認知症カフェ(オレンジカフェ)はどんなところ?期待できる効果・参加方法を紹介

認知症カフェ(オレンジカフェ)はどんなところ?期待できる効果・参加方法を紹介

大切な家族が認知症と診断されたとき、どうすればいいのか悩む方は少なくありません。また、本人も戸惑うでしょう。認知症の方と家族を支える・心のよりどころとして、全国に設置されているのが認知症カフェです。

認知症カフェはどの方も気軽に利用できるコミュニケーションの場であり、認知症への知識を正しく理解できます。さらに、閉鎖的になりがちな認知症の方や家族が、同じ境遇の方と会話を楽しむことも可能です。

この記事では、認知症カフェの特徴から利用するメリットをご紹介します。同じ境遇の方と話す機会の少ない方は、ぜひ認知症カフェに参加して気持ちを共有してみてはいかがでしょうか。

認知症カフェとは

まずは認知症カフェについて解説します。どのような施設なのか、どんな目的があるのか、順に見ていきましょう。

認知症の方と家族、地域住民の交流場所

認知症カフェは、認知症の方や家族、地域住民などが集まるカフェのことです。また、医療や福祉などの専門職の方も利用でき、認知症に関する悩みを気軽に専門職へ相談できます。

認知症になったり介護を始めたりすると、外に出る機会が減る場合があります。人とコミュニケーションをとる回数も少なくなっていくため、互いにストレスが溜まりやすくなるのです。

認知症カフェは同じ境遇の方が多く参加するので、悩みを打ち明けたときに共感を得やすく、気持ちが落ち着くことがあります。さらに、的確なアドバイスをもらえる場合もあり、問題解決につながりやすいのです。

認知症カフェの活動内容はカフェごとで異なりますが、多くはコーヒーやお菓子を口にしながら会話を楽しんだり、専門職へ相談したりしています。リラックスできる空間を整えているので、気軽に立ち寄ることができるでしょう。

オレンジカフェと呼ばれる理由

そもそも認知症カフェはオランダから始まりました。日本では、認知症の施策として2015年「新オレンジプラン」を掲げます。

新オレンジカフェは、認知症の方が住み慣れた地域で変わらずに生活できるようにすることを目的とした国の施策です。新オレンジカフェから認知症カフェは、オレンジカフェとも呼ばれることがあります。

認知症カフェの目的

目的は、認知症の方と介護者のストレスを緩和すること。認知症の方は家に引きこもりがちになり、コミュニケーション不足に陥りやすいです。また、介護者も同様で、認知症の介護に疲れてしまい家で過ごす時間が長くなるケースが多く見られます。

その結果、孤立してストレスも溜まりやすくなり、介護疲れから介護うつに発展する場合があります。そうしたケースを回避するために、認知症カフェがあります。

認知症カフェでは同じ境遇の方に出会えて、悩みを共有したり共感したりできます。認知症の方・介護者どちらともストレスを軽減でき、さまざまな人と触れ合うことで孤立を防げます。

また、地域住民の参加も認知症カフェの目的です。認知症の知識を正しく理解できるほか、認知症の方が住みやすい地域の発展につながることが期待できます。

認知症カフェで効果が期待できること

認知症カフェでは次のような効果が期待できます。

・認知症の方の引きこもりを防ぐ
・家族は同じ境遇の方、専門職に悩みを相談できる
・地域住民が認知症を正しく理解する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

認知症の方が外に出るきっかけとなる

認知症の方は自宅に引きこもりがちです。認知症カフェは認知症の方が外に出るきっかけを作り、孤立を防ぎます。さらに、同じ境遇の方とコミュニケーションをとることで、人とのつながりを認識できます。

そのほか、ストレッチや手芸、料理などのアクティビティをするところもあります。趣味を極めたり新しい趣味を見つけたりするきっかけにもなり、充実した日々を過ごすことができるでしょう。

家族は悩みを相談できる

認知症の方を介護する家族は、認知症カフェで悩みを相談できます。同じ境遇の方と情報交換したり悩みを共有したりするなど、介護に対する不安を減らします。

また介護福祉士や社会福祉士などの専門職への相談も可能です。的確なアドバイスをもらえるので、介護へのストレスや悩みが解消されるでしょう。

地域住民が認知症を正しく理解できる

地域住民はなかなか認知症の方、その家族と接する機会がありません。認知症に対して誤った知識を持ってしまう場合があります。

そうしたリスクを軽減するのが認知症カフェです。実際に認知症の方やその家族、専門職などの方とコミュニケーションを取ることで、認知症への正しい知識・理解を深められます。

地域住民に正しい知識・理解があれば、認知症の方が安心して生活できる街づくりを目指す一歩を踏み出せます。

認知症カフェに参加する方法は?

基本的に認知症カフェは当日参加が可能です。なかには予約を要するところもあります。

認知症カフェの開催時期や費用などについては、市のホームページや認知症カフェのサイト、地域包括支援センターで知ることができます。

具体的な内容については、以下で解説します。

市のホームページや地域包括支援センターで調べる

市のホームページや地域包括支援センターで情報を調べられます。また、認知症カフェ+地域名で検索すると、地域の認知症カフェがヒットします。

(参考:西東京市の認知症カフェ

ネット検索はいつでも調べられて、自宅にいながら・家事の合間など、自分のタイミングで調べられるので、ノンストレスで情報収集ができます。

一方で地域包括支援センターは、同じ地域で生活する高齢者やその家族、地域住民などが利用できる施設です。直接センターへ行く・電話で相談の2パターンあります。認知症カフェはもちろんのこと、認知症や介護に関する悩みも相談できます。認知症カフェとあわせて相談したいことがあれば、地域包括支援センターに相談してみましょう。

費用は認知症カフェごとで異なる

費用はカフェごとで異なりますが、多くはお茶代の100〜200円程度です。なかには無料で利用できるところもあります。また、アクティビティを実施するところの場合、1,000円前後かかる場合もあるので、参加予定の認知症カフェに料金を問い合わせておくとよいでしょう。

参加条件については、多くの認知症カフェで定めていません。誰でも利用できるほか、予約不要なところがほとんどです。アクティビティを行う場合は、予約が必要になるケースもあります。

認知症の方が認知症カフェに行きたくない場合は?

