年金だけで老人ホームへ入居できるか知りたい!

年金だけで老人ホームへ入居できるか知りたい!

年金だけで老人ホームへ入居できるか知りたい直球のタイトルですが、老人ホームを探す人は一度考えたことがあるのではないでしょうか?30代や40代でも社会保険料で給与から天引きされていますから、そもそも将来どのくらいの年金を受給できるのか気になる人も多いのですよね。

本日は、プロの老人ホームの紹介会社スタッフとして、

現場で3年以上の経験を有し、福祉の国家資格を有した社会福祉士である私が、

 

『年金だけで老人ホームに入居できるのかどうか』の質問にお答えします。

 

結論だけ、ざっくりで言ってしまえば、

 

年金だけで老人ホームなどの施設に入居することは可能です。

 

ただし、受給される年金額というのは人によって違いがあります。ですから、年金額によっては老人ホームへ入居できないケースもあります。

たとえば、年金受給は2ヶ月おきですから、2ヶ月で6万円が通帳に振り込まれるとしましょう。そうすると、毎月の年金額は3万円ということになりよね。

毎月3万円で生活できる老人ホームを私は知りません。

このように、極端なことを言われてしまうと私も困ってしまうので、全国の平均年金月額をもとに話を進めたいと思います。

全国の平均年金月収とは

みなさまは、全国の平均年金月額をご存じですか?

厚生労働省から発表している資料を紹介します。

下記に載せましたのでそちらをご確認ください。(※表1を参照)

抜粋ではありますが、全国の平均年金月収を令和元年度時点を表でみますと、厚生年金保険(第1号)の平均受給額は、月額146,162円ということになります。

社会人になり、会社で働いていて社会保険料を給与から天引きされ払っていたかたは、このくらいの年金を受給されているということになります。

一方、自営業などの理由で、社会保険料を支払っていなかったかたは、国民年金のみの受給になりますから、月額56,049円を受給されるということになります。約9万円の差があります。年間になおすと、

 

9万円 × 12か月 = 108万円

 

となりますから、年間で100万円以上の差があります。
この差は大きいですよね。さすがに、国民年金の受給だけで入居できる施設を探すのは難しいです。

一都三県で比較すると、国民年金の受給額は「東京都」が一番低く、厚生年金の受給額は「神奈川県」が多いという結果が見てとれますね。(※表1を参照)

このように、一都三県においても平均年金月額においては差があることがわかります。

ですから、今回は『全国の平均年金月額』の金額を基準に話をさせていただきます。

月額146,162円ということで、約14.5万円を基準として話を進めます。

表1

参考:厚生労働省「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

https://www.mhlw.go.jp/content/000706195.pdf

年金だけで老人ホームに入居する方法

さて、年金が14.5万円の場合は、どうやって老人ホームに入居することができるのかご説明します。それには、現在おかれている入居を希望する親の状況によって、内容が変わります。

よって、いくつかのケースに分けて記載をします。

自宅や貯金や証券などの資産がある場合

入居金や前払い金という料金形態のある施設を選びましょう。

老人ホームには、入居金や前払い金のプランを用意している施設があります。

これはどういう意味かというと、

施設側が決めた居住期間分の家賃などを入居と同時に支払うプランのことです。簡単に言えば、『家賃先払いプラン』みたいなものです。具体的に説明しましょう。

たとえば、

 

入居金  :0円

家賃   :10万円

管理費  :4万円

食費   :4万円

 

というような施設があったとしましょう。

この場合は、施設へ支払う月々の費用として 合計18万円 を支払うことになります。

では、入居金プランを利用した場合はどうなるかというと、

 

入居金  :480万円

家賃   :2万円

管理費  :4万円

食費   :4万円

 

という料金形態になります。これはどういったことかというと、入居金が0円のタイプでの家賃の支払い額は、家賃が10万円ですよね。

ただし、入居金として、家賃の8万円分を60か月分(5年分)として、入居と同時に家賃を先払いします。
式で表すと、

 

家賃の8万円 × 60か月 = 480万円

 

となりますから、はじめに480万円の入居金あるいは前払い金を支払うということです。先払いをしていますから、施設へ支払う月々の費用は合計10万円になるわけです。

 

メリットとしては、入居金あるいは前払い金を60か月分使い切ってしまい償却してしまったとしても、ほとんどの施設ではさらに480万円を支払うということはありません。

入居時の1回きりということです。

また、施設に支払う費用に関しても退去するまで10万円で入居できます。

入居金や前払い金にはもちろんデメリットもありますので、注意しましょう。

ここでは、今回のテーマから内容が逸れてしまうので記載を省きますが、

詳しく知りたいかたは『近所のよしみ』までご連絡ください。入居金プランを用意している施設は探せば意外とあります。

自宅や貯金や証券などの資産がない場合

この場合でも入居できる施設はあります。

実は、年金額というのは施設側でも把握しているケースが多く、運営会社としても施設を建てる前に確認しておくことがあります。ですから、おおよそ年金額は月15万円くらいを受給されていると理解している運営会社が多いということです。

