
そんな不安を、ひとりで抱えていませんか?保証人がいない。年金だけの収入。頼れる人も近くにいない。それでも、あなたが安心して暮らせる家を見つける方法は、ちゃんとあります。
この記事では、宅建士の立場から「高齢者が家を借りられない」とされる理由と、その悩みの解決策を、わかりやすくご紹介します。この文章を読んでくださっている、あなたにもきっとできることがあります。
どうか一人で悩まず、「自分にも住める場所がある」と信じて、読み進めてみてくださいね。
高齢者が家を借りるときに感じる心配と、その解決方法
ここでは、高齢の方が「家を借りるのがむずかしいな…」と感じる4つの理由について、それぞれにどうすればいいか、お話します。
保証人がいないときはどうする?
家を借りるとき、保証人という人がいないとダメだと思っていませんか?でも、大丈夫!家賃保証会社という仕組みがあるんです。
保証人とはあなたが家賃を払えなくなったときに、かわりに払ってくれる会社が家賃保証会社です。
最近では、家賃保証会社といっしょに契約すると、保証人がいなくても借りられる家が増えてきました。
また、「急に何かあったときに連絡する人」として、ケアマネジャーさんや友だち、地域の人を登録できます。

お金の信用がなくて心配なときは?

不安に思う方もいるでしょう。実は年金は毎月ちゃんともらえる安定したお金として評価されます。
ちゃんと家賃を払えるという安心感を、相手にわかりやすく伝えるのが大切です。
- 年金をもらっている証明書
- 銀行の通帳
- 毎月の出入りのお金を書いたメモ
こういったものを見せれば、安心してもらいやすくなります。
また、さきほど解説した家賃保証会社を使えば、さらに安心してもらえますよ。

ひとりで暮らしていて、病気や認知症が心配なときは?


こんな不安をもっているのは、あなただけではありません。実は、家を貸す人も一人暮らしの高齢の方に対して、同じように心配しています。
そんなときには、見守りサービスを使ったり、介護のサービスを使っていることを伝えるといいですよ。
- 定期的に人が来てくれるサービス 例)介護保険サービスや見守りサービス
- 緊急時に連絡が取れるしくみ 例)身元保証サービス
こういったものがあると、家を貸す人も安心します。

身元引受人がいないときは?
身元引受人とは、もしものときに責任を持って対応してくれる人です。
この人がいないと、家を貸してもらえないケースがあります。でも、大丈夫。最近では、身元保証サービスという仕組みがあります。
身元保証サービスはNPO法人や社団法人という団体が行っていて、病院の手続きや、亡くなったときのことまで手伝ってくれるんです。
また、『居住支援法人』という、地域でお手伝いしてくれる団体もあります。

まずはだれかに相談してみましょう

自分だけでがんばっていませんか?でも、家を借りることは、一人で悩まなくても大丈夫なんです。だれかに話してみることが、いちばんの近道になります。
ここでは、相談しやすくて、力になってくれる3つの場所をご紹介します。
- 不動産会社
- 居住支援法人
- 自治体

まずは不動産会社に行ってみましょう!
最初に行ってみてほしいのは、地域の不動産会社です。
最近は、家賃保証会社を使って、高齢の方でも保証人がいなくても家を借りられるところが増えています。
家賃保証会社とは
あなたが家賃を払えなくなったときに、代わりに払ってくれる会社です。家を貸す人も「安心して貸せるな」と思えるんですね。

それでもむずかしいときは居住支援法人へ
もし、「不動産会社ではむずかしい…」「家賃保証会社も使えない…」という場合は、居住支援法人に相談してみてください。
居住支援法人とは
国から認められた住むところで困っている人を助けてくれる団体です。
高齢の方向けの家を紹介してくれたり、契約の手続きを手伝ってくれたり、住んでからもいろいろサポートしてくれます。
また、サービス付き高齢者向け住宅という、見守りがある安心な家を紹介してもらえることもあります。

それでもダメなら自治体に相談しよう!

