関節炎とは?更年期障害との関係や自宅で簡単にできる予防法と治療法を柔道整復師教員が解説

関節炎とは?更年期障害との関係や自宅で簡単にできる予防法と治療法を柔道整復師教員が解説

手首、膝、股関節など、関節の痛みにお悩みの方はいませんか?または身近で関節の痛みに悩まされている方はいませんか?

今回は介護施設や整形外科、整骨院などで勤務歴があり、現在は柔道整復師の養成校で教員を務める筆者が、関節炎についての説明や、更年期障害との関係について説明していきます。

関節炎とはどんな状態?

さまざまな原因により関節部が変形したり、腫れや痛みが生じていて、炎症を起こしている状態を関節炎といいます。

関節炎の原因とは?

身体を動かすために関節は常にストレスを受けています。

さまざまな原因で関節炎は起こりますが、過度な運動や体重増加、加齢、病気などで関節への負担が大きくなると炎症が起きやすくなります。

次は関節炎の種類・原因となる疾患について説明していきます。

変形性関節症

加齢や肥満、使い過ぎなどが原因で関節軟骨がすり減り、関節が変形してしまい、痛みやこわばり、機能障害を起こす疾患です。

年齢を重ねるごとに発症率が上がり、40歳以上の有病率は55%以上と言われていますが、スポーツや仕事で酷使している場合は若い方にも発症します。

私が出会った患者さんでも変形性関節症の方は多く、特に膝関節に症状が出ている方が多かったです。症状としては朝方や動作の開始時(立ち上がる時、歩き始める時など)に痛みが出ている方が多かったです。

関節リウマチ

自己免疫疾患という、自分の免疫が誤って自分の細胞を攻撃してしまう疾患のひとつです。

自分の免疫が自分の関節を攻撃してしまい関節に炎症が起きたり、破壊されてしまう疾患です。

原因不明で中年女性に発症することが多く関節の痛み関節の腫れ朝のこわばりなどの症状がでます。

女性の方は、関節炎の原因が関節リウマチなのか、更年期障害なのか、それとも他にあるのか原因を鑑別することも重要です。

左右対称に発症することが多く、手の指から足の指まで様々な関節に起こることがあります。

私が出会った患者さんでは手指に症状が出ている方が多かったです。関節の症状以外にも様々な症状が出る場合もあります。重要な疾患なので、柔道整復師の国家試験にもよく出題されている疾患です。

全身性エリテマトーデス

関節リウマチと同じく自己免疫疾患のひとつで、全身の臓器や皮膚、血管、関節などに炎症や障害がおこる疾患です。

20歳~40歳くらいの女性が発症しやすいと言われています。指定難病のひとつですが、症状によっては日常生活も普通に送ることが可能です。

関節痛や発熱、皮膚の症状が起こることが多く、特徴的な症状として蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)と呼ばれる頬にできる赤い湿疹があります。

化膿性関節炎(感染性関節炎)

関節内に黄色ブドウ球菌などの細菌が侵入することによって、関節が化膿し炎症を起こしてしまう疾患です。

関節痛、発赤、腫れ、熱感、倦怠感などの症状があり、ひとつの関節で症状が現れるのが特徴です。

痛風

体内にたまってしまった尿酸が結晶となり、関節部に激しい痛みが起きる疾患です。

痛風という言葉にドキッとした男性も多いのではないでしょうか。

中年男性に多い疾患と言われていますが、筆者の周りでは20代、30代で痛風に悩まされている方もいるので、若い患者さんも増えているのかもしれません。美味しい食事が年中溢れている現代ではしょうがないのかもしれないですね。

症状としては、左右どちらかの足の親指の付け根に歩けないほどの激しい痛みが生じることが多く、発赤や腫れることも多いです。

更年期障害と関節炎との関連性とは?

次に更年期障害と関節炎の関連性について説明します。

更年期

一般的に日本人女性は50歳前後で閉経する方が多く、この閉経前後約5年間(45歳~55歳ごろ)を更年期と呼びます。

更年期障害

更年期における女性ホルモンの分泌が減少することでホルモンバランスが崩れ、心身に様々な不調が現れ日常生活に支障が出ている状態です。

肩こり、疲労感、のぼせ、頭痛、腰痛、発汗、不眠、関節痛などさまざまな症状があります。自分の意思でコントロールできない部分も多いので、気持ちの面も不安定になりがちです。

私が出会った患者さんにも、様々な症状に悩まされている方が多かったです。個人的な見解ですが、ご家族の理解やサポートも非常に大事だと感じましたので、世の旦那様方はもっと奥様を労わってあげても良いのではと思います。きっと奥様も精神面での負担が軽減されるはずですよ。

関節炎との関連性は?

更年期に減少する女性ホルモンですが、大きく2種類プロゲステロン、エストロゲンというホルモンがあります。

更年期障害には特にエストロゲンが関係していると言われています。

エストロゲンの作用には、関節・腱・腱鞘の保護作用や、骨の新陳代謝など関節周りに影響を与える作用があります。

なので更年期を過ぎると骨がもろくなったり、関節が腫れたり変形したり、痛みを感じたりする場合があります。

予防法は?

次は更年期障害が原因の関節炎について予防法を紹介していきます。

適度な運動

定期的に無理のない範囲で運動をすることが理想的です。筋肉量が減ってくると関節への負担が増えて、痛みが出やすくなってしまいます。

朝起きあがる時や動き始めに痛みが出ることが多いので、起きる前や動く前に準備体操をすることで症状が緩和されます。

私が出会った患者さんには、目覚めたら布団の中で準備体操をすることがルーティンになっている方もいました。

私が出会った患者さんの中には、膝の痛みにスクワットが有効だという情報を聞き、毎日100回のスクワットを行い、さらに痛みが強くなってしまった方がいました…。もちろんスクワットが悪いわけではありませんが、やはり「適度な」運動が大事ですね。

関節を温める

お風呂で温まった後は関節痛が和らぐ方も多いのではないでしょうか。身体は冷えていると血流が悪く、動きも悪く痛みを感じやすくなってしまいます。

動く前の準備体操やサポーターを着用することもおすすめです。

出会った患者さんの中には、温める繊維が入ったサポーターがお気に入りで周りの患者さんにすごい勢いで勧めている方もいました。

カルシウムの積極的な摂取

乳製品小魚がお勧めです。

ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE

当たり前ですがバランスの良い食事が大事ですね。

サプリメント

カルシウムやビタミンのサプリメントや、女性ホルモンに似た作用を持つサプリメントも発売されています。

治療法は?

次に更年期障害に関連した関節炎の治療法を紹介してきます。

ホルモン補充療法

減少している女性ホルモンのエストロゲンを体内に補充します。

漢方療法

ホルモンバランスの乱れによる自律神経の乱れを調整したり、冷えを取るような漢方などを処方します。

星状神経節近傍照射

喉にある星状神経節という交感神経節にレーザーを照射する治療法です。治療に痛みはほとんどなく、副作用がほぼない安全な治療法です。

睡眠障害、イライラ、筋肉のこりなどにも効果があり、精神的な緊張が強い方にもおすすめです。

関節の痛みが強い場合

症状により関節部の固定、鎮痛剤ステロイド注射、手術などを行う場合もあります。

最後に

関節炎のメカニズムと種類、更年期障害との関連性について紹介させていただきました。

関節痛でお悩みの方も、更年期障害でお悩みの方も、セルフケアやいろいろな治療法があるので一人で悩まずに最寄りの接骨院や整形外科に相談してみてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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