無理に認知症の方を認知症カフェに参加させる必要はありません。無理に連れて行くと、認知症の方が有意義な時間を過ごせなくなり、次回以降の参加も拒否する場合があります。

どのような声かけをしたらいいかわからないときは、地域包括支援センターに相談してみましょう。本人が参加してみようと思えるきっかけを作ってもらえるかもしれません。

また認知症カフェは、認知症の方を介護する家族のみの参加も可能です。参加する家族にどんな声かけをして、認知症の方が参加しているのか相談してみるのも方法の一つです。

認知症カフェは運営先ごとでタイプが異なる

認知症カフェの運営先はさまざまです。運営元ごとで対応するスタッフ・活動内容が異なることがあります。

運営先ごとでの認知症カフェについて順に見ていきましょう。

家族会は家族会メンバーや地域住民が対応

家族会は家族会メンバーや地域住民、専門知識のある方が対応します。

月1回のペースで開催されることが多く、費用は昼ごはん+ドリンクセットの500円前後です。開催場所は家族会メンバーの内の1人の自宅がほとんどです。参加人数は最大20人程度。

会話を楽しんだり悩みを相談したりするなど、認知症の方・家族の心身のケアにつとめています。

社会福祉法人は施設のスタッフが対応

社会福祉法人は施設スタッフが対応します。認知症への知識・理解があるので、安心して過ごすことができるでしょう。

週1回のペースで開催されることが多く、費用は100〜200円程度です。なかには無料で開催されるところもあります。開催場所は社会福祉法人の施設内がほとんどです。

アクティビティの開催が多く、認知症の方の趣味を広げたり興味関心を惹きつけたりするなど、有意義な時間を過ごせます。また、認知症の方の家族は、介護職員などへ相談できるので、悩みや不安を解消するきっかけになるでしょう。

NPO法人はスタッフまたはボランティアが対応

NPO法人はスタッフや地域のボランティアが対応します。

費用は100〜500円程度。ドリンクや食事などのメニューを用意しているところが多く見られます。開催場所は地域のコミュニティ広場や空き家などです。

囲碁や手芸などのサークル活動・おしゃべりなどを楽しめます。比較的、自由に過ごせて、自分たちのしたいことができるのがNPO法人の認知症カフェの特徴です。

認知症の方・家族などの参加もありますが、多くは地域住民が参加しています。

市町村は介護職員や医療関係者が対応

市町村は介護職員や医療関係者などが対応します。

週1〜2回のペースで開催されるところが多く、参加費はほとんどが無料です。開催場所は市町村の施設です。

活動内容は、主に認知症の方とその家族のサポートです。また、受けられる支援を案内することもあります。

開催時期については、市町村のホームページから確認できます。そのほか、役所の福祉・高齢者窓口、自治体のフリーペーパーなどでも情報を得ることが可能です。

認知症カフェだけじゃない!認知症に関する悩みを相談できる場所

認知症の相談は認知症カフェだけではありません。さまざまな場所で認知症への相談ができます。ここでは、認知症カフェ以外の相談方法について解説します。

ケアマネージャーに相談

ケアマネージャーは、介護の知識を幅広く持つスペシャリストです。認知症に関する相談はもちろん、介護サービスの利用方法や施設入居のことなども相談できます。

認知症の方、その家族がストレスなく過ごしやすい方法を一緒に考えてくれるでしょう。

自治体主催の認知症に関する相談会

自治体によっては、認知症に関する相談会・勉強会を開催するところもあります。同じ悩みを抱える方と知り合うきっかけにもなります。

イベントの開催については、市のホームページやフリーペーパーなどで調べられます。

市の認知症コールセンター

多くの自治体では認知症コールセンターを設置しています。介護福祉士や社会福祉士、認知症専門医などが対応し、些細なことでも気軽に相談できます。

「認知症の家族とどうやって接したらいい?」「こんな症状が見られたときの対応方法は?」など、日常生活での気になること・心配なことがあれば、コールセンターを活用しましょう。

認知症の方、介護する家族がストレスを溜め込まないことが大切

認知症の方はできなくなることが増える、家族から指摘などにより、ストレスを抱え込みます。一方で家族は、認知症の方の介護に疲れを感じやすくなります。

互いにストレスが蓄積することで、外出する機会が減っていき、社会から孤立してしまう場合があります。人とコミュニケーションをとる時間もなくなるため、さらに状況が悪化するかもしれません。

そうした事態にならないために、認知症カフェがあります。認知症カフェはどなたでも利用できる集いの場所です。認知症に関する悩み・不安があれば、認知症カフェに立ち寄って同じ悩みを抱える方と気持ちを共有したり、解決へのヒントを得たりできます。

認知症の介護は、本人・家族がストレスを溜め込まないことが大切です。認知症カフェで、ストレスを軽減して気持ちをリセットしてみてはいかがでしょうか。

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