- なぜ介護拒否されるのかわからない
- 拒否されたらどう対応すればうまくいくのか知りたい
- 拒否されるので介護がつらくなってしまう
このような悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
親のためだと思ってしている介護が、拒否されてしまったらとても苦しいですよね。
この記事では、介護拒否の理由と対処法を解説します。介護を拒否する理由も対処法も答えは一つではありません。
介護拒否でお悩みの方は、対応のヒントにして気持ちよく介護が続けられるようにしてくださいね。
介護拒否の理由とは
そもそも、なぜ介護拒否の状況になってしまうのでしょうか。理由をはっきり言える方もいれば、なぜ拒否をするのか原因がわからない方もいます。どのような理由が考えられるのか探っていきましょう。
自立心・自尊心が高い
今まで人には頼らずなんでも自分でしてきたというプライドのある方は、介護拒否をする傾向があります。今まで、自立して生活していたため介助を受けるのに抵抗を感じてしまいます。
「人に迷惑をかけられない」「介護が必要になるなんて情けない」と思ってしまう方もいるでしょう。
自立心・自尊心が高い方は、物忘れが進行しわからなくなってしまったり、当たり前にできていたことができなくなったりしてもなかなか助けを求められません。恥ずかしくて聞けない方や、できないことを隠してしまう方もいます。
羞恥心が強い
自尊心と似ていますが、介護されることが恥ずかしいという羞恥心が強く、介護を拒否されるケースもあります。
排泄や入浴、着替えなどのプライバシーに関わる介助は手伝われることに抵抗を感じる方も多いでしょう。とくに排泄介助は誰でも人にお世話になりたくない介助の一つですよね。排泄に失敗してしまい、下着などを隠してしまうケースもよくあることです。
介護の無理強いはできませんが、排泄や入浴、着替えなどの介助が滞ってしまえば本人の清潔保持ができなくなってしまうため介護する側も困ってしまいます。
体調が悪いため
体調が悪いけれどうまく伝えられない方もいます。自分の心身の状況を言葉で表現できず、拒否につながっているケースもあるでしょう。返事をするのもしんどい状況であれば、態度で拒否を示してしまう方もいます。
体調の変化は気づかれないままでは危険なケースもあるため、拒否がある場合は体の不調があるのではないかと観察することも大切です。
環境の変化にストレスがある
介護サービスの利用が開始されると、ケアマネジャーや介護サービス事業者など新しい人間関係が増えます。デイサービスなどの利用が開始された場合、他の高齢者との交流も含め、新しい場所になじむ必要がある方もいるでしょう。介護にまつわる環境の変化が増えてストレスを感じてしまう方も多くいます。
とくに、施設に入居することになれば環境の変化が大きく、混乱してしまう方も多いでしょう。家にいるときとは違う時間にお風呂に入らなければいけないかもしれません。食事の味付けも変わってしまいます。見慣れない風景で、部屋から出れば知らない人ばかりです。高齢になってから、生活する場所も何もかも変わってしまえば混乱し介護拒否につながるケースも少なくありません。
自分の慣れ親しんだ自宅を離れるストレスや、自分の好きなタイミングで好きなことができないストレスは計り知れません。
高齢の方には環境の変化に適応するのが難しい方も多く、慣れるまでは気長に見守っていく必要があります。
認知機能の低下
認知機能の低下も介護拒否の大きな要因です。
介護されていても、何をされているのかが理解できない状態は恐怖です。自分で何でもできると思っているのになぜ手伝ってもらわなければいけないのか理由がわかりません。
介護拒否の多くは、認知機能の低下が原因になっているケースが多いと思われます。認知機能が保たれていれば、体調が悪くても簡単な言葉でも伝えられます。自立心・自尊心・羞恥心を抱いていたとしても、自分ができなくなってしまったことを理解し介護を受け入れられる方も多いはずです。
介護拒否があるときの対処法
介護拒否があるときはどのように対応したら良いでしょうか。無理強いしてはいけないと頭では理解していても必要な介護ができないのはもどかしいですよね。介護の方法に正解はありませんが、少しのヒントで解決するケースもたくさんあります。ここからは介護拒否があるときの対処法のヒントをいくつかご紹介します。
介護者の価値観に当てはめない
介護拒否に悩んでしまう方も多いと思いますが、そもそも自分の価値観に当てはめていないかを振り返ってみましょう。良かれと思って介助していることが本人にとっては負担になっているケースもあります。
家族とはいえ今までの習慣や長年培ってきた価値観は異なります。自分が当たり前だと思っていることが人にとって当たり前ではないことも多いものです。常に、自分の価値観を押し付けず、人それぞれ価値観は異なるものだと頭に置いて対応しましょう。