そんなときは、自治体に行ってみましょう。自治体には、『家に困っている人』を助けるための制度がいろいろあります。
- 家賃の一部を出してくれる制度
- 急に家がなくなったときに入れる家
- 一時的にお金をサポートしてくれる制度
また、地域の社会福祉協議会や居住支援法人といっしょに、住まい探しを手伝ってくれる場合もあります。

支援のサービスを使えばもっと安心!わかりやすい選び方と実例
『制度』って聞くと、むずかしそうに感じるかもしれません。でも大丈夫。ここで紹介するのは、高齢の方が安心して家を見つけられるように手伝ってくれる、とても頼りになる仕組みです。
ひとりでがんばろうとせずに、こうしたサービスをうまく使えば、「自分でも住める場所があるんだ!」と安心できますよ。
家賃保証会社ってなに?
家を借りるとき、保証人がいないとむずかしいケースがあります。でも、家賃保証会社という仕組みを使えば、保証人がいなくても家を借りられるケースが多くなっています。
家賃保証会社は、もしあなたが家賃を払えなくなったときに、代わりに大家さんにお金を払ってくれます。
ただし、会社によってサービスの内容や条件がちがうので、不動産屋さんによく確認してから決めることが大事です。

身元保証サービスってなに?


そんな心配をしている方に、ぜひ知ってほしいのが「身元保証サービス」です。
これは、NPO法人や社団法人といった団体が行っているサポートで、病院に付きそってくれたり、手術のときに同意してくれたり、亡くなったあとの手続きまでしてくれることもあります。
お金は団体によってちがいますが、生活や病院、介護のことまで広く助けてくれるので、頼れる家族がいない人にはとても心強いです。また、自治体といっしょに活動している団体もあるので、安心して相談できます。
サービスの内容や料金は、団体によってちがいます。中には、しっかり対応してくれないところもあるので気をつけましょう。
不安を一人でかかえこまず、こうしたサービスを“家族の代わり”として考えてみるのも、安心して暮らすための大切な一歩です。
居住支援法人ってなに?

困ったときは、居住支援法人に相談すると安心です。
居住支援法人は、国や市から「人のくらしを手伝ってあげてください」と言われている、サポートチームです。居住支援法人はいろいろなサポートをしてくれます。
- あなたに合った家を、いっしょに探してくれる
- 家を借りるときのむずかしい手続きも、わかりやすく説明してくれる
- 住みはじめてからも相談にのってくれる

高齢者がスムーズに家を借りるための4つのコツ


そう思って、なかなか住まい探しにふみ出せない高齢者の方もたくさんいます。でも、少しの工夫と準備で、家を借りる手続きはぐっとスムーズになりますよ。ここでは、信頼される4つのコツをご紹介します。

自分の希望よりも「借りやすさ」を大切にしよう
「駅に近い」「広い」「新しい家」など、住みたい家の希望は誰にでもありますよね。しかし、高齢者になると、年齢や収入のことで、借りられる家が限られることもあります。
まずは、「高齢者歓迎」「シニア向け」「保証会社が使える」などの条件で家を探してみましょう。
最初の目標は入居できる家を見つけること。そこから少しずつ、自分の希望に近づけていく流れが大切です。
見守りサービスで「安心できる人」と伝えよう
ひとり暮らしの高齢者は、家を貸す側にとって少し不安に感じる場合があります。たとえば、「もし倒れてしまったらどうしよう」「認知症が進んだら困るな」と思われてしまう可能性があるのです。
そこで役立つのが「見守りサービス」です。定期的に様子を見に来てくれるサービスや、センサーで何かあったときに知らせてくれる仕組みなどがあると、貸す側の安心感がぐんと高まります。

信頼できるケアマネジャーといっしょに動こう
住まい探しをひとりで進めるのは、体も心もとても大変なことです。
だからこそ、信頼できる人と「チーム」で動くことをおすすめします。もし介護保険を使っているなら、あなたの状況をよくわかっているケアマネジャーが、家をいっしょに探してくれたり、交渉を手伝ってくれたりすることがあります。
介護保険を使って、役立つサービスが受けられることもありますよ。誰かといっしょに動くことで気持ちが楽になるだけでなく、大家さんにも安心してもらえるようになります。
書類はていねいに、わかりやすく整えよう
見落としがちですが、とても大切なのが「書類の準備」です。文字が雑だったり、書きもらしがあると、「この人は認知機能に不安があるのでは?」と心配されてしまうことがあります。
- できるだけていねいに書く
- 書類はコピーをとっておく
- わからないことはそのままにせず、しっかり聞く
これだけで、相手からの信頼をぐっと高めることができます。丁寧さや真面目さは、書類からもしっかり伝わります。

