選考だけで採用してしまう施設もあるようです。

暴力は論外ですが、暴言や荒れた言動が見られることもあり、やるべきことをやらない手抜き職員などもいますから、体験入所などでよく見て、その場の空気を感じることが大切ですね。

退屈な日常

自宅よりつまらない暮らしになるのは、ある程度は覚悟のうえでなければならないでしょう。

それにしても、あまりに退屈で、ただ食事時間を待つだけ、ということもあります。

趣味のある人は、居室内でできる何かを可能な限り持ち込んで、時間を有効に使えるよう工夫しましょう。

設備上の問題点

筆者が経験したことで、一つだけ気になる点があるのでご紹介しておきます。それは、冷暖房のことです。

古い建物の場合、一か所で空調を管理していて、そこを操作しない限り、冷房⇔暖房 の切り替えがきかないという不便なところがありました。

とくに昨今は異常気象が当たり前みたいになっていますから、盛夏に寒くなったり、冬に20度以上になったり、ということも珍しくないでしょう。

こんなとき、一括操作の建物だと、暑さ・寒さを我慢しなければならないときがあるのですね。

例外的な注意点ではありますが、できれば事前に調べておきたいものです。

不信感の解消をどうするか

募る一方の不信感。これをそのままにしておくと、施設暮らしはどんどんつまらないものになります。

どうすれば解消または軽減されるのか、その方法は以下の三点となるでしょう。

まずは家族に現状を訴える

面会に来た家族に、包み隠さずすべて話しましょう。そして、家族から施設側に伝えてもらいます。

施設の責任者に直接訴える

大きな施設なら、各階の主任・フロア長など、グループホームのようなこじんまりしたところであれば、ホーム長にじかに言うべきでしょう。

…以上の(1)(2)で改善が見られない場合、

公的機関に相談する

もっとも一般的なのが、地域包括支援センターでしょう。

ここにはさまざまな職種のプロがいますから、いろんなケースを知っています。相談にのってくれるでしょう。

また、それでも解決しないならば、国保連(国民健康保険団体連合会)に訴え出るという手もあります。が、施設のことはその施設内で解決するのがいちばんいいと思います。

第三者が入るべきなのは、例えば事故などの場合ですね。暮らしの上での問題点であれば、当該施設にぶつけた方が、改善も早いです。

一度発生した人間関係のトラブルや抱いた不信感はなかなか解消することは難しいことです。施設を変えるべきかどうかお悩みの方は次は失敗するリスクを下げるためにまずは施設探しのプロに相談しましょう。福祉・介護の国家資格取得者が全ての案件を監修している地域介護相談センター 近所のよしみまでまずは0120-110-512まで無料相談してみてください。

まとめ

発生した問題には対処しなければなりませんが、まずは事前準備の段階で、それらを防ぎたいものです。

体験入居や、実際に入居した方の家族に聞いてみる、さりげなく職員のホンネを探ってみる等々、契約前にできることはたくさんあります。

まずはしっかり情報収集して、入居者・家族双方にとって悔いのない施設生活を実現できるようにしてください。

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