久しぶりに帰省した実家。あまりにも大きなテレビの音にびっくり。
思わず注意したことはありませんか?
お父さんは、再び元の音量に…どこにでもある光景ですね。
テレビの大きな音は家族だけでなく、アパートやマンションのような集合住宅では、隣人とのトラブルに発展しかねません。
高齢者がテレビの音を大音量にしてしまうのには、いくつか理由が考えられます。
ただ、音量を下げるだけではなく、原因を理解して本人に合った効果的な対策を考えていきましょう。
この記事では、次のようなことがわかります。
- 高齢者がテレビを大音量にする理由
- 難聴が原因で起こるデメリット
- 高齢者がテレビを大音量にするときの対策
- 気を付けたい生活習慣
- 聴力に異常を感じたら
どこのご家庭でもありうる身近な問題です。
ぜひ、最後までお読みいただき、生活にお役立ていただけましたら幸いです。
高齢者がテレビを大音量にする理由とは
高齢者がテレビの音を大きくするのには、加齢による聴力の低下や難聴などが考えられます。
まずは、その理由について見ていきましょう。
難聴の原因は、主に伝音声難聴と、感音性難聴の2種類があります。
- 伝音声難聴:音を伝える役割の外耳や内耳に原因がある。原因がわかれば治療が可能。
- 感音性難聴:内耳にあって音を感知する有毛細胞が年齢とともに減少するために起こる。
難聴になると、小さな音だけでなく高音域の音が聞こえにくくなったり、複数の音を一度に聞いた時に特定の音を聞き分けにくいという特長があります。
また、原因がわかれば治療できる伝音性難聴に対し、感音性難聴は治療が困難と言われています。
そのため、聴力を補う対策が必要となってきます。
難聴が原因で起こるデメリット
耳が聞こえにくいと、次のようなデメリットが考えられます。
- 必要な音が聞こえず、普段の生活に支障がでる。
- 危険を察知する能力が低下する。
- 家族や友人とコミュニケーションがとりづらくなる。
- 自信がなくなってしまう。
- 認知症のリスクが増える。
- 孤立感を感じ、うつのような病気を引き起こす。
必要な音が聞こえず、普段の生活に支障がでる
テレビの音が大きいと、電話やインターホンの音に気付かないことがあります。
緊急時の音が聞こえなかったり、防犯の面からも心配ですね。
また、家電やガス器具などの電子音に気付きにくくなり、それが原因で大きな事故につながってしまう危険性も考えられます。
危険を察知する能力が低下する
外出時には、車の警告音等に気付かず事故に合うリスクが高まります。
家族や友人とコミュニケーションがとりづらくなる
誰かと話していても内容が聞き取れず、聞き返すのが億劫になってしまいがちに。
結果、あいまいな返答をしてまい、トラブルや孤立の原因となりかねません。
自信がなくなってしまう
耳が聞こえないことで自信がなくなり、外出や他人と関わる機会が減っていきます。
そのため殻に閉じこもり、孤立感を深めてしまいます。
社会との接点が希薄になることで、認知症やうつ病の引き金となってしまうかもしれません。
社会と関りを持つということは、それだけ重要なことなのです。
このように耳が聞こえにくいことで起こるデメリットは、あげればキリがありません。
高齢者がテレビを大音量にするときの対策5選
次に本人に合った対策について考えていきましょう。
手軽にできるものから順番に解説していきます。
- テレビの音声モードを調整する。
- テレビの音量を下げ、字幕表示にする。
- ヘッドホン・イヤホンを使用する。
- 市販のワイヤレスピーカーを活用する。
- 補聴器を使用する。
テレビの音声モードを調整する
テレビの機種にもよりますが、音声モードを調整してみましょう。
- 音声設定
- 音声モード
- クリア、はっきりモードを設定
テレビの音が聞き取りやすくなる可能性があります。
テレビの音量を下げ、字幕表示にする
簡単な方法は、字幕を表示することです。音量は下げて、聴覚を視覚で補います。
ただし字幕を読むのが面倒な方にっては不向きな方法かもしれません。
ヘッドホン・イヤホンを使用する