いますぐできる!たよれる相談先の見つけ方ガイド
「このサポート、わたしも使えるかも」と思っても、「どこに聞けばいいの?」とわからずに困ってしまうこと、ありますよね。
ここでは、「どこに・どうやって・何を聞けばいいか」を、わかりやすくまとめました。
ちょっと行動するだけで、あなたを助けてくれる人がすぐ近くに見つかります。
気になったところからで大丈夫。ゆっくりでいいので、動いてみましょう!

市や町の役所で住宅のサポートを知りたいとき
まずは、自分が住んでいる市役所や町役場の「住宅の担当」や「福祉の担当」に相談してみましょう。
そこでは、家賃を助けてくれる制度や、住まいに関するサポートの情報を教えてくれます。
相談のしかた
- 市役所や町役場に電話する
- 直接行って話を聞く
- インターネットで「住宅支援 〇〇市」と検索して調べる
居住支援法人に相談したいとき
『居住支援法人』は、家を探すのを助けてくれるプロの団体です。高齢の方の相談にも慣れていて、家を見つけたあともサポートしてくれます。
探し方
- 市役所や町役場に電話するか、直接行って聞いてみる
- インターネットで「〇〇県 居住支援法人」と調べてみる
見守りサービスを使いたいとき
ひとり暮らしが心配なときは、「見守りサービス」を使うのもひとつの方法です。これは、何かあったときにすぐ気づいてくれるしくみで、いろいろな会社や市のサービスがあります。
相談できるところ
- ケアマネジャー(介護を使っている人は担当者がいます)
- 市や町の高齢者向けの相談窓口
- 地域の包括支援センター
- 民間の会社(たとえばセコム、ALSOK、郵便のサービスなど)
- インターネットで「高齢者 見守りサービス 〇〇市」と検索
身元保証サービスを使いたいとき
身元保証サービスは、家を借りるときだけでなく、病院の手続きや亡くなったあとのことまで、しっかり助けてくれるサービスです。
探し方
- 市役所や地域包括支援センター、ケアマネジャーに紹介してもらう
- インターネットで「身元保証サービス 高齢者 〇〇市」で調べてみる
注意:お金がかかることもあり、すべてのサービスがあるわけではないので、内容をよく聞いてから使いましょう。
家賃保証会社について知りたいとき
「保証人がいないけど、家を借りたい」と思ったときは、不動産屋さんに「家賃保証会社を使いたい」と伝えてみましょう。
相談のしかた
- 不動産屋さんに「保証人がいなくても借りられる家はありますか?」と聞いてみる
- どんな家賃保証会社があるか、どんな条件や費用があるかを確認する
家によっては、決まった保証会社を使うことがあります。だから、不動産屋さんといっしょにしっかり相談しながら進めるのが安心です。
まとめ
「もう高齢だから、家を借りるのはむずかしいかも…」そう思って、あきらめそうになっていませんか?
でも、今の時代は、高齢の方でも安心して住まいを見つけられる仕組みが整ってきています。大事なのは、ひとりで悩まず「誰かに相談してみること」です。
ここで紹介したポイントを、ふり返ってみましょう。
- 保証人がいなくても借りられる仕組みがある
- 年金だけの収入でも大丈夫なことが多い
- 見守りサービスで、安心して住めることを伝えられる
- 身元保証サービスで「もしものとき」も安心できる
- 困ったときは、居住支援法人に相談してみよう
- まずは、不動産会社で話を聞いてもらおう
- ケアマネさんや役所も力になってくれる
住む場所があるのは、心のよりどころになります。
どうか、あきらめずに、安心できる新しい一歩をふみ出してくださいね。