本人に不利益を伴うようなことでなければ寛容に受け入れる気持ちも大切です。
相手の気持ちを尊重する
常に介護を拒否している方の意思を尊重した対応が大切です。
介護を拒否するのには必ず原因があります。拒否をする原因を探り解消できるよう歩み寄っていくことが必要です。
介護がうまくいかないからといって、介護者側がイライラしてしまったり怒ってしまったりすると心を閉ざしてしまい、悪循環になってしまいます。
本人の意思を尊重し受け入れる姿勢を見せていると本人からの信頼を得て、介護を受け入れてもらえるかもしれません。
タイミングをずらして声を掛ける
介護拒否された場合、タイミングをずらして声を掛けるとうまく行くケースがあります。声をかけたタイミングがたまたま機嫌や体調が悪かっただけかもしれません。
介護する側は拒否をされて焦ってしまう気持ちがあるかもしれませんが、強引な対応をしたり、急かしたりするのは禁物です。気長に待ってから声をかけてみましょう。
時間をずらし、見計らって声をかけるのを繰り返して分析してみると、ベストなタイミングが見つかるかもしれません。
介助前に具体的な声かけで理解してもらう
介護をされる側は、自分が何をされているのかわからなければ不安になってしまいます。介護をする前には、具体的に今から何をするのかなどの声をかけてから行いましょう。
自分は何でもできるので介護が必要ではないと思っている方には、介護が必要な理由を伝えてから介護すると良いかもしれません。認知症の方は、説明されても忘れてしまう場合もあるため、何度も丁寧に声をかけてからお手伝いすると安心感を与えます。
介護する理由と介護する内容をしっかり伝え、納得感を得てから行うと受け入れてもらえるケースがあります。
また、認知症により言葉が出にくい方や体調が悪く返答が難しい方には「はい」や「いいえ」で返答できる答えやすい質問に変えるなどの工夫も必要です。
自分でできることは行ってもらう
何でも手伝おうとせず、自分で行ってもらうという自立支援の視点も大切です。
介助されることに抵抗がある方は、自分で行えるようにすればすんなりと受け入れてくれる場合があります。自分で納得いく方法で行えれば満足するケースも。
ただし、うまく行えているかや安全に行えているかを確認する必要がある方もいます。少し距離を取りながら様子を観察して見守りましょう。
自分でうまく行えた場合は、介護する側も助かった、うれしかったと感謝の気持ちを伝えればその後も気分よく過ごせるでしょう。
主治医に相談する
介護が必要な状況であること、介護を受け入れるべきだということを主治医から説明してもらえれば納得してもらえるケースがあります。高齢者の中には主治医には絶対的な信頼を置いている方がいます。自身の身体状況を冷静に受け止めることができれば介護を受け入れてもらえるかもしれません。
服薬拒否がある方では、健康に影響を及ぼす可能性もあるため主治医に服薬内容の相談もしておかなければいけません。飲みやすいタイミングや、形状に変更してもらえる薬もあります。
認知症などが原因で、介護拒否がある場合は処方を検討してもらうのも一つです。必要に応じて認知症外来などの専門医も紹介してもらえます。
介護のプロに相談する
家族では対応しきれない介護拒否は、介護のプロに相談するのも一つです。
介護サービスを受けていない方は、地域包括支援センターに相談してみましょう。地域包括支援センターは主任ケアマネジャー・社会福祉士・看護師が在籍する地域の総合相談窓口です。相談には費用もかからず高齢者のあらゆる悩みに対応してくれます。
介護サービスが必要な場合は、ケアマネジャーの紹介もしてもらえます。家族だけで頑張らず、介護サービスを利用しプロの介護を受けてみるのも良いでしょう。高齢者には、家族にはわがままでも体裁を気にして他人の介護なら受け入れてくれる場合もあります。
家族だけで介護をしていると、行き詰まってストレスをためてしまいます。介護疲れで家族が倒れてしまわないためにも介護サービスを活用してプロの力を借りましょう。
それでも在宅介護に限界を感じてしまう場合は施設入居も検討しましょう。入居を拒否する方や、施設に慣れるまで時間がかかる方もいますが、施設のスタッフは高齢者介護のプロです。施設に慣れるまで根気よく対応してくれます。
介護拒否の対応には答えがない
今回の記事では、介護拒否の原因や対処法を解説しました。
介護拒否の原因や対処法には明確な答えはありません。さまざまな要因が絡み合って拒否につながってしまいます。
自分の価値観を押し付けず気長に見守る気持ちや、相手の気持ちを尊重する気持ちが大切なのは誰にもわかっていることですがうまくはいきません。拒否されてしまうと、スムーズに対応できないことへのいら立ちや、悲しい気持ちを抱いてしまいます。
介護拒否が続き、介護者にストレスが蓄積してしまえば、虐待や介護放棄の問題につながってしまうケースも少なくありません。
一人で抱え込まず、限界を感じる前に介護のプロに相談しつらい思いを解消しましょう。