ヘッドホン、イヤホンの使用を勧めてみます。耳をふさぐため、圧迫感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
いずれにしても、長時間の使用は耳に負担がかかるので避けましょう。
そのためにテレビを観る時間を決めるのもひとつの方法です。
高齢者向けのテレビ用スピーカーを設置する。
コストはかかりますが、高齢者向けテレビ用スピーカーを購入するという方法もあります。
スピーカーは、大まかに分けて以下の3種類。
- テレビの近くなど離れたところに設置するもの
- 手元に置くタイプのもの
- 首にかけて使うもの
スピーカーを使うことで、高音もクリアに聞き取れるというメリットがあります。
補聴器を使用する
補聴器は、個人の聴力に合わせて音質を作り出す機能があり、音を聞き取りやすくします。
最初は抵抗があるかもしれませんが、早いうちに使い慣れておくのもいいかもしれません。
テレビを観るときだけでなく、すべての日常生活の質の向上も期待できるでしょう。
補聴器は高価で躊躇される方もあると思いますが、今はレンタルで利用できる便利なサービスもあります。
どんな方法にも個人差がありますので、手軽なものから順々に試してみることをお勧めします。
加齢による難聴予防のために気を付けたい生活習慣6選
感音性の難聴は、治療が難しいのであれば悪化や予防に努めたいですね。
加齢はいずれだれにでもやってきます。予防対策を知ることは、あなたの今後の生活においても有効です。
- 大音量でテレビや音楽を聴かない。
- 大きな音を発する場所に長時間滞在するのは避ける。
- 騒音の中で仕事などをする場合は、耳栓を付ける。
- イヤホンの長時間使用や、大音量で聴かない。
- 耳を休ませる時間を作る。
- 血流障害を予防するため、塩分やコレステロールを控えた食事を心がける。
大音量でテレビや音楽を聴かない
大きな音は、耳に負担をかけ、劣化を早めてしまいます。まずは、普段から心がけましょう。
大きな音を発する場所に長時間滞在するのは避ける
例としてコンサート会場や映画館、パチンコ店などがあげられます。このような場所に長時間滞在するのは、避けたいものです。
騒音環境で仕事などをする場合は、耳栓を付ける
仕事であれば避けられないのが現状です。仕事に支障がない範囲で耳栓を使用するなどの対策をとりましょう。
イヤホンの長時間使用や、大きな音で音楽などを聴かない
内耳の有毛細胞が壊れ、聴力劣化の原因となってしまいます。
最近は、ヘッドホンやイヤホンで一日中、音楽を聴いている若者が増え、若年者の難聴が問題視されています。
高齢者だけの問題ではないことを意識しましょう!
耳を休ませる時間を作る
耳は、定期的に休ませることが必要です。目安として、1時間に10分程度は何も聞かない時間を作りましょう。
塩分やコレステロールを控えた食事を心がける
塩分やコレステロールを控えたバランスの良い食生活は、血流を促す効果があります。
血流をよくすることで、動脈硬化や糖尿病のリスクを下げ、聴力の悪化を防ぐ効果が期待できます。
聴力の異常を感じたら
耳が聞こえにくいのは「もう年だから仕方ない」とあきらめてはいないでしょうか。
その結果、治療しても回復の見込みがないと分かれば効果的な対策を考えましょう。
また、異常を感じなくても、1年に1回程度の定期健診を受けるのもいいでしょう。
テレビの音がうるさい!高齢者が大音量にする理由と対策のまとめ
大音量のテレビの音は、周囲の人を不快にさせます。しかし、大抵の場合、本人は気づいてない場合が多いのです。
テレビは本人にとっては楽しみのひとつのはずです。楽しみを規制するのではなく、その方に合った方法で解決しましょう。
- テレビ本体の音声モードや、字幕モードの活用
- ヘッドホン、イヤホン、補聴器の活用
- ワイヤレススピーカーなどの家電の設置
高齢の家族が楽しみを持って暮らすためには、まわりの家族の理解やサポートは何よりも大切です。
それが認知症などのあらゆる病気の発症リスクを下げ、さらに家族全員の幸せにもつながることでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。