それを見越して、『年金額が月15万円くらいのかた』をターゲットにしている施設なども存在しています。

正直、数は少ないです。とくに一都三県ではさらに少なくなるので、郊外の老人ホームになると思ってください。

とくに、特別養護老人ホームは全国各地にあります。

特別養護老人ホームとは『特養』と言われる施設のことです。郊外で年金内におさまる特養もありますし、比較的に有料老人ホームよりも安く入居でき、空室がある可能性も高くなる傾向が都心と比べるとあります。

資産が残っておらず、年金しかないから老人ホームには入れないと落胆しないで良いのですが、一都三県などの比較的に都心にお住まいの方で、近場で老人ホームを探して入居したいという希望だけは、こういった部分を諦めるしかないケースもあります。

また、特別養護老人ホームに入居する場合は、要介護3以上の介護保険の判定を得る必要がありますから、こうした入居条件は見学前に施設に確認をしておくことが大事になります。

自宅や貯金や証券などの資産はないがどうしても近くが良い場合

あまりおすすめができる方法ではありませんが、

『ショートステイ巡り』をするというかたもいます。ショートステイは一時的に利用するのが主な利用方法です。一時利用が目的ですから、30日以上の利用の際は利用できないこともあります。

一時利用とは、たとえば親の介護をしている家族のレスパイト(休憩・休養)で利用するなどがあげられます。

こういったショートステイをその都度見つけ出し、自宅とショートステイを行ったり来たりしながら、利用する方法もあります。
私たちは、『ショートステイ巡り』と呼んでいます。この方法は、利用する本人(親)にとっては環境の変化で苦痛が生じる場合もあり、精神的にも不安定にさせることがあるのであまりお勧めできる方法ではありません。しかし、こういった方法をおこなっているかたもいらっしゃいます。

生活保護受給者の場合

「どんな施設でも空室があれば老人ホームは入居できるんでしょ。」

「親の生活保護費にいくらか支援すれば入居できるでしょ。」

ということを家族からたまに聞くことがあります。

この2点に関しては大きな問題があります。どんな問題かというと、生活保護受給者は、どこの施設でも入居できるわけではありません。

受け入れる施設もあれば受け入れない施設もありますから、施設ごとに確認が必要になります。また、受け入れができる施設であっても、生活保護受給者の人数制限をおこなっている場合もあります。

そのため、施設ごとに電話で、「生活保護受給者の受け入れは可能ですか?」と確認することが必要になります。
ですから、予約をせずに、ふらっと見学に行って確認するのではなく、まずは電話で入居可能か確認をすることをおすすめします。

次に、生活保護受給者の親を援助して老人ホームに入居する場合です。

こちらはそもそもNGです。なにがNGかというと、生活保護受給者は『最後の砦』と耳にしたことがないでしょうか。『最後の砦』とはよく言ったものだと私は思うのですが、どういうことかというと、

「もう明日の日銭もなく生きていけないというような状態で、身内の誰も援助することができない状態にあるかた」に対して、生活保護が受給されます。

こうした本当にギリギリの生活をせざるを得ないかたに生活保護受給が可能となっています。ですから、援助をしてしまうと最悪の場合、生活保護を打ち切られてしまいます。

親への支援は『援助』とみなされてしまうからです。

生活保護を受給されているかたは、援助になるのかどうかを福祉事務所や行政にしっかりと話をし、確認しながら話を進める必要があるので、注意してください。

さいごに

年金だけで入居できる施設はあります。ただ、どれもこれも選べるという訳ではないので、見学をしてみて、「ここに入居したい!」と思う施設が見つかったとしても、毎月の支払う費用が高くてそもそも見学しない方が良かったと思うことさえあります。

また、施設に支払う毎月の費用を『月額利用料』と介護業界ではいいますが、この月額利用料以外にも発生する費用があるので、その金額も加味した上での施設探しが必須です。

このように、老人ホームなどの施設における知識と経験は必須です。

場合によっては施設に事前に連絡をし、確認すべきことを確認したうえで施設を探したり、見学したりということが求められます。

それだけ、ひとりで老人ホームを探すのは本当に難しいです。マイホームを購入するよりも難しいと私は思っています。

ですから、老人ホーム探しはプロの紹介会社を利用して、しっかり相談しながら施設探しをすることをおすすめしています。

紹介会社も千差万別ですが、介護経験をしていて、介護や福祉の国家資格を有した相談員へ相談をすることをおすすめします。
もし、迷うことがありましたら、『近所のよしみ』とインターネットで検索してみてください。きっと皆さまの親御さまにとってベストな施設を探し出してくれます。

介護施設選びは『地域介護相談センター 近所のよしみ』におまかせ!

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